
母の日、いつもありがとう
「産んでくれてありがとう」
母が祖母にそう言っていた。
その時、ふと思った。
私はいつか、心からその言葉を伝えられる日が来るのだろうか、と。
どう生きていけば、
「生まれてきてよかった」ではなく、
「産んでくれてありがとう」と思えるんだろう。
この世界は、
楽しいことより、辛いことの方が多い気がしている。
私は昔から、
辛い思いをするくらいなら、最初から生まれない方がよかったんじゃないか、と考えてしまう。
病んでいるとか、そういう話ではなくて。
「人生は楽しいことばかりじゃないからいい」
「痛みを知るから、人に優しくなれる」
そんな言葉をよく聞く。
でも私は、
楽しいことだけの人生でいいのに、と思ってしまう。
痛みを知らなければ、
誰かを傷つけることも、怒ることも、もっと少なかったんじゃないか。
なぜ人は、試練を与えられながら生きていくんだろう。
そしてなぜ、その人生に対して、
「産んでくれてありがとう」と言えるんだろう。
私はまだ未熟なのかもしれない。
今の私はまだ、
心から「産んでくれてありがとう」とは言えない。