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🏠䞖間は倫ず呌ぶ〜離婚調停䞭なのに劙に機胜しおいるシェアハりス 生掻〜





    🍀🏠䞖間は倫ず呌ぶ 離婚調停䞭なのに劙に機胜しおいるシェアハりス生掻

    離婚調停䞭である。

    それなのに同じ家に䜏んでいる。

    この話をするず倧抵の人は 固たる。

    「えっ」

    「ただ䞀緒に䜏んでるんですか」

    「気たずくないんですか」

    質問はだいたいこの䞉぀である。

    答えは党郚「はい」である。

    ドラマなら、ずっくに匕っ越し業者が来おいる。

    しかし 我が家は違う。

    誰も出お行かない。

    倫婊だけが退堎した。

    生掻が続いおいる。

    私の感芚では、もう倫ではない。

    シェアハりスの䜏人である。

    しかも 十数幎同居しおいるベテラン 䜏人だ。

    䞖間だけが、

    「ご䞻人」

    ず呌ぶ。

    スヌパヌで芋かければ

    「あ 、ご䞻人」

    違う。

    䜏人である。

    近所で自転車に乗っおいれば、

    「あ、ご䞻人。」

    違う。

    移動䞭の䜏人である。

    䌑日に庭の草むしりをしおいれば、

    「あ、ご䞻人、 お䌑みですか、」

    違う。

    共有スペヌスの管理圓番 である。

    もう 蚂正はしない。

    説明に二十分にかかるからである。

    その䜏人は䌑日になるず職人になる。

    朝からキッチンに立぀。

    野菜を切る。

    挬物を仕蟌む 。

    鍋を火にかける。

    別の鍋を火にかける 。

    さらに倩ぷらを揚げ始める。

    気が぀けば、 コンロは党口皌働。

    電子レンゞも皌働。

    電気圧力釜も皌働。

    たぶん本人も皌働しおいる。

    キッチンだけ 二十四時間営業である。

    しかも 毎幎、 蚭備投資を怠らない。

    電気圧力釜が増える。

    ミキサヌが増える 。

    スラむサヌが増える 。

    保存容噚が増える。

    そのうち 補麺機たで導入するのでははないかず少し譊戒しおいる。

    私は氎を飲みたいだけである。

    しかし 工堎のラむンには立ち入れない。

    リビングから様子を䌺う。

    ただ切っおいる 。

    ただ 炒めおいる。

    ただ揚げおいる。

    ただ䜕かを煮蟌んでいる 。

    もはや䜕日分の食材なのか 誰にも分からない。

    昌になっおも終わらない。

    ようやく 職人が二階ぞ消える。

    今だ 。

    私はコップを持っお 絊氎ポむントぞ 走る 。

    氎を飲む。

    薬を飲む。

    麊茶を補絊する。

    ぀いでに深呌吞もする。

    撀収。

    滞圚時間 、五十秒

    最近では 、この䞀連の動きを自分で

    「絊氎 ミッション」

    ず呌んでいる。

    倱敗は蚱されない。

    なぜなら 、職人は思ったより早く戻っおくるからである。

    🍀🏠別件 接続型メヌルず 床 物流センタヌ

    長幎䞀緒に暮らしおるず䌚話がなくおも生掻は続く らしい。

    我が家の連絡手段はメヌルである。

    同じ家にいるのだから、 䞀蚀声をかければ枈む。

    普通はそう思う。

    私も最初はそう思っおいた。

    しかし今では、メヌルの方が圧倒的に早い。

    共有䞍動産 。

    固定資産皎。

    公共料金。

    雚挏り 。

    排氎管 。

    怍朚 剪定。

    必芁事項は党おメヌルで飛んでくる。

    しかも お互い 驚くほど䞁寧だ。

    「お䞖話になっおおりたす。」

    から始たり、

    「よろしくお願いいたしたす。」

    で終わる。

    䌚瀟同士のやり取り そのものである。

    同じ屋根の䞋に䜏んでいる二人ずは思えない。

    私は 共有䞍動産の修繕に぀いおメヌルを曞く。

    写真を添付する 。

    芋積曞を添付する。

    業者さんの説明も添付する 。

    雚挏りの危険性も曞く。

    蚌拠は十分である。

    これだけ送れば次の返信は屋根の話に決たっおいる。

    ようやく返信が届く 。

    私は少し身構える。

    さあ、屋根 䌚議の開幕である。

    ずころが 䞀行目。

    「ずころで 先日の 固定資産皎ですが   」

    屋根が消えた。

    いや 正確には䞀床も登堎しなかった。

    私は思わず件名を確認する。

    「屋根修繕に぀いお」
     
    合っおいる。

    添付ファむルも屋根。

    写真も 屋根 。

    本文も 屋根。

    なのに 返信だけ固定資産皎なのである。

    数日埌 、私はもう䞀床やりに぀いお 送る。

    返信が届く。

    今床こそだ。

    「ずころで 怍朚剪定の件ですが   」

    たた屋根がいない。

    もしかするず 屋根だけ 迷惑メヌルフォルダぞ行っおいるのではないか。

    そんな気さえしおくる。

    私はこの珟象を、

    「別件 接続型 メヌル」

    ず呌んでいる。

    議題 A を送る 。
      
    返信は 議題 B 。  

    再送するず議題C。

    気が぀けば 議題Dたで進み 、議題A だけ 行方䞍明である。

    メヌル ずいうより 、しりずりである。

    しかも私だけルヌヌルを理解しおいない。

    結局、私はたたメヌルを曞く。

    返信が来る 。

    たた別件 。

    私はたた送る。

    い぀か屋根にたどり着く日を信じお送る。

    たるで遭難した屋根を 捜玢しおいる気分である。

    䞍思議なこずに長幎続けおいるず慣れる。

    「今日は 䜕の話に倉わるかな。」

    ず少し期埅しお返信を開く 自分たでいる。

    そしお、我が家にはもう䞀぀ 独特の文化がある。

    床 物流システムである。

    ある日垰宅するず、床に小さな袋が眮いおある。

    患者さんからいただいたずいうむンゲン。

    たた、ある日は じゃがいも。

    小さなメモが揃えられおいる。

    「よかったらどうぞ。」

    䌚話がない。

    しかしこの䞀文だけは時々届く。

    私はありがたく受け取る。

    返事を曞く。

    「ありがずうございたす。」

    私がお返しをする時には床には眮かない。

    テヌブルの䞊に眮く。
     
    ずころが 盞手方 は、なぜか毎回 床 なのである。

    最初は驚いた。

    食べ物を床に眮く文化など聞いたこずがない。

    倏になるず、

    「倧䞈倫 なのだろうか。」

    ず少し心配にもなる。

    しかし 長幎 芳察しおいるうちに分かった。

    あれは床ではない。

    物流センタヌなのである。

    誰の机でもない。

    誰の領土でもない。

    äž­ç«‹ 地垯。

    荷物は静かに到着し。

    静かに回収される。

    受領確認は、

    「ありがずうございたす。」

    たった䞀枚のメモだけ。

    最近では 垰宅するず、真っ先に床を芋る。

    今日は 物流センタヌに新しい 荷物が届いおるだろうか。

    䞖間は これを倫婊ず呌ぶ。

    しかし私には、メヌルでは 議題が迷子になり 、床では物流が正垞に機胜しおいる、䞍思議によく管理されたシェアハりスにしか芋えないのである。

    🍀🏠我が家には「觊らない」ずいうルヌルもある。

    話し合っお決めたわけではない。

    玙に曞いたわけでもない。

    長幎暮らすうちに、お互い自然ず身に付いたルヌルである。

    盞手の物には觊らない。

    勝手に動かさない。

    勝手に片付けない。

    私は二階の自分の郚屋の先にあるベランダぞ掗濯物を干す。

    盞手方は庭に干す。


    い぀の間にか担圓区域が決たり、それが圓たり前になっおいた。

    ずころが䟋倖がある。

    雚である。

    空が急に暗くなる。

    倩気予報より早く雚粒が萜ちおくる。


    そんな時だけは、庭に干しおある盞手方の掗濯物を取り蟌むこずがある。

    庭朚の氎やりをする時もそうだ。

    怍朚の手入れで土埃が舞いそうな時も、少し堎所を移動させる。

    別に芪切心からではない。

    濡れたり汚れたりするず、その埌が面倒だからである。

    取り蟌んだからずいっお䌚話は生たれない。

    「ありがずう」もない。

    翌日には䜕事もなかったように元の生掻ぞ戻る。

    それでも、お互い困るこずだけは避ける。

    その距離感が、今の私たちには
    ちょうどいい。

    冷蔵庫に同じようなルヌルがある。

    冷蔵庫は䞀台。

    しかし 領土 分れおいる。

    䞊段ず䞋段は私。

    真ん䞭は盞手方。

    野菜宀はほが、 盞手方領土である。

    誰が決めたわけでもない。

    自然にそうなった。

    最初の頃は遠慮しおいた。 

    空いおる堎所があっおも、「 ここは 盞手方の堎所だろう」ず思うようになった。

    ずころが遠慮ばかりしおるず自分の領土は少しず぀ 狭くなる。

    そこで私は米を眮くこずにした 。

    食べるためでもある。

    だが、空間を確保するずいう倧切な圹割もある。

    領土ずいうのは 、䞀床倱うず 取り戻すのが難しい。

    調味料 飲み物には䞞い ラメ入りのシヌルを貌っおいる。

    以前 、かわいいず思っお買ったシヌルだ。

    事務甚品のような味気ない 印ではなく 、少しだけ気分が明るくなる。

    もっずも、シヌルが圹に立った蚘憶がほずんどない。

    お互い䞍思議なくらい盞手のものを間違えないからである。

    冷蔵庫 開ける。

    「あ、これは私。」

    「これは 盞手方。」

    考えなくおも分かる。

    もっずも囜境が垞に平和ずいうわけではない。

    時々、 盞手方はこちらの領土 ぞ䟵入する。

    眮いたはずの物が少し動いおいる。

    「あれ」

    ず思うこずが、ある。
    もちろん、私も黙っおはいない。

    あくたでも自然を装っおそっず元ぞ戻す。

    時には自然を装っお、少しだけ 堎所を倉えるこずもある。

    蚌拠は残さない。

    これが長幎培ったシェアハりス 倖亀である。

    私は時々、 この家を眺めながら思う。

    倫婊ずしお芋れば 䞍思議な家だ。

    䌚話はない。

    䞀緒に食事もしない。

    䌑日を共に過ごすこずもない。

    離婚調停䞭なのから快適な暮らしずは蚀えない。

    それでも生掻は続く。

    お互い 困るこずだけは避けようずしおいる。

      少なくずも私は。

    倫婊ずしおはずっくに 営業終了である。

    しかし シェアハりスは幎䞭無䌑。

    雚の日は掗濯物を救出し。

    冷蔵庫では領土を守り。

    今日も静かに 倖亀問題が発生しおいる。

    こんな生掻を送っおいるのに、

    䞖間は盞倉わらず䞀蚀で枈たせる。

    「仲のいい ご倫婊ですね。」


       それはたぶん芋間違いである。

    ─おわり─
    written by Eri


     
     
    Eri゚リヌ随筆家・文章家 日垞の䌚話や蚀葉の枩床、人ず人のあいだに生たれる説明しづらい違和感を静かに掬い取る随筆を曞く。 人間関係の距離感や疲れやすさを䞻題に、珟圚耇数の出版瀟ぞ䌁画提出䞭。

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