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所有される馬

    シジュウカラ

    乗馬クラブに通いだすと、きっと誰もが思う。(と思うがどうだろう?)
    毎回、騎乗料を払うより、自分の馬だったら好きな時に乗れるし、トータル安くなるのでは?
    これは魅力的。具体的に金額も考えてみたりして。
    馬の値段は◯◯、これから◯年乗るとして、月々いくらの預託料で、そうするといくらプールがあれば可能か…。(もちろん結果は買ってない)
    ま、一番のネックは、不確定要素があること。生き物だから、病気とか予期せぬ死もあり得る。買って直ぐに乗れなくなる可能性はついてくる。

    乗馬クラブによっては、自馬が当たり前だったりする。競技を志向しているなら、性能のいい馬で練習を重ねて上位を狙う、という方向もあるだろう。
    裕福な家庭なら、子供に馬を買ってあげたりも。
    …やはり、そういう世界とは縁がないな。


    でも、自分の馬を持っている方は、ほんとに大切にされている。(勿論、人にもよるが)
    子供を持つのと同じくらい、情が移る。

    知り合ったSさんから聞いた話。この方は夫婦でクラブに通っている。(以下、簡略化してます)
    S夫婦はクラブに勧められて馬を買った。馬はクラブに預託。その馬で、競技会にも出場。人(夫婦それぞれ)も馬もだんだんレベレアップ。とそこで、クラブの指導者から、今以上のクラスを目指すなら、馬を買い替えたら?と提案があった。
    思いもかけなかったから、その場で号泣してしまったと。売ってしまうなんて考えもしなかった。わが子同然に可愛がってきたから。…と思うと泣けてきたんだって。

    夫婦は、馬が歳を取って競技から引退してもずっと所有し続けて、老齢馬を預かる牧場に馬を移動させ、週末には会いに行くという生活をした。馬もそこで亡くなったとのこと。
    死に目には会えなかったが、苦しまずに死んだそうだ。(最期に苦しむと、敷料を散らかしたりして、馬房が荒れているそうだ)

    生き物だから、必ずどこかでお別れはある。
    そこまでできるのは、すごい事だと思う。
    仮に、8歳で買い、頑張って18歳まで競技に出る。その後、長生きして28歳。としたら所有期間20年。
    20年あれば、人の方の生活環境も変わってくる。生まれた子供が成人する歳だな。
    上記のS夫婦は、途中で関西から関東に転勤になって、家族ともども転居。馬も連れてきて、新居に近いクラブに預託。
    自由業だったり経営者サイドだと、個人で動ける余地は大きいが、会社員だと制限もある。そこまで腹を据えてかないと出来ないことだ。

    もっとも、クラブには預けておけないと(預託料もかかるし、クラブの方針が合わないとかも…)、自馬のために土地を買って、身近で飼う人もいる。関わり方もさまざま。
    ひとりひとり(一頭一頭)にヒストリーがあると思う。

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