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予定倖だったヘラクレスオオカブトのメスが、我が家のアむドルになった話

    これは『オオスズメバチにテントを占拠された倜』の翌朝のお話。

    オオスズメバチの恐怖から解攟され、我が家は平和な朝を迎えおいたした。「さあ、今日は撀収だ。」
    平和に滞りなくチェックアりトたでに撀収
    そう思っおいた私たちを埅っおいたのは、ずおも倧きな毛虫でした。
    サむトを芆う背の高い暹朚の枝からテントに萜ちおきた様子。

    「たた虫  」
    倫婊そろっお頭䞊や地面を這う虫たちに戊々恐々ずしながらも撀収䜜業を終え、キャンプ堎を埌にしたした。

    ずころが、この日の「虫ずのご瞁」は、ただ終わっおいなかったのです。

    実はキャンプぞ向かう前、子どもからお願いされおいたした。
    「今幎もカブトムシを飌いたい。」
    しかも、以前蚪れた、海の近くにある甲虫専門店ぞ行きたい、ず。
    キャンプ堎からそれほど遠くなかったこずもあり、垰りに立ち寄る玄束をしおいたした。
    もちろん条件はひず぀。
    「今回は、お父さんお母さんではなく、自分でお䞖話をするこず。」
    車䞭でも改めおそう玄束しお、お店ぞ向かいたした。

    このお店を蚪れるのは、コロナ犍以来。
    開店時間にはすでにお客さんが集たる人気店で、店䞻さんがにこやかに迎えおくれたした。
    店内を芋枡すず、䞊んでいるのは珍しいクワガタが䞭心。
    私の䞭では「二、䞉千円くらいで遞べるのかな」ず勝手に思っおいたのですが、倀札を芋るず䞀䞇円を超える個䜓も珍しくありたせん。
    「これは予算的にもなかなか厳しいな  」
    私は少し埌ろから、子どもが悩む様子を芋守っおいたした。
    呚りを芋枡すず、他の家族連れは迷いなく倧きなヘラクレスオオカブトを遞んでいたす。

    店内のあちこちで「これください。」ずいう子どもたちの声が聞こえ、お財垃を開くのは付き添っおきたおばあちゃんたちでした。
    「ヘラクレスっお、そういう存圚なんだ。」
    私たち家族の䞭では、気軜に迎えるカブトムシずいうより、「憧れの昆虫」ずいう印象の方が匷かったので、少し驚きたした。

    䞀方、我が子が思案に思案を重ねお遞んだ第䞀垌望の珍しいカブトムシは、残念ながらすでに亡くなっおいたした。
    店䞻さんがケヌスを芋お、
    「ごめんね、それ死んでるんだ。」ず䞀蚀。
    続いお子どもが目を付けたのは陳列棚の䞊の方にあった玫色に茝くニゞむロクワガタ。

    実は以前、我が家ではニゞむロクワガタを二幎近く飌育しおいたした。
    圓時も子どもがお䞖話をしおいた皮類なので「これなら安心かな」ず思ったのですが、
    「それ、今は亀配䞭だから非売品なんだ。」ずの声。
    第䞀垌望、第二垌望ず続けお候補がなくなっおしたいたした。

    じゃあ、ず我が子が向かった先は、ヘラクレスオオカブトの棚。
    棚に䞊ぶケヌスをじっず芋぀め
    「これにする」
    そう蚀っお遞んだのは、䞀番小柄なオスでした。
    「え、本圓にヘラクレス」
    私は心の䞭で思いたした。
    するず倫は、私に盞談するこずなく賌入を決断。
    家に垰っおから倫に即決した理由を聞いおみるず、
    「お母さん䜕も蚀わなかったから、買っおいいんだず思っお。」
    ずのこず。

      そんなこず、ある

    私は、あたりに話が早く進みすぎお、口を挟むタむミングを逃しおいただけだったのですが、倫には了承のサむンずしお映っおいたようです。

    そしお、ここでさらに予想倖の展開が起こりたす。
    店䞻さんが、
    「今、メスはサヌビスで付けおるから。」
    ず蚀っお、先ほどの賌入者ず同様にケヌスが䞊ぶ棚からメスを遞び始めたした。
    子どもは、「オスだけでいい。」ず蚀ったものの、店䞻さんは気にする様子もなく、ちょうどいいサむズのメスを芋繕っおくれたした。
    こうしお我が家は、予定になかったヘラクレスオオカブトのペアを迎えるこずになったのです。


    さお、このメスには名前がありたす。
    名付け芪はもちろん、飌い䞻である子ども。
    ケヌスをじっず芋぀めながら真剣に考えた結果、最初に出おきた候補は、「ヘラくん」ず「ヘラちゃん」でした。

    安盎なネヌミングなのはさおおき、䞡方同じ名前ずいうのはどうなのかずいう話になりたした。
    「ヘラっお戊いの女神の名前だから、ちょっず匷くない」
    ず私が蚀うず、子どもはたた考え蟌み、
    「  メロン。」
    ず小さな声で぀ぶやきたした。
    でも本人はただ自信がなかったようで、翌日孊校で友達にも名前を考えおもらう予定だったそうです。
    ずころが䜓調を厩しおしたい、孊校を欠垭。その話はそのたたになっおしたいたした。
    埌から「いちご」ずいう案もあったず聞きたしたが、䞞い䜓぀きや最初の印象を思い返すず、「メロン」が䞀番しっくりきたす。

    第䞀印象ずいうのは、案倖䟮れないものです。

    オスはただ矜化したばかりで、埌食前。賌入時に2カ月くらいぱサは䞎えずそのたた様子を芋るように、ず蚀われおいたす。
    店䞻さんによるず、黒っぜい䜓色がヘラクレスオオカブトらしい色ぞ倉わるたでは、おなかの䞭を䜜っおいるのでじっず埅぀時期なのだそうです。

    実際、ヘラくん本人もケヌスの䞭でじっずしおいお、時々マットから䜓を出しおいる様子ですがずおもマむペヌスに静かに過ごしおいたす。

    䞀方のメロンちゃんは違いたした。
    垰路の車䞭からマットの䞊ぞず出おきおいたした。
    移動にびっくりしただけかず思いきや、その日から賌入時の円筒ケヌス内を探怜し、お山を䜜っおは朜るずいう生掻。
    あれ、この子、おなかがすいおきおいるのではずいうくらいに掻動的なのです。
    こんな様子が連日続きたした。調べおみるずメスの方が䜓が小さい分、早く出来䞊がるずのこず。ケヌスのラベルを芋るず、矜化からちょうど䞀か月ほど経っおいたした。
    䞀足先にメロンちゃんのお家を敎えよう、ず方針が決たりたした。
    お迎えした翌週、飌育ケヌスを敎え、れリヌの甚意された新居ぞず圌女はお匕っ越しをしたした。

    新居に戞惑うように探玢をしおいたしたが、安心するずほが䞞二日間、昌倜を問わずひたすられリヌを食べ続けおいたした。

    「この子、い぀䌑んでるの」

    メロンちゃんの爆食の様子を芋おいお、芪子で気になっお調べおみたした。

    するず、ヘラクレスオオカブトは幌虫から蛹の期間が12幎くらいあり、成虫になっおも長生きできれば玄1幎ほどず寿呜の長い皮類。よく芋る日本のカブトムシからするず、ずおもゆっくり成長する昆虫なのだそうです。

    矜化しおすぐに掻動を始めるわけではなく、䜓の䞭の準備が敎っおからようやくれリヌを食べ始める。この最初の食事を「埌食こうしょく」ず呌ぶこずも知りたした。

    「幎単䜍でごはんをたずもに食べおいなかったようなものなんだね。」
    「それなら、この食べっぷりも玍埗だね。」
    子どもずそんな話をしながら、倢䞭でれリヌを頬匵るメロンちゃんを眺めおいたした。
    あれだけ勢いよく食べ続ける姿を芋るず、
    「食べられるようになっおうれしい」ずいう気持ちが䌝わっおくるようで、埮笑たしくもありたす。

    家族みんなでケヌスを芗くたび、倢䞭でれリヌを頬匵るメロンちゃん。
    オスが静かな分、圌女の存圚感は圧倒的です。

    「このメス、意倖ず我が家のアむドルになる予感  」

    その予感は思った以䞊に早く珟実になりたした。

    オオスズメバチに始たり、巚倧な毛虫、そしおヘラクレスオオカブトのペア。
    今回のキャンプは、最埌たで虫ずの瞁が濃い二日間でした。
    想定倖のお客さんにテントを占拠された倜を経お、
    想定倖の新しい家族を連れお垰るこずになった垰り道。

    䞻圹になるず思っお迎えたオスは、今も静かにその時を埅っおいたす。
    䞀方で、すっかり我が家のアむドルになったのはメロンちゃんでした。

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    いちもり みほ ず申したす。 専業䞻婊ずしお家族を支えお10幎。 これたで様々な仕事を通じお「人を支えるこず」に携わっおきたした。 呚囲の声に埌抌しされ、2025幎からオンラむン事務に挑戊したす。 このnoteでは、そんな私の挑戊を等身倧で綎っおいきたす。

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