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「生き延びる」から「味わって生きる」へ -代官山の香水と、私の人生-

    ひとり親としてやってきて、
    脳梗塞も経験して、
    引越して、
    障害をかかえながらも
    仕事も軌道に乗ってきて。
    まずは生き延びることが優先だった。

    安全、安定、我慢、責任第一で突っ走ってきた。

    ふと気がついたら
    1年近く行っていない美容院、
    どうやって自分にかける費用を抑えようかという思考回路が身につき始めてた。

    でも本当は
    代官山のあの香水や
    いいワイングラスが欲しい。
    って気持ちに気がついた。

    きっと日常を、
    自分の好きを、
    もっとあじわいたくなったんだと思う。

    そしてもっと、
    自由に生きてみたいと思うようになった。


    現実の私は、
    決まった時間に起きて、
    決まった場所に行って、
    決まった役割をこなす。

    大きな不満があるわけじゃない。

    収入もあるし、
    生活は成り立っている。

    それでも、
    「このままでいいのだろうか」

    そんな思いが時々顔を出す。

    自由に生きたい。
    でも安定も失いたくない。

    体調も万全ではなく、
    仕事が終わる頃には余力も少ない。

    焦る気持ちと、
    動けない現実。

    私はその間で、ずっと揺れていた。


    ずっと
    「次は何だろう」
    「もっと何かあるはず」
    って外を見ていた。

    何もできてない自分にもどかしさも感じる日々もあった。


    ちゃんと
    自分に目を向けて深く聞き続けた。


    本当は、

    香水そのものではなくて、

    その香りを嗅いだ時の感覚や、
    その世界観や、
    その時間を味わいたい。

    ワイングラスも、

    飲み物を入れるただの器ではなく、
    その時間を豊かにしたい。



    「次のステージに行こうよ」
    って声が聞こえて
    いつの間にか
    「安心は未来にある」 と思い始める。

    あと○万円収入が増えたら。
    あと少し貯金が増えたら。
    もっと安定したら。
    もっと自信がついたら。

    その時に人生が始まる気がしていた。


    でも、

    もし「今この瞬間」を味わえないなら、

    何をしてもまた次を探してしまうだろうな。




    会社員の私でも。
    障害を抱えた私でも。
    ひとり親の私でも。
    まだ道半ばの私でも。


    この人生を受け入れ

    今日という一日を味わえるか。

    だと思った。


    だって

    今まで私がずっと求めてきたものは、

    「もっと遠く」ではなく、
    「もっと深く」だった。



    新しい仕事でも、
    大きな成功でも、
    劇的な恋愛でもなく、

    朝のコーヒー、
    好きな香り、
    静かな夜、
    子どもとの会話。

    そういうものを感じ取れる自分を取り戻したい。


    私はこれからも成長したいし、
    変化したいし、
    挑戦するかもしれない。

    でもその前に、
    今日を生きる力を取り戻したい。


    そして
    私の生涯変わらないテーマは

    「深く生きたい」

    そんな気がしている。




    これは、
    外側での変化はなくても、
    内側では、「生存」から「味わう」へ
    変わり始めた2026年6月の私の記録。

     
     
    静かな再出発の途中。 母で、ひとりの女で、書く人。 視野を失い、家を出て、国を渡り、自分という壁に何度もぶつかった。 これは私の再生の記録と、心の構造の探求。

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