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Photo byhello_yumidesu

夫を好きになれない自分をもう赦すことにした。

    チコリン

    もう夫婦の役割を演じたくない。妻の役をおりたい。

    夫にそう宣言した。

    夫に決定的な欠点があるわけでもない。
    子どもたちに特別にひどいことをするわけでもない。
    経済的な責任を果たそうとしている時点でいい父親と言っても良いのかもしれない。
    ずっと、そう思おうとしてきた。
    だから、そんな夫を好きにならなきゃ、と。

    しかし、私が何年も夫に言い続けてきた、たった2つのことが叶わない。

    子どもたちに笑顔で話しかけてほしい。
    特に男児たちとは、なんでも話せる信頼関係を築いてほしい。
    家事なんか後回しでいいから……

    子どもたちは「パパはすぐ怒るから」と言って、ちょっとしたことでも私に頼むし、訊いてくる。

    朝、顔を合わせても一言も交わさないときもある。子どもたちが気を遣っているのがわかる。

    それが夫にはわからないし、気づこうともしていない。

    少しずつ違和感を無視できなくなってきたのは、今年度に入ってからだ。

    小5長男が少年野球で頑張っているのに、試合に出られるかなぁ、出たいなぁという息子を応援しに行くのは私だけで、夫は行かない。

    そして、野球の友達親子や、監督に道でバッタリ会ったら、長男は喜んで抱き合ったり挨拶したりしているのに、夫は積極的な挨拶をする様子がない。

    異なる温度差に、ガッカリは積み重なっていく。

    春からの小2次男の行き渋り、時間差登校。
    給食から行くと言ったのに、急に行きたくないと言い出す日もある。それに対して、「そっか、休もうか」と言える日と、「何言ってんだよ、今日は5時間目にお楽しみがあるって言ってたじゃん、行こうよ」と説得する日がある。

    朝だって、家にいる次男を見て、自分も休みたいと言った5歳の長女を、あの手この手でこども園に送ったのに。

    子どもたちの対応をしながら、知らず知らずに心の疲れがたまり、夜遅くに帰宅した夫にそのことを話すも、反応が乏しい。
    仕事で疲れているんだろう、仕方ないと自分に言い聞かせる。

    そして先週一週間、長男も学校を休んだ。

    「ヤジを飛ばしたり悪口を言ってるクラスの雰囲気が嫌」だという。永久に休んでほしくなる理由だ。他にも、宿題がイヤ、授業が楽しくない、など理由はあるようだが。

    担任の先生からは毎日電話や訪問があり、合間に下の子たちの公園遊びに付き合う。心身ともにグッタリな一週間。

    そのことについて、夫に伝えても、この週末に長男と話す様子もない。

    「どうなん?って訊いたけど、言いづらそうだったから、それ以上は」

    ……我が子に関心がないのか。
    極端に心の交流が苦手なのか。

    もうそれならそれでいい。
    だから私も赦したい。
    ーーこの人をもう好きじゃない自分を。

    子どもたちは敏感だ。

    「ママ、パパのこと好きなの?」と今日聞かれ、こう答えてしまった。

     
     
     
    日常の痛みや人間の業を、文章に立ち昇らせる。 そんなエッセイや小説を書きたがっている43歳。 登校に苦戦する3人の子どもたちと、在宅ワークの合間のnote。(旧名:長橋知子) 電子書籍:https://x.gd/hRmNd

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