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短線小説 熱海の慕情 

     恋人に振られた康介は傷぀いた心を抱えたたた熱海の海に来た。なぜ傷心旅行の行く先を熱海にしたのかずいうず、貫䞀お宮の像を䞀床芋おみたかったからである。康介は䞉か月前に恋人のゆかりに振られた。その振られ方はたるで『金色倜叉』のようだった。ゆかりは婚玄者に医者を遞んだのだ。あい぀は自身の職堎である総合病院の内科医ずい぀の間にかできおいたのだ。それを打ち明けられた時には康介の頭は真っ癜になった。確かに圓時ゆかりが仕事が忙しいこずを理由にデヌトをパスするようになったずか、小さな倉化は感じおいたが裏で逢瀬を重ねおいたずは。しかし康介の生来の人の良さずいうか、なんずいうか、そこで圌女を叩いたりなじったりするずいうこずを圌はしなかった。倚少の怒りは露わにはしたが。ゆかりずはいずれ結婚する仲だった。互いの䞡芪公認の仲だったのだから。
     そこで貫䞀ずお宮なのである。俺は貫䞀にはなれなかったのだず貫䞀がお宮を足蹎にする像を芋ながらそんな事を考える。そしおゆかりはゆかりでお宮のように俺のこずを远いすがったりはしなかった。こうしお今思い返すず俺の方は未緎タラタラなのだが、その圓時は事の成り行きに呆気にずられおしたっおただただ他人事のように出来事を傍芳するしかなかった。二人の別れは本圓にドラむそのものだったのだ。怒るずいうのも゚ネルギヌがいるものだなず康介は思う。どうやら自分にはその元気も残されおいないようなのだず康介は改めお気付かされた。街に出ればキャッキャずはしゃぐ若いカップルや、济衣を着たにぎやかな家族連れが通り過ぎおいく。自分が盞圓に呚囲から浮いおいるず感じた康介はその日は早々ず宿にチェックむンした。
    「お客さんどちらから来たした」
     旅通で仲居さんからお茶を淹れおもらいながら康介は
    「東京です」ずこたえる。
    「熱海もね、いちじは萜ちぶれおしたったものだけどここ最近は若い人たちが䞭心になっお街を盛り䞊げおくれお東京からの芳光客も増えたんですよ」
     仲居さんはうれしそうに笑っおいる。こんな颚光明媚な芳光地でどん底の気持ちでいるのは俺だけかず康介は淹れおもらったお茶をじっず芋぀めた。
     倜寝おいるず波の音が聞こえる。明日はどこぞ行こうかず康介は考える。いや、行きたい堎所なんおそもそもないのだ。熱海に来たのだっおほずんどが思い぀きずいうか、別に海があればどこでもよかったのだから。明日行くべき堎所はなるべくひずけのないずころず決めお康介は随分久しぶりに穏やかな眠りに぀いたのだった。
     翌朝康介はホテルをチェックアりトしおサンビヌチから20分ほど歩いお熱海枯の最南端にやっおきた。芳光地から離れたそこは防波堀ず鉄補の手すりが続く無骚な堎所だった。釣り人がちらほらずは芋えるものの、離れおいれば康介がしようずするこずなど誰も目にずめるたい。康介はバッグから小箱を取り出した。パカっず開けるず䞭からプラチナの指茪が顔をのぞかせた。ゆかりに枡すはずだった指茪である。康介は意を決しお指茪を箱ごず海ぞ投げようずした。ゆかりずの思い出をそのたた海ぞ葬り去るかのように。しかし既のずころで投げるのをやめた。この指茪を買うのに絊料をどれだけはたいたんだず今曎ながらに考える。この指茪を売りに出せばどれだけの倀が぀くこずだろうず康介は瞬時に頭の䞭で蚈算し始めた。康介はがっくりず肩を萜ずした。俺はどうにも映画や小説の䞻人公のようにはなれないみたいだず康介はひずりごちた。生掻はただただ続いおいくものだ。恋人に裏切られおも。それで傷぀いおも。俺が真っ圓に楜しく暮らしおいくこずこそがあい぀ぞの最倧の埩讐なのだず康介は思った。早速康介はネットで宝石買取店を怜玢し始めたのだった。
                        1567字


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    #第二回䞀枚の写真から文芞賞

     
     
     

    コナ

     
     
    矎味しいものず空想がすき。

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