
スタバでおばあちゃんに金柑をもらう
スタバでイヤホンをして、パラパラカリカリ勉強していたところ、斜向かいの席におばあちゃんが座った。
杖をついていて、ゆったり歩いているので手伝おうかと思っていたところ、店員さんがコーヒーと氷を運んできていた。
おばあちゃんは、いつものことなのか、ありがとうと伝えている。
30分くらいした時だろうか。
ん?柑橘系の香りがする。
みかんを剥くみたいな音がする。
顔を上げる。
おばあちゃんと、目が合った。
金柑を、食べていた。
持参した、金柑を。
にこっと笑ってみる。
にこっと返してくれた。
いやいや、勉強しよう、と再びペンを取ったタイミングで
「食べる?」
と言われてしまった。
もちろん、断る理由がない。
ちなみに人生初金柑。
「家にあったのよ、見つけ出したやつだからちょっと傷んでるかもしれないわ。綺麗なやつをとってね」
と、10個は入っていそうな袋の口をこちらに向けてくれる。
選別してもらう。
「このまま食べるんですか?」
「そうだよ」
「初めて食べるんですが、、」
「そうなのかい?」
とびっくりしている。
「あんまり売ってなくないですか?スーパーとかに」
「そうかもしれないね、これも見つけたやつだしね」
見つけたやつ、というのが引っかかるが、食べる。
お、おいしい。
おばあちゃんにもらっているという効果もありそうだけれど、普通においしい。
ていうか、なんだこの状況。
パソコンで作業している人がたくさんいるスタバで、若者とおばあちゃんがテーブルの斜向かいに座りながら金柑を食べている。
面白すぎて笑ってしまった。
もう少しお話ししてみたかったが堪えて
「ごちそうさまです」
とだけ伝えてペンを握る。
また、にこっとしてくれた。
しばらくして、隣の人が席を立った。
移動してくるおばあちゃん。
「ここがいつもの席なのよ、今日は埋まっていたから。」
とのこと。
「よくいるんですか?」
「いつもいるよ、ほとんど毎日」
何やらびっしり書いている。日記とプリントだろうか。
「何を書いているんですか?」
「ああこれはね、ボランティアの関連で書いているのよ。あなたは何を勉強しているの?」
「採用試験に向けて勉強してます、島で働くんです」
「あら、その島で働いている校長先生を知っているわよ、英語の先生でね。クラブで出会ったのよ。」
「なんのクラブですか?」
「英語のクラブよ。あなた英語は好き?」
「英語大好きです。」
「じゃああなたいらっしゃいよ、きっと楽しいわよ。あ、邪魔しちゃってごめんなさいね、続きをやってくださいな。」
はーい、と再びペンを持ち、面白い出会いだなとほくほくしていたら
「ちょっとごめんなさいね、これ教えてくださる?なんだか固まってしまって」
とのこと。
スマホの使い方講座を行った。かわいい。
1週間前に買ったそうだ。
電車の時間になったのでお互いに名乗ってお別れした。
好奇心旺盛な素敵なおばあちゃんは、お土産に金柑をふたつくれた。