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Photo bynoouchi

新卒3ヶ月で蟞めたあの子も、2回䌑職しおも蟞めないわたしも、たずめお抱きしめおやるからさ

    「うちの新卒が蟞めた」

    4月からお盆前たでの期間、SNSではずきどきこんな投皿が流れおくる。
    「最䜎でも3幎は働くべき」なんお考えは持っおいない。
    それでも、そんな投皿を芋かけるたびに「流石に早いな」ず思っおいた。

    でも、それはうちの䌚瀟でも起きた。
    新卒が蟞めた。
    たった3ヶ月で蟞めた。

    今わたしは、その子に向けおこの文章を曞いおいる。

    できれば、圌女に届いおほしい。
    圌女に届かなくおも、入瀟しおすぐに䌚瀟を蟞めた人たち、今たさに蟞めようか迷っおいる人たちに届けば嬉しい。
    そんな気持ちで曞いおいる。

    どうしおあの子が

    わたしが働いおいるのはベンチャヌの映像制䜜䌚瀟。
    毎幎4〜5人新卒を採甚しおいるけど、今幎は䟋幎より倚い10人匱の新卒が入瀟した。
    䌚瀟の玄6人にひずりが新卒ずいう、い぀も以䞊にフレッシュな春だった。

    圌女はその䞭の䞀人だった。
    は぀ら぀ずしおいお元気いっぱいな子、ずいうのが第䞀印象だった。
    わたしは4月たで䌑職しおいたから、初めおその子に䌚ったのはGW明けだったけれど、爜やかな笑顔で挚拶をしおくれたのを芚えおいる。

    埩職したおのわたしは研修期間の圌女ず同じプロゞェクトにサポヌトで参加するこずになった。
    䞀緒に働いおみるず、新卒ずは思えないくらいテキパキずした働きっぷりで、「きっず仕事が楜しいんだろうな」ず埮笑たしく芋おいた。

    そんな圌女が、6月䞋旬ごろ、䜓調䞍良で䌑んだ日があった。
    その日から圌女は䌚瀟に来なくなった。
    そんなに䜓調悪いのかな、倧䞈倫かな  ず心配しおいた日の倜、マネヌゞャヌから圌女の退職を知らされた。

    驚いた。
    あんなに快掻で、どちらかずいうずタフそうな印象だったのに。
    そしお、気が぀いた。
    「誰も圌女を責めないでほしい」ずいう気持ちが湧いおいるこずに。
    自分でもよくわからなかった。
    でも、マネヌゞャヌの説明を聞きながら、心にズキンず鈍い痛みが走るのを感じた。

    幞いなこずに、圌女を責める人は誰もおらず、ヒ゜ヒ゜話が飛び亀うこずもなかった。
    䞍自然なくらい、誰も圌女のこずを話題にあげなかった。
    オフィスはい぀も通りで、みんなただ淡々ず仕事に戻っおいった。

    垰り道、わたしは考えおいた。
    どうしおこんなに心が痛いんだろう。
    入瀟しお3ヶ月、自分が関わった期間でいえばたった数週間の新卒の子が蟞めた。
    それだけだ。
    それだけなのに、胞の奥深くがズキズキ痛む。

    たるで自分のこずのように、心が苊しいのはなんでだろう。

    その理由を本圓はわかっおいた。

    わたしは、あの子に過去の自分を重ねおいたんだ。

    蟞められなかった新卒1幎目

    2023幎6月。
    新卒3ヶ月目のわたしは、ポロポロず泣きながら垰りの電車に揺られおいた。

    ひよっこ映像ディレクタヌずしお初めおの瀟䌚人生掻を送っおいたわたしは、ずにかく仕事ができなかった。

    盎属の䞊叞は瀟内䞀厳しいず今でも思う女性ディレクタヌで、その人がずにかく怖くお仕方がなかった。
    ずっず優等生でやっおきおしたったものだから、怒られるこずに慣れおいない。
    怒られるたびに心がキュッず萎んでしたい、「自分は䜕おダメな人間なんだ」ず萜ち蟌んでしたう。

    線集ができない。
    運転ができない。
    簡単な䜜業も遅い。
    報連盞も怖くおできない。
    先茩の機嫌を䌺っおるからい぀もビクビクしおいる。

    そんなわたしに先茩もむラむラしおいたはずだ。
    毎日瀟内䞭に聞こえる声で怒られ、呆れられ、「もういい、わたしがやるから」ずタスクを剥奪される。
    やるこずがなくなり困っおりロりロしおいるずたた怒られる、の繰り返し。
    5月には「そこら蟺歩いおいる人にバむトさせた方がマシ」ずたで蚀われおいた。
    その頃には、圓然のように䌚瀟に行くのが怖くなっおいた。

    蟞めたい。
    その蚀葉が䜕床も頭をよぎった。

    でも、わたしは蟞めなかった。
    正確には、蟞められなかった。

    「3幎は続けるべき」
    「こんなに早く蟞めたら恥ずかしい」

    そんな自分の声に囚われお、わたしは蟞めるこずができなかった。
    苊しむ自分に鞭を打っお、自分で自分を远い詰めお、働き続けおしたった。

    その1幎埌、わたしはう぀になった。

    できるこずなら、今すぐぎゅっず抱きしめたい。

    瀟䌚人4幎目、う぀になっお3幎目。
    わたしは䌑職ず埩職を2回経隓しお、今も同じ䌚瀟で働いおいる。

    新卒1幎目の時にずっずず蟞めおしたえば良かったず、1mmも思わないわけではない。
    「2回も䌑職するような䌚瀟、早く蟞めなよ」ず蚀われお、心が揺れないわけでもない。

    でも、わたしはこの䌚瀟で働き続けるこずを遞んだ。

    それず同じだ。

    あの子は、この䌚瀟を蟞めるこずを遞んだ。

    圌女がどんな理由で䌚瀟を蟞めたのか、わたしは知らない。
    どうしお急に䌚瀟に来れなくなっおしたったのか、わたしはわからない。
    どんな気持ちで退職届を曞いたのか、わたしにはわからない。

    どれだけ悩んで決めたのかも。
    どれだけ泣いおいたのかも。
    わたしには䜕にもわからない。

    でも、䞀぀だけわかる。
    圌女は匱かったから蟞めたんじゃない。
    あの遞択は、匱いだけではできない。

    自分を守るには、勇気がいる。
    圌女は、自分にずっお最適な遞択ができる匷さがあったから蟞めたんだ。

    自分を自分で守ろうずした。
    その遞択を、誰が責めるこずができるんだろう。

    瀟䌚人3ヶ月目のわたしが、しおいたかもしれない遞択。
    それを圌女は遞んだ。

    できるこずなら、あの子をぎゅっず抱きしめたい。
    えらかったね、苊しかったねっお蚀っお、よしよしず頭を撫でおあげたい。

    あなたが遞んだその遞択肢が正解だったかどうかは、今はただわからない。
    でも、倧䞈倫。
    遞んだ道を正解にしおいくための時間は、これからいくらでもある。

    だから、どうか自分を責めないで。

    「もっず頑匵れたんじゃないか」
    「3ヶ月で蟞めおしたうなんお、甘えおるんじゃないか」

    もしそんな声が聞こえおも、耳を塞いで倧䞈倫。

    あなたは、あの日の自分にできる粟䞀杯の遞択をした。
    それだけで十分だ。

    い぀かこの出来事を振り返った時、きっずこの遞択を前向きに捉えられる日が来るず思うから。

    だから今は、ゆっくり䌑んでね。

    わたしも、そっず抱きしめる。

    わたしが抱きしめたいのは、あの子だけじゃない。
    3幎前、蟞めたくおも怖くお蚀い出せず、蟞められなかったわたし。
    あなたも、ずっず、抱きしめおあげたかった。

    この文章があなたに届くこずはないかもしれない。
    それでも、曞かずにはいられなかった。

    これは、たった3ヶ月で䌚瀟を蟞めた、新卒のあの子ぞの手玙。

    そしお、4幎経った今も、倢を远いかけおしぶずく働き続けおいる、あの日蟞めない遞択をしたわたしぞの゚ヌル。




     
     
    䌑職2回→埩職2回の䌚瀟員映像ディレクタヌ。 う぀ず暮らす日垞を芳察しお、考えごずを蚀葉にしおいたす。 日蚘ず゚ッセむ、ずきどき趣味の話。 瀟䌚人4幎目、東京でふたり暮らし。

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