
過去に縛られず、前を向く|エッセイ
私が体調を崩して3カ月経った頃、職場から、
同僚が「入籍した」と、お知らせが来た。
その知らせを聞いて、私はすごく悔しくなった。
世の中は不公平だと恨み、今の自分が惨めに思えた。
その同僚は、お世辞にも良い人ではなかった。
人前では、愛想よく振る舞うが、
実際は自分のことしか考えず、
陰で悪口を平気で言うような人だった。
真面目に仕事をしていた私がどうして働けなくなって、
陰口ばかり叩く彼女がどうして皆から祝福され、
変わらず仕事をしているのか。
私も結婚したのに、職場の人からは祝福されず、
働けないまま。
職場でお祝いされる同僚の姿を想像すると、
悔しくて、悔しくて、涙が出た。
不幸になればいいのに。
そう願う自分が、嫌だった。
過去に縛られ前に踏み出せずにいる自分が、
すごく嫌だった。
だけど、家族と時間が少しずつ、
私の心をほぐしてくれた。
前の職場は、過去のこと。
働けなくなったおかげで、
私は、本当にやりたいことに気づくことができた。
同僚と自分を比べて、
「得られなかったこと」ばかり考えるのではなく、
「得られたもの」に目を向ければいい。
その考えのおかげで、見え方が変わった。
ずっと苦しかった日々から抜け出すことができた。
身も心も削られる以前の仕事から解放され、
今は好きなことを仕事にできた。
人間関係に縛られず、自由に働くことができる。
心から信頼できるパートナーが、
どんな時も支えてくれる家族が、そばにいてくれる。
私は本当に恵まれていると、気づき、
今は幸せだと感じる。
正直、同僚のことを思い出すと、今でも悔しいし、
不公平だと感じることもある。
けれど、これまで私が得たものを思い出すと、
自然と、悔しさは薄くなっていく。
私はもう、「誰か」のために、
自分を必要以上に犠牲にしなくていい。
犠牲にしてきた分、
今度は自分のために過ごしていこう。
そう思いながら、今日も私は前へ、進んでいく。