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カード占いは未来を当てるためじゃなかった。─ 人生会議で気付いた、いちばん大切な質問

    今日、私は不思議なことに気付いた。
    カードを引いていたのに、
    未来を知りたいとは思わなかった。
    知りたかったのは、
    おばあちゃんの気持ちだった。

    ───

    今日、私は何枚ものカードを引いた。
    「おばあちゃんはどこで暮らすのが幸せ?」
    「おじいちゃんとおばさんは、どう暮らしていくのがいいんだろう。」
    そんな問いをカードに投げかけながら、
    私は、カードの意味を読むよりも先に、
    家族の顔を思い浮かべていた。

    未来より先に、
    今を生きている家族の気持ちが知りたかった。
    そのことに、
    私はその時まで気づいていなかった。

    ⸻

    不思議だった。

    カードは、
    「ここが正解です。」
    とは言わなかった。

    でも、

    「本人はどう思う?」

    そう問いかけてくれているように感じた。
    その瞬間、
    私はカードの見方が少し変わった。

    ⸻

    人生会議(ACP)という言葉を聞くと、
    「最期を決める話」
    そんなイメージを持つ方も多いかもしれない。

    でも、本当は違う。
    その人が、
    どんな毎日を送りたいのか。
    何を大切にして生きてきたのか。
    どんな時間を幸せだと感じるのか。

    人生会議は、
    その人の価値観と人生史を知るための時間なんだと思う。

    ⸻

    カードを見ながら、
    私は母に言った。
    「タロットはこう言ってるけど、
    おばあちゃん自身はどれを一番望む?
    って聞いてみるのもありかもしれないね。」
    すると母は、
    「それ、いいね。」
    と笑ってくれた。
    その一言を聞いた瞬間、

    私は初めて気付いた。

    ⸻

    カードは、未来を当てるための道具じゃなかった。

    誰かの本音を、
    ゆっくり聞くきっかけだった。

    答えを決めるものではなく、
    対話を始めるための一枚だった。


    ここから先は、
    今日カードを引きながら感じたこと、
    そして人生会議とカードが思いがけず重なった理由について、
    もう少しだけ書いてみたいと思います。

    ⸻

    ここからは、
    私がなぜそんなふうに感じたのか。
    カードを引きながら、
    頭の中で起きていたことを書いてみたいと思います。

    カードを引いていて思ったのは、
    私はもう、
    「未来を当てたい」
    とは思っていなかったということだった。

    「おばあちゃんは家に帰った方がいいのかな。」
    「施設の方が安心なのかな。」
    「誰と暮らすのが一番幸せなんだろう。」
    そんな問いをカードに投げかけながら、
    本当に知りたかったのは、
    カードの答えではなかった。

    おばあちゃん自身の答えだった。

    ⸻

    実際にカードを見ながら、
    私は母と
    「おばあちゃんは本当はどうしたいんだろう。」
    という話になった。

    その時、
    私は初めて思った。

    カードは、
    未来を決めるものじゃない。

    本人の気持ちを聞く勇気をくれるものなんだ。

    ⸻

    もちろん、
    私は「カードが正しい」と言いたいわけではありません。
    医療や介護の大切な決断を、
    カードに委ねるべきだとも思っていません。

    でも、
    カードを見ながら
    「あなたはどう思う?」
    と聞くことはできる。
    その一言が、
    言い出せなかった会話のきっかけになることがある。
    私は今日、
    その力を初めて感じました。

    ⸻

    人生会議も、
    きっと同じです。
    大切なのは、
    正解を探すことではなく、
    本人の気持ちを知ろうとすること。

    カードも人生会議も、
    答えを教えてくれるものではありません。

    でも、
    問いをくれる。

    だから私は、
    これからもカードを引くたびに、
    未来を当てようとするのではなく、
    「あなたはどう思う?」
    という問いを、
    大切な人へ届けていきたいと思います。

    ⸻

    今日引いたカードの答えは、
    カードの中にはありませんでした。

    でも、
    カードがあったからこそ、
    家族と話せたことがありました。

    そして、
    「おばあちゃんは、本当はどうしたい?」
    そんな一番大切な問いに、
    家族みんなで向き合うきっかけになりました。

    もしそれが、
    今日引いたカードの役割だったのなら。

    私はきっと、

    今日引いた一枚を、
    ずっと忘れないと思います。


    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
    生きづらさを抱えながら、日常の小さな幸せを集めています。 恋、心理学、天然石。そして、目の前の出来事の向こう側にある心のこと。 考えすぎて苦しくなった夜に、少しだけ違う景色を見られるような言葉を綴っています。 「ひとりじゃないかも。」そんな居場所になれたら嬉しいです🌱

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