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哀、ai

    彼は、以前と比べて愛情表現をしなくなった。

    愛情を持って触れられることが少なくなった。
    可愛い と 好き を伝えてくれなくなった。
    愛おしい表情で微笑みかけられることも
    頭を撫でられることも、減った。

    毎日欠かさず愛情表現をしてくれていた彼が
    それをしなくなった。
    一緒にいるのに そばに 隣にいるのに、
    ずっと いない 感じがする。

    私は、指輪を外す時間が長くなった。

    好きか分からないと伝えた日に、
    夜通しかけてつくってくれた 愛を伝えてくれた
    あの頃の彼の気持ちが込められた指輪。
    もの凄く嬉しかった、涙を流すほどに
    愛されることの幸せを知った。

    彼は、その指輪を左手に付けてもいいと言った。
    私は少し恥ずかしくて右手に付けた、付けていた。
    いつ何時も 離さずに。

    いつからか 多分あの日から
    私は時々、指輪を外すようになった。
    彼は、お揃いのネックレスを付けなくなった。
    私は右手でさえ 指輪を付けている自信がなくなった。
    付けていると却って不安になった。

        なんでだろう よく分からない

    彼はなぜ、ネックレスを付けなくなったのだろう。
        私と同じ理由(気持ち)だろうか
        単純に意識していないだけのか
    それは、私に知る由もない。
    知りたくはないからちょうどいいけど。

    時々、最近はよく 彼と一緒にいない
        人生を 未来を
    想像する。
    それぞれが別々の選択をする、した未来を。

    これからもずっと続くと、一緒にいると
    思ってしかいなかった未来とは
    逆のことを 今は 考えていたりする。

    人間って不思議だ。

    絶対だと思っていたことが、
        いずれは いつかは
    絶対ではなくなる。
    それを受け入れることができるようになる。
        自然と 自ら
    その未来を考えるようにもなる。

    決して、その未来を望んでいるというわけではなくて
    これからも一緒に、呼吸をしていく未来を
    私は変わらず望んでいる。

    単純に、考える余地(余裕)ができたというだけで、
    そうなってしまった場合に備えるための
    頭の整理が進んでいるというだけ。

    私にとっての最悪の事態になった場合のことを
    敢えて想定して、
    そうなった時に 自分が最悪だった頃に戻らないための
    自己防衛的な思考回路を
    巡らせている状態なのだと思う。

    いつだって 何かが 支えが
    プツッと切れてなくなってしまえば、
    私はいつだってあの頃に戻ることができてしまう。
    そのイメージは拭うことができない。
    次はもう、今の自分に戻ってこれる
    普通の生活を送れる 自信がない。

        日の目を浴びること
        ご飯を食べること
        お風呂に入ること
        外を歩くこと
        人と会話をすること
        笑うこと

    世間一般には普通だと言われることが、できなくなる。あの地獄のような日々には 二度と 戻りたくない。

    好きな人とおいしいねって
    笑いながらご飯を食べる幸せも
    空気をおいしいと感じる朝も
    季節の匂いを感じる瞬間も

    また、失ってしまう。

    失った感覚を取り戻してくれた
    生きる意味 と 喜びをくれた彼を
    与えてくれた愛情と幸せを、私は生涯忘れることはない。

    彼にはこの関係の終着点が
    すでに見えているのかもしれない。

    その未来に、私が映っていることを願いながら
    それと相反するように お別れの準備を整えながら、
    彼の横顔と寝顔を そっと 見つめている。

     
     
    心情と真情、ときどき哀燦々

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