
プロローグ#0『黒きバナナ』
・あらすじ
フィリピン屈指の広大なバナナ農園「パムーファーム」。
ある日、農園を揺るがす奇妙な噂が駆け巡る。
「日本に、恐るべき『黒きバナナ』を操る眼医者がいる」。
噂は瞬く間に肥大化し、いつしか世間は「眼医者=黒きバナナ」と認識。
利権を狙う企業や暴徒による過激な「眼医者狩り」が日本中で勃発する事態へと発展していた。
この事態を重く見たパムーファームの上層部は、農園の未来と「黒きバナナ」の謎を解き明かすため、極秘裏にプロジェクトを発動。
日々の農作業で極限まで鍛え上げられた、肉体美を誇る「マッチョな農夫セレクション」を日本へ派遣することを決定する。
選ばれた精鋭たちの中に、一際異彩を放つ男がいた。
彼の名は、エステバン・クルス=デラ・シエロ。
長髪を海風に靡かせ、頬に深い十字架の傷を持つ寡黙な農夫。
彼は密航船のデッキで、満天の星空を見上げながら、ある一人の女性への誓いをタガログ語で呟く。
『尼のミドリ、待っていてください。必ず私はあなたに会いに行く。黒きバナナをこの手にかかげて――』
彼が探すのは、単なる眼医者なのか。
それとも、「ミドリ」という尼僧と「黒きバナナ」には、知られざる悲しき過去の因縁があるのか?
異国の地・日本で待ち受けるのは、狂気組織による眼医者狩りの嵐と、想像を絶するバナナ・バトル。
愛と筋肉、そして謎の果実が交錯する、前代未聞のアジアン・アクション・ロマンが今、幕を開ける!
・プロローグ
眼医者の口から「バナナです。」と語っていただくことで、こちらの作品は完成するのかもしれません。
このような才能は、稀です。何故そこまで黒を表現できるのですか?
これらは全て、彼女の導きでした
今日からちょうど14年前でしょうか
あの日私はこの世を去ろうと縁もない、見知らぬ田舎の港町に辿り着きました
名前は確か尼のミドリという女性で
それ以外のことは知りません
とにかく、彼女の導きである事は確かでしょう.
その頃フィリピン屈指のバナナ農園であるパムーファームでは、「日本に黒きバナナを繰り出す眼医者がいる」と言う噂がまことしやかに囁かれておりました。
噂は噂を呼び、眼医者=黒きバナナとの認識が広まりました。
すると、企業民間問わず、眼医者狩りが行われるようになったのです。
パムーファームは農夫たちを鍛え上げ、黒きバナナを操る眼医者を探すべく、秘密裏にマッチョな農夫たちを数名日本へ送り込みました。
船の上で夜空に輝く満点の星の下、海風に長髪を靡かせながら、頬に大きな十字架の傷がある1人の農夫が呟きました。
一一一一「Midori na madre, hintayin mo ako. Pupunta talaga ako para makita ka. May itim na saging sa kamay ko.」
(タガログ語:尼のミドリ、待っていてください。必ず私はあなたに会いに行く。黒きバナナをこの手にかかげて。)
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