僕は、自分の道を歩く事にした。
春は、もう終わる。
『まだ始まったばかりじゃないか』
『終わりだなんて言わないで』
何処からか、そんな声が聴こえる。
僕は、耳を塞いで、その声が聴こえないフリをした。
『僕の中では、もう終わった事さ。』
僕は、心の中で台詞を言った。
何処かの物語の中の、自由を愛する旅人みたいに。
その言葉は、僕自身へ言い聴かせているようにも想えた。
僕は、長い間空を見つめて、物想いにふけっていた。ただ、ボーッと無機質な天井を見つめていたわけじゃない。
ちょっと、身体と心が言う事を聴かなかっただけで。
そして、僕は、気が付いたんだ。
『僕は、愛されてなかった。』
…って、ことに。
まぁ、「アイトカコイトカ」知らないけど。
ただ、僕が、想ってたモノは「愛」じゃなかった。それだけは、紛れも無い事実で、真実だった。
悲しい、よりも先に、変に納得した。
僕の求めている「愛」なんてものは、この世の中には存在しない、「概念」なんだから。
与える事も、貰うことも、叶わない。
目に見えないモノ、なんだからさ。
それから、僕は今までに無いくらい「現実」を見つめた。これからも「現実」を受け入れて、先へ進む事にした。
「僕の道」を。
僕は、自分の道を歩く事にした。
ただ、それだけの事。