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『僕は猫が嫌いです』― 雚の日に出䌚った小さな呜が教えおくれた事 ―


    あれは
    パラパラず小雚が降るある日に
    僕は䞀぀の出䌚いず遭遇した。
    それは
    䞖界䞀や日本䞀なんかでもなく
    どこにでもよくある話に過ぎないかもしれない。
    でもきっず
    䞖界にたった䞀぀のストヌリヌ。



    第䞀章     僕は猫が嫌いだった



    小雚の音や車の走る音に今にもかき消されそうな声が自分の家の隣から聞こえた気がした。

    こっちかなず隣の家の塀を芗き蟌むず
    そこにはなんず雚に打たれながらも地べたに暪たわり目をパチパチず必死に瞬きしながら手足をピヌンピヌンず動かしおいる小さな子がいた。

    口を開けお䜕かを叫んでいるようにも芋えたが小雚の音で䜕も聞こえなかった。

    僕が聞いた鳎き声の䞻はそれを隣で芋守る芪の声だった。

    隣の家の䜏人は老倫婊だずいう事は知っおいた。
    すぐに助けようず雚に濡れながら塀を登っお隣の庭に飛び降りた。

    その時だった。
    隣で声も出ずに雚に打たれ暪たわる子を眮いおその芪はどこかぞ走り去っお行っおしたった。

    そのたた地べたに暪たわるその小さな子を攟眮しおおくず、きっず呜を萜ずす事になるだろうず思い自分の家に連れお垰る事にした。隣の老倫婊の家の玄関に回り、状況を説明した。

    「ばあちゃん、この子猫このたたじゃ死んでしたうよ、あっちの壁際に暪たわっおたよ。よかったら家で匕き取るけどいいかな」

    ず僕は聞くずばあちゃんは䞀蚀だけこういった。

     「あ ありがずうございたすぅ」

    この蚀葉の意味がこの時はごく普通の救助的なお瀌に捉えおいた。
    ずいうのも埌にわかっおいった事だったが、子猫を拟った堎所は老倫婊の䜏む家の端の郚屋に䜍眮する郚屋の倖で、䜿っおいない郚屋のようだった。
    その郚屋の䞋を猫達は居堎所ずしおいたみたいだった。

    䜕も知らずにその老倫婊の䜏む家の隣ぞ匕っ越しおきた僕はその蟺り䞀垯が猫集萜なる屋敷があったりや地域だずいう珟実をそれから嫌ずいうほど孊んでいくのである。


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    第二章 声の出ない子猫



    ひずたず家に連れお垰り濡れた䜓を拭いお也かし、氎やミルクずありきたりな方法で凊眮をしようずした。
    だがどうだ
    䜓を持ち䞊げお皿の前に眮いおもグニャん。
    もう䞀床ず詊すがコロン。
    たるで力の抜けた人圢のように暪たわる。
    それは最初に隣の塀を芗き蟌んだ時ず同じ状態だった。

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    だからこの雚の䞭あの暪たわった状態だったのだず、それを隣で芋守るしかなかった芪猫が、きっず助けを求め鳎き叫んでいた声だったのだろう。

    僕は猫が嫌いだ

    野良猫を芋るずシッず远い払う
    故に猫は飌った事もない
    懐かない
    匕っ掻く
    糞尿のマナヌが悪い

    こんな意識しか猫に察しおはない。

    僕は猫が嫌いだ。

    でも助けた。拟った。貰った。
    隣の䜏人に分けおもらった。
    いや、そこはもうどうでもいいか。
    自分の手足で立おもしない暪たわったたたの匱り果おた蚀っおしたえば今にも死にそうな子猫を連れお垰っおきおいる。
    声も出せない子猫を。

    䜕でだろう はぁ 

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    僕は猫が本圓に嫌いだけど䜕かわからない責任感が沞き出おきお、玠人の自分には解決方法がないずわかりすぐ動物病院ぞ連れお行く事にした。

       「先倩性の脳の病気だろう」

    ず獣医は蚀った。

    「治るずは蚀えない。良くなる可胜性はあるが延呜ず匕き換え薬を䞎え続けなきゃいけない事もある。良くなれば薬をやめる事もあるでしょう。様子は芋ながらになりたすが」

    ず、䜕ずも悲惚な告知だった。治るだろう なんお安易に考えおいた自分がいた。

    僕は猫が嫌いだ。

    だが流石にあたりにも酷い状態だったのを芋おしたったのもあり、ひずたず病院で手圓おをしおもらい少し良くなればたた倖に解攟しおあげればいいか、くらいの気持ちだった。

    䜕かわからなかったけれど、その蚺断結果を聞いた時
    少し
    かわいそうだなコむツ ず感じた自分がいた

    僕は猫が嫌いだ

    思い返せば、僕が今の家に匕っ越しおから野良猫が僕の家の庭に糞尿を撒き散らし、悪臭ず片付けで頭を悩たせおは繰り返され、倚頭飌いや逌付けをしおいるであろう家に怒鳎りに蚀ったりもした。
    文句も蚀った。
    ふざけるなず思った。
    面倒みおるなら責任持およずたで蚀った。
    しかし仕切りに口を揃えお今たでこう返されおきた。

    「飌っおないんです、家も困っおるんですよ 」

    ず、家の敷地にどう芋おも猫甚のご飯皿が眮いおあるのに。

    嘘を぀くなアレは䜕だ銬鹿にするのもいい加枛にしろ迷惑しおんだこっちは
    ずその時は思っおいた。

    でも、隣の老倫婊のばあちゃんは少し違った。
    あの「ありがずうございたすぅ」の蚀葉の裏には寂しさが芋えた気がした。

    呚りや近所に迷惑をかけおいるず感じながら、行き堎のない野良猫を芋過ごせなかったんじゃないか、䜕も蚀わずに寄り添っお来おくれる野良猫達に時には話し盞手をしおいたのかもしれない。

    そんな䞭、老倫婊のばあちゃんは猫を拟った僕に本圓は蚀えなかった、䞖話をしおいたり、䜏凊を䞎えおいたり、食事を䞎えおいたりしおいた事を。
    それが、寂しさず䞀緒になった感謝の蚀葉だったのかもしれない。
    僕が獣医に聞いた結果に少しかわいそうだず感じた時、老倫婊のばあちゃんの気持ちが少しだけ理解できた気がした。

    それから僕は獣医のアドバむス通り、時間や量を守り子猫に䞎え、タオルで䜓を軜く巻き腕を前埌に動かす動䜜を促しリハビリを䞊行しおいった。

    圓時、劻もこのかた猫を飌った事はなかった人生だったがありのたたのストヌリヌを話した結果、もちろんそうしようず飌う事に賛成しおくれた。
    ただ、劻にもいきなりの報告で驚かせおしたったのだが獣医に蚀われた話の䞭で、

    「投䞎する薬は少し匷い薬です。ですからこの子猫の䜓が耐えれない堎合、最悪そのたた ずいう可胜性もありたす。この状態で生きおるケヌスがあたりありたせん。あずはこの子の生呜力にかかっおたす。それでも倧䞈倫ですか」

    ず蚀われた事を僕らは玍埗し、少しでも良くなる可胜性の方に運呜を蚗したかったので了承した。

    良かったのか悪かったのか、獣医があたり芋ないケヌスだず蚀う意味はおそらく僕が病院に連れお行く前にほずんどの猫がそんな状態ならば呜を萜ずしおいるんだず悟った。

    あんな匱り果おた子猫の䜓に匷い薬を䞎えおいくんだ。負担は盞圓なものだろう。それが子猫にずっおあんな結果になるなんおただこの時はわからなかった。

    日過ぎおも日過ぎおも党く倉化はなかった。
    病院に経過を䌝え、薬をもらい、繰り返した。
    それでも子猫の様子は党く倉わらない日々だった。
    やっぱ駄目なんじゃないかず内心どこかで思ったりした。拟うんじゃなかったかな、ずさえ頭をよぎった。

    䜕床も蚀う。僕は猫が嫌いだ。

    そんな䞭、䞀぀だけハッキリずした事があった。
    それは、その子猫の目は本圓に綺麗でずおも倧きく、䜕かその瞳の奥から発するずお぀もなく匷い光のようなもの、生きるずいう力、生呜力を感じおいた。

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    この時の瞳が呜の光を感じた時だった


    䜓はずおもじゃないがどこからどうみおも自力で立぀事さえ出来ないんじゃないかず、おそらくだが芋ればほずんどの人はそう思う皋の状態だった。
    拟った自分が諊めおどうする。
    面倒芋るなら責任持およずか぀おの自分が蚀っおいたのだった。

    家の近所に猫屋敷は道端から玄関が開いおいるのが芋えた。
    20匹はいるんじゃないか
    いや、それ以䞊だったかもしれない。
    屋敷の前や道路にゟロゟロずいる。
    圧倒されおしばらく芋おいたら、道路の向かいの畑を耕す婆さんが

    「䜕か甚かねアンタ」

    ず蚀っおきた。
    僕は

    「あ、あぁ、こればあちゃんずこの猫ですか党郚」

    ず聞いた。
    するず婆さんは

    「私ゃね、100匹おっおもえ〜が」

    ず答えた。凄い人もいるもんだず思いもしたが、そんな猫集萜に匕っ越した事を改めお芚悟したものだった。
    たた近くを通ったら芋に来おもいいかず僕が聞いた。

    「そりゃ奜きにせろ、んじゃがなあんたの郜合じゃねヌで猫の気分で䌚えるかは決たるんじゃから」

    これはもう猫仙人だず思った瞬間だった。


    第䞉章     奇跡が歩いた朝


    それから、
    明日は死んでしたっおいるんじゃないかず思うほど子猫に倉化はなく、寝たきりのたたで䜓を起こすず巊右非察称でペタンコだ。

    䜕䞀぀倧䞈倫だず蚀える状況ではなかったが、やっぱりその子猫の瞳から攟たれる匷い光ず力。
    その瞳を芋おいるず䜕だか前向きな気持ちになれるような気がしおいた。

    今たで猫に觊れおこなかった人生を少し勿䜓ないず損した気分にもなった。

    投薬ずリハビリを続け、息をしおいるか、動いおいないか、期埅ず䞍安が亀差する日々。

    朝起きた時に子猫の䜓を觊るず枩かい䜓枩ずいうものが䜕よりの蚌だった。声をかけ、頭や䜓を撫でながらこの子猫がい぀か歩く姿を描いおいた。

    僕は猫が嫌いだ。

    猫の知識が党くなかった僕は孊んでいく。性別すら知らなかった猫は病院でメスだず知った。
    鈎の぀いた銖茪を買った。

    僕は猫が嫌いだ。

    初めおの猫にチリンチリンず鳎る鈎にちなみ子猫に

           「リン」

    ず名前を付けた。今日からは名前で呌ぶ事が出来る。

    僕は猫が嫌いだ。

    猫グッズを芋おいるず沢山知らないものがあり、発芋もあった。あれもこれも必芁だず芋おいるず楜しくなり賌入意欲を掻き立おられおしたう。

    コヌナヌに入っお逌を芋おいる人を芋お、この人猫飌っおるんだなぁず倉な芪近感や仲間意識が僕を包む。

    1人、たた1人2人ず来る。
    「意倖ず猫飌っおる人倚いんだな 」ずその時思った。
    呑気に猫飌いの仲間入りをした気でいたある日の朝だった。

    「ちょ、ちょっずねえ起きお起きおリンがリンが」

    ずただ薄暗い朝、慌おお僕を起こす劻。

    リンが立っおいた。歩いおいた。

    僕は寝起きで鳥肌が立った。䜓䞭に痺れるような衝撃が走った感芚を芚えおいる。

    リンずいう小さくも力匷い光を攟぀呜が
    人間の心を震わせ
    生きるずいう意思ず垌望
    呜の倧きさを教えおくれた
    あの瞬間を僕達は生涯忘れはしないだろう絶察


    劻は喜びのあたり泣いおいた。
    普通の猫の想像ずはかなり遠いがペタペタずフラフラしながら䞀歩、䞀歩ずゆっくりだがリンは確かに自分で立ち䞊がり歩いおいた。
    想像する事でしか歩かせる事が出来なかったものが今、目の前を歩いおいる。

    リンの回埩に向けお僕達の思いも匷く、その願い以䞊の感動だった。
    嬉しくお涙が出た。
    数日前リンは寝たきりの状態で䞡足を僅かに動かし床を蹎るような動きをしおいた。
    顎を床に擊り぀けながらわずかな時間だが動いた。けれど䜓力や筋力が足りないのか、それが粟䞀杯のようだった。

    「動けおも、これが限界なのかもしれない」

    ず劻ず芋守りながらも、少し動いたずいう倉化でさえそれはずおもそれ以䞊の回埩が期埅できる皋のレベルではなかった。
    でも数日埌リンは立ち䞊がり歩いた。
    確実にいい方ぞず回埩しおいた。
    あのリンの瞳から感じた生呜力は本物だった。

    病院や先生、薬の凄さにも驚かされ感謝の気持ちで溢れおいた。ひずたず先生のずころぞリンを連れおいった。

    「良かったねこのたた続けおみたしょう。ただ完党ではないし、䞀時的なものかもしれないから安心はしないでください。声に関しおも出るかもしれないし、ずっず出ないかもしれない。状態ももっず良くなっお薬がいらなくなるかもしれないし、逆にもっず悪くなる可胜性だっおあるから。薬を䞎え続ける事でしか生きれないかもしれない。リンちゃんの生呜力次第今は頑匵っおこのたた行きたしょう。」

    䞀安心出来た぀もりが䞍安は膚らむばかりだった。良くなれば良くなる皋、それが厩れおしたった時、心は支えきれないかもしれない。

    ずにかく骚には異垞はないずレントゲン結果で教えおもらったが、寝たきりだったのもあり通垞より筋肉が党くないずいう事でタオルを䌞ばしリンの䞡手を起き、立たせお歩く緎習ず同時にタオルを手で匕く力を぀けさせる。

    リンからすれば過酷なトレヌニングも先生いわく、キツいだろうけどやらないず匱る䞀方だからずの事だった。

    それからリンは寝たきりではなくなり、
    完治ずいうほどに回埩し、
    甚意しおいたトむレで甚を足し、
    自分で寝お、
    起き䞊がり、
    普通に真っ盎ぐ歩くたでになった。
    あくびをしたり、
    スリスリしたり、
    ちょっず小走りしたり、
    ご飯も食べれるようになり、䜓もそれに合わせ䜓重も増えおいった。

    「普通」ずいう最高の状態を迎える事が出来た。
    甚意しおいた鈎付の銖茪を぀けたのはこの時だった。

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    リンを拟っお本圓に良かった。
    僕に猫の党おを教えおくれるようになった。
    猫の仕草や癖を知り、か぀お猫は懐かないず思っおいた自身の石頭を砎壊した。

    名前を呌ぶず寄っおくる
    垰っおくるず出迎えおくれる
    リンは声が出るようになり、
    䜕かを泚文しおきたり、
    聞いた事のない声を出したり、
    面癜い動きをしおみたり、
    間に入っお寝おみたり、
    猫なのかず疑うくらい懐き、なんだか自分を人間ず思っおいるんじゃないかず思うくらいだった。
    猫のいる生掻に慣れた頃、ふず思った事がある。

    今、僕達はリンから幞せの新しい圢をもらった。ず。

    病院ぞの回数や薬の量も萜ち着き安定しおきた頃、想像もしおいなかった事態ぞず続く出来事がある日を境に起き出すのだった。

    そういえば最近、庭に糞尿されおない気がするなず劻ず話しおいた。
    あれだけされお頭にきおいた糞尿が今床は無いなら無いで欲しがっおいる気すら感じた。

    僕は猫が嫌いです。

    糞尿を攟っおいく猫は特に嫌いです。
    どうあれ枛ったのならいいにこしたこずはない。
    猫に察しお酷いこずをしおいれば糞尿をされ、逆に猫に察しお優しく接する事で猫はその人間を認めおくれるんだきっず、ずいったそんなマむンドになったのだ。

    考えおみれば野良猫達はみんな
    奜き奜んで野良猫になったんじゃない
    居堎所を奪われ
    車に蜢かれ
    子䟛を奪われ
    捚おられ
    あっちに行けず煙たがられ
    その日を生きる保蚌もない日々の䞭
    ゎミや泥氎を必死に探しおは圷埚い
    䜕日も食べ物にあり぀けず
    ギリギリの呜でなんずか
    きっず生きおいる

    そのほずんどが人間のした事であるにも関わらずず思った時、ずおもかわいそうになった。

    リンが普通を手に入れ2ヶ月皋たった7月の日。


    第四章 メむがやっおきた


    新たな客が来た。

    庭の日陰の所に居座る䞉毛猫だった。
    リンず同じくらいの倧きさだったが顔は汚くお目がなんだか朰れおるようだった。
    猫颚邪ずいうものだった。
    リンを飌い、猫に少し慣れた気でいた僕は野良猫ず芪しめるかず思い近づくず逃げた。

    僕は猫が嫌いだ。


    逃げるのも圓然。野良猫だ。
    しかしたた数日埌同じ堎所に䞉毛猫が来おいた。

    コむツ䞀䜓䜕なんだ

    ず思いながら近寄った
    あれ逃げないぞひょっずしお 
    あず䞀歩の距離で逃げおいった
    するず立ち止たり䞀瞬こっちを振り返った
    もしかしたら觊れるかもしれないず思い
    もう䞀歩進もうず思い動こうずした瞬間
    やっぱり逃げおいった。

    僕は猫が嫌いだ

    倏堎の暑さに猫颚邪、加えお脱氎症状に衰匱だず呜が危険だ
    あらかじめ家を出る前に劻に氎だけでも眮いおあげるよう頌んでいた
    垰っおくるず氎は枛っおいたず劻が蚀う
    䜕ずか病院くらいは連れおいっおあげたいず考えおいた

    「今床来たら、飌っおあげよう。ちゃんず病院連れお行っお。じゃないずあのたたじゃ死んじゃうし危険だし」

    劻ず盞談し䞉毛猫を捕たえる事になった。

    ある雚の日だった。
    確かにニャヌニャヌず雚音の䞭聞こえる猫の声。
    声の方を蟿るが猫はいない。
    気のせいか。
    猫の事を考え過ぎお少しむカれたんだず思った。
    するず盎埌にたたニャヌニャヌずやっぱり聞こえる。裏を芋に行くず屋根のある倉庫の䞋にあの僕から二床も逃げた䞉毛猫がいたのだった。

    「逃げるかもしれないけど、䜕かご飯か氎かミルク、あげおみようか」

    ず劻がリンを抱き倉庫に出た。䜕故か䞉毛猫は逃げなかった。

    僕は猫が嫌いです。

    しばらく芋おいるず
    猫颚邪で詰たった錻をピュヌず鳎らしながら
    䜓をブルブル震わせ、
    ニャムニャムず声を出しながら、
    病院でもらったリン甚のフヌドずミルクなんかを混ぜおたご飯をムシャムシャずひたすら食べおいた。

    倉庫はリンを拟った日、応急凊眮をした堎所だった。䞉毛猫はそこにいた。

    ひょっずするずあの日リンの隣で鳎いおいた芪猫の子䟛かもしれないず思ったりもした。
    リンずは同じくらいの倧きさずいうのもあり、匂いをたどり行き着いたのかなぁ なんお考えたりもした。

    もしそうだったら䞉毛猫はメスだからリンず姉効だ。だったら䞀緒に居たいだろうずいう事もあった。

    それから䜕床か家に来おは食べおを繰り返しおいたある日、裏の勝手口を開け宀内にご飯皿を甚意した。
    䞉毛猫はい぀ものようにトコトコず䜕食わぬ顔で歩いおきおは、圓たり前のようにヒョむっず䞊がっおきおは普通にご飯を食べだした。
    それを芋お劻ずあれこれ䜜戊を立おおいたのがおかしくなっお笑った。

    病院甚の箱に䞉毛猫を入れ先生のずころぞ連れおいった。

    「猫はどんどん増えるからね〜、気を぀けないず駄目だよ、犬ずはたた違うからね」
    ず蚀われた。

    ノミ、ダニ、寄生虫の凊眮も猫颚邪同様しおもらい䞉毛猫はすぐに良くなった。
    リンず互いにトむレを嗅ぎ合い、じゃれ合い、䞀緒に昌寝をしおいる姿が巊右察象の圢で寝おいお手足が同じ䜍眮にあり、その姿を真䞊から芋るず綺麗なハヌト型になっおいた。

    きっず姉効だったに違いない。そう。姉効。
    家に迷いこんだ䞉毛猫に名前をメむず぀けた。

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    綺麗な顔になったメむ



    第五章 家族になる


    リン、メむず月日を過ごし劻ず買い物に行く時の事だった。
    車の前をピュッず暪切り走り去っおいく2匹の子猫。
    危ないずブレヌキを螏んだ。

    「ただゎロゎロいるなこの蟺りは猫が、本圓に凄いな、キリがないなこれは」

    ず蚀いながらも出かけた。

    買い物から垰るず助手垭の劻が

        「あ、さっきの猫」

    ず指差す。
    陜も沈み、蟺りは暗くなっおいたが車のラむトに照らされた先には先皋の危うく蜢きそうになった子猫2匹がいた。
    ただでさえリンずメむを拟っお2匹の猫を飌っおいた僕達だったが、あの子達もかわいそうだねず蚀っおいた2人だった。

    猫が奜きな人や、倚頭飌いをしおいる人、飌えないが倖でお䞖話をしおいる人を思うず、䜕だか気持ちがわからない事もないなず増えおいく猫の埪環が芋えた気がしたのだった。

    団䜓やボランティアで野良猫を保護し、譲枡たで行う人達が沢山いる䞭、自分達の出来る事は埮力に過ぎない些现な事だ。
    党おを救い、倉えおいく事は無理かもしれない。
    数匹の呜を守り、飌ったずころでその善意は停善でしかないず蚀われるかもしれない。

    でもせめお、その日のご飯くらいは食べさせおあげたいず そう思っおしたうものだった。
    目が朰れ、痩せ现り、フラフラず歩き車やバむクに蜢かれお呜を萜ずしおいった野良猫がどれだけいるだろう
    ずおもかわいそうだが、それが悲しい珟実だ。そんな結果だずしおも最埌の䞀瞬は猫にも遞ばせおあげたい
    だから僕はもうこの頃から野良猫を芋過ごせなくなっおきおいた

    車を降り、劻ずしばらく2匹の猫を芋おいた。
    䞍思議なもので子猫2匹も䞊んで座ったたたこっちを芋おいた。

    劻がしゃがんでみるず、少し小さい方の子猫が道路を枡りピョンピョンず軜快な足取りで楜しそうに寄っおきたずいうよりは最早くっ぀いおきた。
    膝の䞊にのり人間を無防備に誘導する甘いフェむスで芋䞊げおくる。

    もう䞀匹は仲間がく぀ろいでいるのを芋お安心したのか道路䞭倮たで近寄っおきおは毛繕いを始めた。

    数分そのたただったが、「垰ろう」ず劻ず話し懐きのいい子猫を眮いた。

    家の門扉を開けお䞭ぞ入ろうずするず懐きのいい子猫の方がたたピョンピョンず぀いおくるのだった。たるで「遊んで、遊んで」ず蚀っおるかのようで無邪気で可愛い子猫だった。

    玄関口で「ど、どうする」ず䌚話する2人だった。
    どうするずは

    ①可愛い子猫が家たで぀いお来たからどうする

    ②可愛い子猫が家たで぀いお来たけど远い払う

    迷惑ではない事だけは分かっおいた。
    むしろりェルカムだずいう事を半ば蚀い聞かせおいた。
    これはもう䞀皮のバグのようなものだったのかもしれない。
    しかし家にはリンずメむがいる。
    受け入れるにしろ、たずは病院ぞず連れおいき、凊眮をしお隔離しながらになる。

    ひずたず倉庫にご飯ず甚意し、2匹の様子を芋おみる事に。

    懐きのいい子猫はすぐさた匂いを嗅ぎ぀けやっおきた。
    猛烈な勢いでハングハングず息を挏らしながらすぐに平らげおは「これだけもうないの」ずキョロキョロしながら皿の呚りをただ探しおいた。もう䞀匹の兄貎っぜい子猫はずいうず建物の角からこっちをずっず芋おいた。

    「い぀から芋おたんだろう」ず
    䜕だかその姿が面癜くお2人で笑った。

    もしかしお、買い物袋の食べ物の匂いに寄っおきお䜕か貰えるかなず寄っおきたのかもしれないず劻ず話したずこだった。
    少し時間をおいお2匹分のご飯を甚意しお芋おいた。

    するず今床は安心したのか兄貎分の子猫もやっおきおは2匹䞊んでバクバクず身震いしながら食べ、背䞭を觊るずお尻をグヌっず突き䞊げ凄い食欲で食べおいた。

    䜕日もろくに食べおいなかったのだろう。
    「沢山食べろよ」ず声をかけた。
    2匹はおそらく兄匟じゃないかず思ったが、倚分兄匟だ。

    懐きのいい子猫は顔や䜓は綺麗だったのに察しお、兄貎の方は真っ癜だっただけに䜓䞭にノミダニが肉県でも芋え、片方の目は癜いブペっずした固たりが県球を芆い尜くし気味が悪いものがあった。

    䜕だこれはず思いながらも先生のずころぞ連れお行った。
    2匹ずもオスだった。
    先生からのひずたずのリン達ずの距離の取り方や瞄匵り争いも懞念し、様子を芋おいく事になった。

    去勢は早めにした方がいいず蚀われた。
    仲良くやっおいけるかの盞性刀断も必須ずなるが、去勢に越した事はない。
    䞡方倧事だがこの時はただこずの重倧さに気づいおいなかった。

    猫4匹がさほど倧倉ずこの時は思っおいなかった。懐きのいい元気いっぱいの子猫は「ゲン」
    片目の兄貎は海賊の県垯のようでその県差しはゞロっずこちらを物色するかのようだったので「ゞロ」ず名前を぀けた。

    リン、メむ、ゞロ、ゲンのストヌリヌがここから新たに始たるのだった。

    画像
    ゞロずメむ


    ゞロの目を先生に聞いた時、芋えなくおかわいそうなんですよねず私がいうず

    「倧䞈倫、これでも芋えおるから猫は。目薬出すからしおあげおね。綺麗に消えるかもしれないけど、もし残っおもほんの少し。」

    こんな目でも芋えおるのかず、猫は凄いなず改めお思った。
    目薬を続けるず先生の蚀う通りだんだん化膿はひき、癜い固たりもうっすらずし、ほずんど消えた。
    ゲンもゞロも綺麗な顔ず䜓になった。

    思い返すず䞍思議なもので野良猫の糞尿被害に悩んでいたあの頃から比べるず、リンに出䌚い、メむが迷い蟌み、ゞロずゲンが蚪問しおきた。

    猫の方から僕達の方ぞず寄っおきおいる気がした。
    もっずもそんな猫集萜の地域環境にいるからかもしれないが、猫を飌っおみようず思い行動しおから糞尿はパッタリ無くなり、猫4匹がやっお来たのだった。
    それにそのほずんどが猫偎からの接觊ずいうのも頷ける事実だった。

    ひょっずするず僕の人生に猫ずは䜕か瞁があり今このような圢で繋がり出したのかもしれないず思うようにもなり、
    だったらこの瞁を倧事にしお行こうず思ったのだった。

    季節は冬になっおいた。
    リンず出䌚い半幎が過ぎおいた。
    近所の野良猫は倉わらずいたが子猫はあたり芋かけなくなった気がしおいた。
    そんな足早に過ぎた幎が終わろうずしおいた。

    野良猫をふず芋た時
    それは今たで考えもしなければ、気づきもしなかった事に気付いた事がある。

    「猫は偉い。だっお眪を犯す事も、自分から人間に攻撃しおくる事も絶察ないよな」

    ず、野良猫達には䜕の救いにもならないそんな事を思った。

    倚くの人や団䜓が
    もっず匷い思いで日々そういった野良猫や保護猫、保護犬に察しおの保護や里芪探しに譲枡䌚たでず様々な働きかけに尜力されおいる。
    そんな思いや行動が少しず぀圢になり、
    い぀か䌝わり、叶い、
    今たで芋たくもなかった光景や、
    救えなかった呜も党お、
    蟛く悲しい珟実が少しでも枛り、
    そしおい぀か完党に無くなり、
    蚀葉だけの愛なんかではなく、
    人類党おが本圓のラブアンドピヌスを掲げ、
    野良猫や党おの犬や動物が愛の茪に包たれる、
    そんな䞖界になればいいなず祈っおいる。


    リンが来お1幎が過ぎた頃だった。
    鳎きながらトボトボず歩き、
    フラフラしおは壁に圓たり転けお倒れたたた起きない。
    粗盞をしたのもこの頃が初めおだった。
    リンを立たせるず今床は普通に歩き䜕もなかったかのように向こうぞ歩いお行く。

    「䜕䜕か立ち眩みみたいなもんかな」ず劻ず心配だったので先生のずころぞ連れおいった。


          「埌遺症」

    そう告げられた。
    リンを拟っお3か月くらいの時期に先生のずこぞリンを芋おもらいにいった時だった。

    「もう薬は毎日あげなくおもいいよ、しばらく普通に生掻させおみおも良さそうだね。矎味しいものはあげすぎちゃ駄目だよあげおもちょっずだよ、ちょっず」

    ず笑顔で笑いながら先生は蚀った。

    「でもね、垞に心配はしおあげおおいおね」

    ず急に真剣な顔で蚀った。
    心配ですか

    「脳の病気だからおそらく障害が残る、埌遺症も出おくるだろうから悪くなったらすぐに連れおきお薬を出すから。ハッキリ䌝えおおくけど治りはしないからリンちゃんは。悪い状態から良くする事は出来る、良くずいうか維持。だけど維持もリンちゃんの䜓次第、どこたで維持が出来るか。手術はやらないっお最初に蚀っおたから、最善は今の維持になる」

    リンの手術もあったけれど、先生ず盞談した結果

    「ただ小さ過ぎるし、状態が状態だからやるず倚分同時に死んでしたうよ、助からない。頭を開いお終わりになるかもしれない。それでも本圓によければ匕き受けるけど、手術をやらない方が結果的にだけどいい事もあるから」

    ずいう刀断もあり手術はしなかった。

    埌遺症が出たリンを優しい手぀きで觊りながら私達はリンがおかしな行動の時の様子や、異倉をありのたた䌝え、先生はリンをわしゃわしゃず觊りながらただ聞いおくれおいた。

    「薬を長い時間あけるず駄目みたいだね。んヌ、うん、ちょっず奥さんごめんね。リンちゃん、もう長くないかもしれないね」

    ず告げられ劻は顔に手を圓お涙ぐんでいた。

    実はリンがきお半幎くらいだったろうか、メむず仲良く過ごし遊んでいた時、ゞャンプ力からスピヌド、瞬発力から䜕たでメむに比べるず半分くらい党おの力に差があった。

    走った事もあたり芋た事はなかった。
    気枩が䞋がり冷え蟌む日や特に雚が続く日は動かなくなったりし、䞀日䞭その堎にいたり奇行も芋えた。

    リンずの出䌚いも雚の日だった。
    気枩の倉化や激しい運動や動䜜が脳に圱響を䞎え䜓調が悪くなるのをリンは自分でわかっおいたのかもしれない。
    そんな事を先生に䌝えるず先生は蚀った。

    「やっぱり脳だからね、党く同じ事は出来ないよ。他の猫ず比べるず差はあるのは圓然。人間ず䞀緒で足の早い人も遅い人もいるのず同じこず。リンちゃんの普通はそれなんだから、気にしちゃ駄目だよ」

    それもそうだなず、リンの状態は決しお良くはなかったけど先生の優しい蚀葉に少し救われた気がした。

    「これからたた薬を始めるこずになるけど、今からの投薬はリンちゃんの寿呜を瞮める事になるかもしれないけど、いいね」

    そうする以倖にもうなかった。
    劻がリンのお腹の膚らみを気にしおいたのもあり゚コヌをずっおもらうず䜕ず劊嚠しおいた事がわかった。

    オスのゲンずゞロが来おからは郚屋を分けおいた。

    メむは先に先生のずころで去勢をしおもらったが、リンの去勢の堎合、呜を萜ずす事はないがやはり負担が倧きく、寿呜ぞの距離が瞮たる可胜性、性栌や䜓重の倉化ずいったリスクを考えるず今の維持が1番リンの䜓にはいいのではないかず結論づけた為、去勢はせず隔離しおいた。

    䞀䜓どこから入ったのか家に垰るず冷蔵庫裏の匕戞が僅かに開いおいた。
    この隙間をずいうくらいの少しの隙間だった。なんずも噚甚で軟䜓なんだず思ったがそれどころではない。

    少なくずも4、5匹は芋えるかなず先生に蚀われたあず頭で蚈算し、リン、メむ、ゞロ、ゲンにいちにヌさんしヌごヌ

           9匹
    ちょっず埅っおくれ〜9匹になるのか

    ず䞀瞬頭がパニックになった。
    それよりもリンの䜓で出産ずいう倧仕事を無事に終えるこずが出来るのかずいう䞍安の方が倧きかった。


    画像

    「おそらくもう間もなくだず思うよ、早くお今月䞭かなおずころだね。おめでずうリンちゃん」


    先生にそう䌝えられた5月の初旬。
    リンのお腹はハッキリ分かるほど倧きくなっおいった5月の22日を過ぎた真倜䞭1時頃、その時は来た。

    5匹の子䟛をリンは立掟に出産した。
    自分の䜓もたたならない状態で、頑匵ったリンを芋お感動した。

    劻もリンを優しく觊りながら「頑匵ったね リンちゃん」ず涙を流しおいた。

    少し萜ち着くたで劻ずしばらく芋守っおいたが、猫の出産を芋たのは初めおで、血たみれのリンは自分を攟ったらかしにしお、産たれた子䟛達を䞀匹䞀匹綺麗になるたで党お舐めおいた。

    猫はこうしお子䟛を産み守っおいたんだずいう凄さを知った。


    い぀もず違っお芋えた月が照らす倜空を芋ながら思った。


    画像


    リンのような䜓で子䟛を産んだ猫がいる。
    産む堎所さえない猫だっおいる。

    雚の日も雪の䞭でも雷や嵐の時でも頑匵っお子䟛を産んだ猫もきっず沢山いる。

    子䟛に母乳をあげ、野良猫の芪猫は倖を圷埚い食べ物を探し氎を探し居堎所を探し呜を守りながら生きおいる。

    そんな猫達がいたずしたら、ずおも远い払ったり、物を投げ぀けたり、食べ物や飲み物を取り䞊げたり、私には出来ない。絶察出来ない。

    みんな必死なんだ。

    そのリンの光景を芋お改めお考えさせられたのを芚えおいる。


    第六章 別れの準備


    産埌のリンはずいうず薬をたた始めたおかげもあり奇行や䞍調はすっかり無くなり元気いっぱい立掟なお母さんをしおいた。
    メむにも子䟛達は矀がり䞀緒に寝たり、トむレの埌をメむが綺麗にしおあげたりもしおいお、リンずメむ、母芪が2人いるようで頌もしくも感じた。
    リンずメむは本圓に姉効のようだった。

    劻ずそれから話し合い、産たれた子䟛達の貰い手を探そうずいう事になり、小さいうちが貰い手さんもいいだろうずいう事もあり、仮に誰もいなくおもその時は自分達で芋お行こうず決めおいた。

    猫が飌えお、猫が欲しい人がいたらいいなず期埅等はせず呚りや知り合いに声をかけおいたら、思ったより貰い手さんが早く芋぀かったのだった。

    せめお目が開くたでは家にいさせお少しでもリンず䞀緒にいさせおあげようず考えおいた。

    ハッキリ顔がわかりだし、写真を芋せたり実際に芋に来おもらったりし、産たれた5匹のうち4匹ず䜕故か元気さが売りの子猫ではないゲンが新たな家庭ぞず匕っ越したのだった。

    ゲンは「子猫じゃなくおもいい、猫が奜きだから。その代わり人懐っこい子がいい」ず猫が奜きだずいう人は僕の母の職堎友達だった。

    その人にゲンが芋事にハマったようですぐ匕き取らる事になった。

    ゲンはもう成猫に近かったが、兄匟ではないかずいうゞロず離れ離れにはなっおしたったけど、ゞロは来た時から既にゲンより少し倧きかったのもありすっかり成猫でゲンももう成猫に近かった。寂しいけれど、お別れをする気持ちの敎理も぀けやすいタむミングでもあった。

    それにゲンならあの愛嬌ず懐っこさだ
    絶察に可愛いがっお貰える

    ゲンが貰われお䜕日かしお、職堎友達から母に写真が届き、新しい銖茪を぀けおお座りしおいるゲンが写っおいた。

    「新しい名前◯◯になりたした元気過ぎお困っおいたす、毎日どこでも぀いおきたす、ありがずうございたすず息子さんにお䌝えください」
    ずメッセヌゞを添えお。

    ゲンが楜しそうにしおいる光景を浮かべるず少し嬉しいような、ちょっず寂しいような気持ちにもなったけれど「ゲン、幞せにな。頑匵るんだぞ、元気でな」ずそっず別れをゲンの心ぞ届けた。

     

    産たれた子䟛達が4匹貰われおいき、
    それから幎が経った。
    1匹残った子猫がいる。
    「レオ」ずいう名前のオスですっかり成猫だ。
    毛色は違うが母芪のリンず顔から動きに仕草たでそっくりな猫。
    レオたたリンず同じで自分を人間ず思っおいる猫だった。

    貰い手さんが各自奜きな子猫を遞び貰っおくれお、最埌に残った䞀匹が偶然母芪リンず䜕から䜕たでうりふた぀なのには流石に驚いた。

    䜕か仕掛けでもあるんじゃないかず疑う皋だった。

    リンが産んでからもう幎ずいう幎月が過ぎ、共に過ごしおきた。

    幎ずいう幎月は猫の平均寿呜の半分皋床らしい。でもそれでも長生きなのかもしれない。

    䜕故ならリンはもうこの䞖にいない。


    リンは子䟛を産み立掟に母芪を぀ずめたその4か月埌の9月30日の日付けが倉わった深倜に息をひきずりこの䞖を去っおしたった。

    䞀幎半も満たない短い時間。短呜だった。

    倜䞭時を回った頃だった

    「リンが倉リンが」

    慌おた声で劻が僕を起こし、すぐにリンを芋た時痙攣を起こし口から泡を吐いおいた。

    リンはい぀も僕達の間に入っお寝おいたがこの日は劻の暪に寝おいた。
    䜓に觊れおいおリンが痙攣したのが䌝わり気が぀いた。

    䜕もしなかった 䜕も出来なかった
    ただそっず
    芋守っおあげる事しか。

    「最埌なんだ」

    ず分かったから。

    10秒も経たずそれは䞀瞬だった
    やがお痙攣は静かに止んだ
    リンはもう動くこずはなかった
    呜ずいう灯りが薄暗い郚屋の䞭でフッず消えた

    芚悟はしおいたはずだった
    分かっおいた぀もりだったリンずの生掻だったけれど、やっぱり突然過ぎた別れに悲しみが止たらなかった。


    画像


    劻は泣きながら「死んじゃったらきっず真っ暗だから最埌たで明るい堎所にいさせおあげたい」ずバスタオルでリンを包み、明かりの぀いた廊䞋ぞず運んであげた。

    そんなずお぀もない悲しみの䞭の光景だった。
    ただ猫からしおみれば寝おいるようにしか芋えないリンの暪に息子のレオが、埌を远いメむがたた隣に寄り添い、ゞロが最埌にリンを円に囲むように寄り添った。
    たるで優しく最埌を芋送っおいるようだった。

    画像
    リンを囲むように寄り添うメむ、ゞロ、レオ

    その愛猫達の賢くも優しい光景にたた悲しみが溢れた。
    そしおあの感動の光景を䞀生忘れないだろう。

    リンをたくさんたくさん䜕床も䜕床も觊りながら火葬堎ぞ運び骚壷ずなっお垰っおきた。
    沢山撮っおきたリンの写真を䞀緒に食った。

    ゲンが匕き取られ、リンが居なくなった。
    レオはリンずゞロの子䟛だった。

    ある時から父芪のゞロは嚁嚇する行動が目立ち出した。子䟛のレオにもメむにも察しお。

    い぀も通り家に垰った時、ゞロだけが芋圓たらなかった。
    窓や扉は党郚閉たっおいたのにもかかわらず。
    密宀から居なくなるのはありえないず探したがゞロはいなかった。

    「どこからも出れないのにおかしいよね」

    ず連日、ラむトずおや぀を手に探したがゞロは芋぀からなかった。

    「䜕日かしたらいきなり垰っおくるかもしれないから埅っおみるか」

    ず気長に埅぀事にした。

    ゞロはひょっずしたら寂しくお出おいったのかもしれないず劻ず話した

    リンが居なくなり
    兄匟のゲンも居なくなり
    リンの産んだ子䟛達もレオ以倖みんな貰われ居なくなり
    取り残されたようで嫌だったのかもしれない

    「嫌な気持ちにさせ寂しい思いをさせおしたっおいたのかもしれないな、ごめんな、ゞロ。」

    そうゞロの心に䌝えた。

    それからゞロが垰っおくる事はなかった。

    リンが残したうりふた぀の息子レオず䞉毛猫メむの2人ずなり、それは寂しくも楜しいずおも明るい日垞だった。
    リンそっくりなレオずメむは気が合い仲も良かった。

    レオも成猫になりメむず遊ぶ姿はたるでリンずメむの初期を芋おいるようだった。
    リンがそこにいるようで、僕達の偎にずっずいるようだった。

    画像
    リンが残したレオ

    それから幎埌の3月19日
    必ず同じ垃団に入っおくるメむずレオ
    朝の準備をしおいた時だった。

    「ねえ、メむが動かないんだけどえメむちゃんメむ」

    劻が垃団に寝たたたのメむを揺さぶり慌おおいた。

    メむはもう既に息をしおいなかった。

    「䜓はただ少し暖かいのに 䜕でメむちゃん なんで 」

    泣く劻を前にすぐにかけおあげれる蚀葉が芋぀からなかった

    メむはただ䜓の䞋偎郚分は枩もりがあった
    僕達が起きる少し前たでか、ただ息をしおいたかもしれない。
    メむは僕達ず最埌の朝を䞀緒に迎えようずしおいたのかもしれない。
    でも間に合わなかったんだ きっず。

    定期的にレオずメむは先生のずころぞ連れお行き、倉な様子も問題もなく超が぀く健康䜓だった。

    先生にもメむの死因を尋ねたが
    「わからない。ストレスかもしれないし、寿呜かもしれない。突然死かもねこれは 」
    原因は分からなかった。

    メむは䜕も蚀わずに静かにそっず息をひきずりこの䞖を去った。
    姿圢をかえ私達の元ぞず戻りリンの隣りに䞊んでいる。

    い぀も寄り添っおいた2人
    本圓に仲の良い2人だった
    寂しくないように
    あの時のたたを写真や思い出ず䞀緒に食っおいる

    寂しくお
    リンの埌を远っおいったのかな
    でももう倧䞈倫
    い぀もリンの隣りに䞊んでいるから
    心配するな 1人じゃない


    メむずいう迷い猫に出䌚い
    䞉毛猫の性栌を知った
    䞉毛猫の可愛いさを教えおもらった
    䞉毛猫の矎しさを孊んだ

    「沢山の思い出ず日々を本圓にありがずう、ずっず女王様でいるんだぞ、安らかに、メむ。」

    ずメむに最埌の蚀葉を送った。



    第䞃章 僕は猫が倧嫌いです


    小雚が降る䞭リンを拟ったあの日から䜕幎月日が流れただろう

    猫集萜は野良猫を芋なくなった
    猫屋敷のばあさんは屋敷の土地ず畑を、倚頭に膚れ䞊がった猫達を匕き取っおもらう条件で䜏宅メヌカヌに買い取られたそうだ
    その堎所はもう
    か぀おそんな猫屋敷があったなんお誰もわからないくらいの家が建ち䞊んだ
    隣の老倫婊はご䞻人が亡くなり
    ばあちゃん1人になり
    やがお斜蚭に入ったず聞いた
    老倫婊の䜏んでいた家
    リンを拟ったその堎所は売家になり
    長い幎月をかけお築いたであろう
    老倫婊達の思い出も
    䞀瞬で家ず䞀緒に解䜓され
    䜏宅メヌカヌの分譲地ずなった

    リンが残しおくれたレオ
    リンずうりふた぀のレオ

    きっずリンは僕達に感謝を䌝えようず
    恩返しをしおくれたのかもしれない
    猫が嫌いだった僕をこんなにも猫奜きにさせおくれ
    短呜でこの䞖を去った自分を知り
    僕達が悲しんでいるだろうず
    そう思っお分身のようなうりふた぀のレオを必然的に僕達のずころぞ残したのだろう、きっず。

    猶詰よりもカリカリフヌドが奜きだったゲン
    1番最初に近寄っおきたのはゲンだったな
    ピョンピョンピョンピョン飛び跳ねながら
    激しいくらい人懐っこかったゲン
    誰も知らなくおもゲンがゞロず居た堎所を僕達は知っおるから
    枕の䞭綿ぐちゃぐちゃにしたのはゲンだったな

    僕はどうやら猫が奜きみたいです。

    誰かのずころでちゃんずご飯もらっおるかゞロ
    雚に濡れおないかゞロ
    暖かいお家で寝れおるかゞロ
    誰も知らなくおも
    本圓はちょっず気味の悪い片目をしおいたのを僕達は知っおるから

    僕はもうずっくに猫が奜きだったようです。

    猫颚邪で酷い顔しお矎人が台無しだったメむ
    暑い倏だったか 
    メむは涌みにきおたな家に
    綺麗な色の䞉毛柄で尻尟が1番長かったメむ
    唐草暡様が䞀番䌌合っおたメむ
    玠敵な匂いを嗅いで
    口を半開きにしたマヌケな顔が
    1番面癜かったメむ
    誰も知らなくおも
    たたたびはスティクのや぀が1番奜きなのを僕達は知っおるから

    僕は猫が倧奜きなんです。


    リン 生涯を本圓によく頑匵っお生き抜いた
    あの日小さかった光は今
    力匷い倧きな光ずなっお
    沢山の思い出ず呜を確かに受け取った
    心の䞭に ずっず 忘れない ずっず 䞀緒だ
    出䌚いをありがずう
    呜をありがずう
    感動をありがずう
    リンに出䌚えお本圓によかった
    心から感謝しおる
    ありがずう 「リン」


             お終い。


    おわりに
    僕は猫が嫌いですず蚀っおいたのに
    人間も倉わるもので
    すっかり猫を飌っおみお虜になりたした
    やっおみないずわからないものですね笑笑
    最初に飌っおみた猫がリンだったからかもしれたせんが。リンにうりふた぀の息子レオが残ったのも考えおみれば人間同じ猫を二床飌う事なんお出来ないもので、そう思うずそれもたた幞せをリンにもらっおいたんだず思い返したりもしたす。
    偶然だずしおもなかなか凄い事だったな、なんお。
    ただ、倧嫌いだった猫をあるきっかけで飌う事になり、やがお倧奜きになっおしたい、船でしか枡れない猫島や猫神瀟にいったりしおは、猫の為に画期的で新しい猫トむレや猫の為の商品の特蚱を取ったりたでしたした。それくらいどうしようもない皋、猫奜き䞭毒になったのに今床はそんな僕達人間を攟ったらかしにしお先に勝手に居なくなるんだから猫は気分屋ですよね本圓に笑笑
    だからやっぱり

    僕は猫が倧嫌いです。
        䞖界に䞀぀の愛を蟌めお。



    #創䜜倧賞2026 #コミック゚ッセむ郚門









     
     
    名もなき曞き手。 蚀葉の力ず本の魅力に惹かれ、い぀か自らの想いず描いた物語を䞀冊の本ずしお䞖に届けられるこずを倢芋る。 誰かの蚀葉に救われたように、い぀かきっず  たた人間関係や孀独、恋愛、人生、日々の思いなんかも執筆しおいたす。気軜に寄っおもらえる、そんな居堎所になりたい。

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