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アレルギー性結膜炎になったら恋をした

    夜勤で仕事中、なんだか目に違和感を感じていた。かゆい。目を水で洗っても目薬を差しても変わらずにかゆい。仕事をしていれば紛れて忘れていて、朝になれば完治みたいな淡い期待は実らず。仕事を終えてもかゆいままだった。仕事が終わったのが昼の12時で、ネットで眼科を調べると大概が昼休みに入っていて再開は15時とかがほとんどだった。早急に解決に向かいたい私はなんとか今から間に合いそうな眼科を見つけて向かうことにした。15時まで眠気に負けず待ち続けることも難しく、自分自身の電池が切れる前に手を打っておきたかったのだ。

    電車で目的の眼科へ着き。諸々の検査を終えた。何のアレルギーか詳しくは分からないが、アレルギー性結膜炎と診断を受けた。目の痒さから目の周りを掻いたことで雑菌みたいなものも入っている状態とのこと。何にせよ大事には至らず、処方箋をもらって、眼科を出て少し歩き薬局へ。

    薬局へ入ると明るい薬剤師さんが元気に挨拶をしてくれた。ジブリアニメか朝ドラかひらやすみの登場人物か。とにかく純粋そうな雰囲気が溢れ出ていた。処方箋を渡してマイナンバーを読み込んだ。待合室の席に座ると、明るい薬剤師さんが駆け寄ってきて僕の目の前のテーブルに足をぶつけて「イテテ」とか言ってた。最初に書く書類を渡してくれて記入をお願いされた。いつも働く慣れた環境であるはずなのにテーブルに足をぶつける姿が可愛らしくてなんか気になってしまった。そんで書類を書いて渡して、明るい薬剤師さんが名前を呼ぶ。

    「今日はどうされました?」
    「あーなんか、昨日の夜から目が痒くて、それでアレルギー性結膜炎と言われました。」
    「そうなんですねーではお薬の説明しますね。」

    とかなんとか業務的な話をした。その時もなんとなく薬剤師さんを見てたんだけど、まあ可愛い。目が大きくて、背が小さくて、なんか人とのコミュニケーション取るの上手いんだろうなあって感じ。なんかこの人と関わりたいけど、薬剤師さんと世間話するのって難しいよなあ。何か機会を伺いつつも早急に説明は終わり会計へ。支払いをしようとPayPayを開くとなぜか画面が真っ暗になる俺のiPhone。あれ?こんなの初めてだなあ。普通に現金で払えば良いけどなんか話したいなあ。

    「なんかPayPayが真っ暗になっちゃいます」
    「えー!本当ですね!」

    すごい驚いてくれた。リアクションが大きい。可愛い。ありがとう。

    「まあ、現金で払います。」
    「あっはい。ありがとうございます。」

    少し喋れたから満足して現金を出す。すると薬剤師さんは

    「なんか、ここ電波悪いので、そのせいかもしれませんね。すみません。」

    とか謝ってきた。なんて良い人なんだろう。通いたい。ここに通うのってムズイけど。
    少しでも関われて満足した。もう彼女に会うことはないだろうけど、その魅力で今後も幸せな人生を送ってほしいと心から思った。店を出る前にもう一度彼女に礼をしてから出るくらいに好きになってたけど、たぶん1ヶ月くらいしたらもう落ち着いて忘れてると思うから、恋でもない。
    僕の日常には色がない。少しでも色の気配を感じると意識してすぐに好きになる。すぐに好きになって期待して、すぐに冷める。でも恋愛は面白すぎるから俺もみんなも大好きなんだと思う。俺も恋愛未満の事柄を楽しい思い出として昇華して、いつか最高の恋に出会えるように生きていく。

    ねぎしで牛タン食ってた時、iPhone再起動したらPayPay治りました。どうやら薬局の電波の問題では無く、僕のiPhoneの問題でした。いつかまた会えたら

    「僕のiPhoneのせいでした」

    と言いたい。そしたら君は

    「すみません、お名前は?」

    と言ってほしい。

     
     
    '97年北海道生まれ。東京で会社員をしている自称アーティスト。'19年M-1グランプリで当然の如く1回戦敗退。'23年ラップスタア誕生2023でまさかの一次審査敗退。日記として活用中。

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