
高卒ブルーカラー、山手線内側徒歩圏に小さなビル2棟を持つまで。 ⑩ 第9話:【転身】3K現場での「肉体修行」。ブルーカラーの洗礼!!【趣味の言語化】
僕は、後の就職氷河期が世間を覆うその時代に、およそ6年勤めたキラキラのテーマパークを辞めた。
さらなる所得を求めて、ドロドロのブルーカラーの専門職へと転職した。
ここで、副収入は完全に断ち、仕事一本に絞る覚悟を決めたのだが。
同僚の休日出勤を買い漁るように代わっては日銭を稼ぐハングリーな日々は変わらなかった。
「人が嫌がる仕事ほど稼げる」
そう信じて飛び込んだものの、いわゆる3K(きつい・汚い・危険)の職場は、小柄な僕の肉体を容赦なく削っていった。
慣れるまでは、文字通り心身ともに限界だったが、部活時代練習後の「1年水飲むな」に比べれば、と理解しがたい比較を頭の中でしていた。
しかし、この時の苦労には思わぬ副産物があった。
現在もなお、1kmを4分台で駆け抜ける走力と、30kgの米俵を軽々持ち上げられる強靭な肉体。
あの過酷な現場で鍛え上げた、立ちコロ10回ブルース・リーの様な身体は、僕の一生の財産となったのだ。
男だらけの世界を、「趣味」で切り拓く
前職のテーマパークとは、人間関係も真逆だった。
今度の職場は、【飲む・打つ・買う・吸う】を地で行く無骨な男たちの世界。
酒を飲まなくなっていた僕にとって、同性との濃いコミュニケーションは実は苦痛ですらあった。
ここには、忍者や、アベンジャーズは当然いない。
そんな僕を救ってくれたのは、皮肉にも「漫画」「ゲーム」「バイク」「スキー」だった。
共通の趣味を前にすれば、荒っぽい男たちも表情を和らげた。
スキーは交友関係の幅を広げた。かつての仲間から誘いがかかり、そこには群馬の山に別荘を持つ大手鉄鋼会社役員や、行政の課長職といったエリート層がいた。
高卒の僕とは住む世界が違う彼ら。
けれど、スキー場でコブ斜面に挑む技術だけは、僕が圧倒していた。
急斜面を弾かれること無くラインを刻む。
その滑りに、彼らは一目置いた。「すごいな」
その一言が、階層の壁を壊すパスポートになった。
泥にまみれる現場の「自分」と、ゲレンデでエリートと競う「自分」。
この二つの世界を往復する能力「ライフスタイルの多様性」こそが、僕が手に入れた最強の言葉のいらない「対話の忍術」だった。
つづく
いよいよ次回、積み重ねた忍術の成果が、結果となって出てくる。
働いて、働いて、働いて、働いてたら金使う時間無し。ただ淡々と普通を貫いた結果が、次回▢▲〇万円の束
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https://note.com/83nor1/n/ncade15b432e5
第零話:金利という名の「忍術」を知った日。