
ラーメン放浪記
理想の一杯を見つけるのは難しい。
評判のいい店や、行列のできるお店にもいくつか足を運んでみた。
スープは確かにおいしいし、麺にもこだわりを感じる。
けれど、それが私の好みにぴたりとはまるかと言われると、どうにも素直に頷けない。
これは、お店の問題でも、私の舌が肥えているからでもなくて、きっと私の好みによるところが大きいのだと思う。
私にとってラーメンは、“一体感”のある食べ物。
どちらかが主役になるのではなく、スープと麺が互いに寄り添い、境目が曖昧になるくらいに馴染んでいること。
それくらい親和性があると、最後の一口まで気持ちよく食べられる気がする。
けれど現実は、なかなか思うようにはいかない。
どちらか一方だけが際立っていて、もう片方が少し浮いているように感じることが多く、どこかちぐはぐで、食べながら気持ちまで分離していくような感覚になることがある。
だからだろうか。
結局、私がいちばん安心して「おいしい」と思えるのは、カップラーメンや袋麺だったりする。
カップラーメンを手に取り、家でお湯を注ぐ。
数分後、目の前に現れるのは、驚くほど整った一杯。
スープと麺が最初から穏やかに調和し、誰も出しゃばらず、誰も置いていかれない。
静かに、しかし確かに、ひとつにまとまっている。
ついこう思ってしまう。
これでいいのかもしれない。
もちろん、お店のラーメンも好きだし、食べるたび作り手それぞれのこだわりを感じて楽しい。
けれど、私の「好き」にいちばん素直に寄り添ってくるのは、なぜか、はるばる足を運んだお店ではなく、スーパーやコンビニで手に入る一杯だったりする。
それでも私は、また旅を続ける。
いつか、この安心感を軽やかに超えてくる一杯に出会うために。
(…打ち切り漫画の最終回みたいになってしまった)