学校エッセイを届けたい、その理由

明日の文学フリマ東京、初のエッセイ本「先生だってあのね」を手に参戦するわけですが。

本についてくわしくは…↓

わたしは普段、noteで仕事である学校の先生としてのエッセイの他、食べ物、日常、旅etc…気のむくまま書き散らしています。
初の本づくり、なぜ学校エッセイ(+子ども食堂でのこと少し)にしたのか。そもそもなぜ、学校エッセイを書き始めたのか。

過去に書いたことがあるのですが、最近フォローしていただいた方も増えたのでもう一度改めて。(碧魚、たまにはちょっと真面目に語りまーす)

まず、学校とか先生とか耳にして何を思い浮かべますか?

よく世間で話題にのぼるのは、いじめ、不登校、教員の不祥事、モンスターペアレント、学力低下…。そういった話題のように教育現場についてもマイナスのイメージがよぎる方も多いかもしれません。

では先生、働く側としてはどうでしょうか。2021年に教師の魅力を発信してもらおう、と文部科学省からX(旧twitter)で#教師のバトンというハッシュタグが生み出されました。

さて、並んだのは、どんなことばだったでしょうか…?

ずらりと並んだのは、人員不足による学校の立ち行かなさ、保護者からの理不尽な要求、残業代が出ないのに過労死ラインの残業、やってもやっても尽きない業務量、ぶちまけられたのは現役の先生の生の苦しみたち。

もちろん本来の意図であった、先生のやりがいや喜びなどもポストされましたが、数年にわたって、そんな苦しい「現実」がたくさん吐き出されました。

このハッシュタグの内容を見たり、現状を知ったりして、到底自分には出来そうにない、と教員採用試験を受けるのを辞めたり、採用を辞退したりする学生さんも多いと聞きました。そして、このハッシュタグ上に溢れる言葉たちは、わたし自身到底他人事とは思えないことがたくさんありました。

実際のところ、そういった労働環境の中、心身を病んで休職したり、退職したりする先生も後を経ちません。残念ながら実際にわたしの周りでも、何人もの先生がそうやって学校現場を去ってゆきました。

ネットの画像より引用

教員採用試験の倍率は自治体や校種・教科によって大きく異なりますが、今年度また前年度より全国平均倍率は下がってしまったようです。

子どもたちという将来を背負っていく人材を育てる、そんな価値ある仕事の一つなのに(少なくともわたしはそう信じています)今こんなに教育現場は疲弊していて、なおかつ「なりたい」と思える人が減っていく。
そして人員がマイナスになれば、今いる先生たちがその穴をカバーすべく働き、一層疲弊していく。

AIの仕事が増えても、生身の人との関わりでしか、人は育たないのに。子ども時代に、どんな大人に出会えるかで、大きくその子たちの未来は変わっていくかもしれないのに。

そりゃあ、しんどいことも大変なこともたくさんあるけれど、子どもたちと一緒に過ごす日々はこんなにまばゆいのに。

しがない一先生であるわたしが出来ることはなんだろう。

わたしは学級担任を受け持ったときには、たくさんの学級通信を書き、日々の子どもたちの様子や言葉、そして担任の思いを伝えてきました。手前みそではありますが、「連絡事項」にとどまらない「子どもたちの様子や担任の思い」といった温度あることばは、好意的で受け取ってもらえたように思います。

伝えることで、子どもたちの一緒に成長をサポートしてくれるたくさんの保護者に出会えました。そしてそんな保護者の理解が子どもたちや学級の安定に繋がることもありました。

改めて気づいた、思っていることをちゃんと言葉にして伝える大切さ。


でも届くのは、学級の全ての保護者の方に伝えられたとしても1年に30〜40人と、限界があります。

こうやって、エッセイという誰でも読める形にすることで、
へえ、先生の日常ってこんな感じなんや。こんなこと、考えてるんや。
そう学校を身近に感じてもらえるとうれしいです。

そして、今も子どもたちの今そして未来のために奮闘する先生たち。
毎日を過ごすのがやっとで肩で息をきらしている先生たち。
先生になろうかな、とちょっとでも考えている未来の先生たち。
毎日、酸いも甘いも本当にいろいろあるけれど、お互い元気で楽しみながら頑張りましょうね、そんな思いも乗せています。

そして、子どもがいるお母さん、お父さんたちや先生たちだけではなく、わたしは全ての人ーそう昔子ども時代を過ごしたあなたに読んで欲しい。
かつてのわたしは、「大人になる」とは、子どもから大人へと少しずつ違う存在へと変わってゆくものだと思っていました。しかし、今は違うニュアンスを抱いています。大人になるとは、子どもだった自分を真ん中に内包したまま、様々なスキルや感情をその周りにまとってゆくのだと。

あなたが、子ども時代、かけてもらった心に残った言葉はなんですか。
すごく笑ったこと、すきだったことはなんですか。

今のせわしない日常の中で、そんな昔のことは心の中から消えかかっているかもしれない。けれど、確かにあったそんな毎日は、実は今のあなたと深く結びついているかもしれません。今の子どもたちの姿を描いたエッセイを起点として、あなたの子ども時代の温かな「そういえば…」の引き出しが開くきっかけになればな、とも願っています。

わたしは別に、どこかでセミナー講師をしたり、オリジナル性のあるような実践をしたりしているわけでもない、多分本っっっ当にどこにでもいる、普通の先生。
でもそんな「普通の先生」やからこそ、書けるものがあるんかなあ、なんて思っています。

冒頭にあげた、教育現場を取り巻くあらゆるマイナスなこと。
しかし、そうは言っても今日もどこかで子どもたちは新しい学びに、目を輝かせ、思いっきり遊び、今を生きています。そしてその傍には彼らが楽しく、安心して過ごせるように温かな眼差しを注いでいる保護者、先生たち。
どこにでもありそうな、でもたった一つしかない、そんな学校での日常の数々。

エッセイは物語とは違って、フィクションではない誰かの本物の日々の証。
描かれた出来事や思いを起点として、かつての自分に想いを馳せ、今の自分と重ね合わせ、そして未来の自分に想像を巡らせる、そんな力があると思っています。

もしほんのちょっぴりでも、笑ってもらえたら。わたしの言葉が、誰かの気づきや後押し、勇気や優しさに変わるのならば。もしそれらが誰かの行動に変わっていき、めぐり巡って子どもたちの幸せに還元されるのならば。

わたしはことばで誰かと共にあれる書き手でいたい。

初のエッセイ本、今かつて子育てをされた方、現在子どもを育てている方、将来子どもを育てるかもしれない方、子どもに携わる仕事をしている方、そしてかつて子ども時代を過ごした全ての人ー。
多くの方に読んでもらえたらなって思っています。

もし、どんな人が書いているんだろう、
「先生だって、あのね」にはどんな出来事や思いが書かれているんだろう、そう気になった方は、ぜひ明日11月23日、東京ビックサイトで行われる文学フリマ東京 【しー90】ブースにてお待ちしています!

【文学フリマ 東京】
開催
🐠2025.11.23(日)
時間
🐠12:00〜17:00
場所
🐠東京ビックサイト
店名…碧魚文庫 
ブース番号  南3~4ホール【しー90】

今まで書いた学校エッセイをまとめたものはこちら↓


#小学校 #エッセイ




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