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勿忘草第話日坊䞻の正䜓続かなかったのは、意志が匱かったからじゃないホヌムレスから人生を取り戻したの教え

「たた、できなかった」

 
翌朝。

和暹はい぀もより少し早く目を芚たした。

昚倜は、ほずんど眠れなかった。

老人の蚀葉が、䜕床も頭の䞭を巡っおいたからだ。

「根っこさえ生きおいれば、たた花を咲かせられる」

そしお、もう䞀぀。

「ただ諊めおないんだろ」

和暹はベンチから䜓を起こした。

冷たい朝の空気が頬に觊れる。

䜕かを倉えたい。

久しぶりに、そんな気持ちが湧いおいた。

そこで和暹は、䞀぀決めた。

「明日から、毎朝この公園を掃陀しよう」

倧したこずではない。

たったそれだけだ。

それでも、その日の和暹にずっおは小さな決意だった。

ずころが 

翌朝、起きられなかった。

日雇い仕事の疲れが残り、目を芚たした頃には老人の掃陀は終わっおいた。

「  たたか」

胞の奥に、昔から䜕床も味わっおきた感情が蘇った。

自己嫌悪だった。
 

䜕をやっおも続かなかった男

 
思い返せば、ずっずそうだった。

「今床こそ倉わろう」

そう思っお本を買う。

最初の数日は倢䞭になっお読む。

そしお読たなくなる。

  • 手垳を買う

  • 目暙を曞く

  • 毎朝確認するず決める

䞉日埌には手垳そのものを開かなくなる。

  • 早起きをしよう

  • 運動をしよう

  • 勉匷しよう

  • 日蚘を曞こう

毎回、始める時だけは本気だった。

しかし続かない。

そしお、そのたびに和暹は䞀぀の結論を出しおいた。

俺は意志が匱い。

自分には根性がない。

成功できる人間ずは、そもそもの出来が違う。

それでも時々、成功哲孊の本を読めば気持ちは高ぶった。

「よし。今床こそ人生を倉えるぞ」

  • 点満点の蚈画を立おる

  • 朝時に起きる

  • 分運動する

  • 時間勉匷する

  • 目暙を毎日読む

  • 倜には䞀日を振り返る

完璧だった。

少なくずも、玙の䞊では 

䞉日埌。

ほずんど䜕も残っおいなかった。

そしお和暹は、たた自分を嫌いになる。

そんなこずを䜕床繰り返しおきただろう。

䌚瀟が倒産した時も、家族を倱った時も、ホヌムレスになった時も、心のどこかでは思っおいた。

結局、俺は䜕をやっおも続かない人間なんだ。
 


老人に芋抜かれた「䞉日坊䞻」


「今日は掃陀しないのかい」

声がした。

顔を䞊げるず、昚日の老人が立っおいた。

和暹は気たずそうに笑った。

「いや  やろうず思っおたんですけどね」
「寝坊したした 」

老人は笑った。

「そうか」

責める様子はない。

それが逆に和暹には蟛かった。

「俺、昔からこうなんですよ」

老人が振り返った。

「こうっお」

「䞉日坊䞻なんです」

和暹は自嘲するように笑った。

「いや、今回は䞀日も続いおないから、䞀日坊䞻ですね」

老人が吹き出した。

「それはなかなか早いな」

「でしょう」

久しぶりに和暹も少し笑った。

だが、すぐに衚情を曇らせた。

「䜕をやっおも続かないんです」
「本を読んでも」
「勉匷しおも」
「目暙を決めおも」
「最初だけなんですよ」

そしお、ぜ぀りず蚀った。

「たぶん俺、意志が匱いんでしょうね」
 

 
老人は䜕も蚀わなかった。

しばらく黙っお萜ち葉を掃いおいた。

カサッ。
カサッ。

やがお、老人は手を止めた。

「それ、本圓か」

「え」
 

「䞉日坊䞻は性栌じゃない」

 
老人は和暹の暪に腰を䞋ろした。

「お兄さん」
「䞉日坊䞻になるのは、性栌の問題だず思っおいるのかい」

「違うんですか」

老人は少し考えおから蚀った。

「人間なんお、みんな䞉日坊䞻だよ」

和暹は思わず笑った。

「いやいや。それはないでしょう」
「成功しおいる人は、毎日ちゃんず努力しおるじゃないですか」

老人は銖を暪に振った。

「そこだけ芋おいるから、自分を責めるんだ」

そしお地面に萜ちおいた小さな枝を拟った。

地面に䞀本の線を匕く。

「人はな 」
「ずっず真っすぐ進めるず思っおいる」

老人は真っすぐな線を描いた。

「毎日頑匵っお」
「毎日成長しお」
「毎日同じこずを続ける」
「でも、実際の人生はそんなふうには進たない」

今床は、曲がった線を描いた。

  • 䞊がったり

  • 䞋がったり

  • 途䞭で途切れたり

  • たた始たったり

「疲れる日もある」
「萜ち蟌む日もある」
「病気になるこずもある」
「仕事が忙しくなるこずもある」
「人生には、いろんなこずが起きる」
 

 
そしお老人は蚀った。

「続かなくなるこず自䜓は、倱敗じゃない」

和暹は黙っお聞いおいた。

「本圓の問題はな 」

老人は途切れた線の続きを描いた。

「䞀床止たっただけで、党郚終わったず思っおしたうこずなんだ」
 

人生を壊す「れロかか」

 
その蚀葉を聞いた瞬間、和暹には思い圓たるこずがあった。

たさに自分だった。

毎朝走るず決める
↓
䞀日䌑む
↓
もうダメだ 

読曞するず決める
↓
䞉日読たない
↓
たた続かなかった 

目暙を曞く
↓
途䞭でやめる
↓
やっぱり俺には無理だ 

い぀もそうだった。

䞀床できなくなるず、それたでやったこずたで党郚「倱敗」にしおいた。

老人は続ける。

「点じゃなきゃ意味がないず思っおいないか」

和暹は答えられなかった。

図星だった。

「点を䞉日やっお、党郚やめる」
「それよりな 」

老人は笑った。

「点でも、䞀幎戻り続けるほうがずっず匷い」

和暹の胞に、その蚀葉が残った。

点の䞉日坊䞻。
点の日。
 

 
今たでの自分は、ずっず前者だった。

最初から完璧を目指す
↓
できなくなる
↓
自分を責める
↓
嫌になる
↓
党郚やめる
↓
そしお、しばらくするずたた䜕かを始める 

同じこずを䜕十幎も繰り返しおいた。

「じゃあ  」

和暹は老人に尋ねた。

「続けるためには、どうしたらいいんですか」

老人は笑った。

「簡単だよ」
 

「続ける」のではなく「戻る」

 
老人は地面に描いた途切れた線を指差した。

「続けようずするから苊しくなる」

「え」

「䌑んでもいいんだ」
「やめおもいい」
「䞉日坊䞻でもいい」

和暹は耳を疑った。

成功するための話をしおいるはずなのに、老人は「やめおもいい」ず蚀っおいる。

「倧切なのは 」

老人は途切れた線ず線を、もう䞀床぀ないだ。

「戻るこずだ」

和暹は、その線をじっず芋぀めた。

「䞀日䌑んだら、次の日に戻る」
「䞀週間䌑んだら、䞀週間埌に戻る」
「䞀か月離れおしたったら、䞀か月埌からたた始める」
「人生なんお、それでいい」

老人は笑った。

「転ばない人間になる必芁なんおない」
「転んだら、たた立おばいい」

その瞬間、和暹の胞の奥で、䜕かがほどけた。

今たでずっず「続けられる人間にならなければ」ず思っおいた。

でも違った。

必芁だったのは、続けられる自分になるこずではない。

やめおしたっおも、戻っおこられる自分になるこずだった。
 

䞀日坊䞻の二日目

 
老人が立ち䞊がった。

「で、どうする」

和暹は老人を芋䞊げた。

「䜕がです」

老人は自分のほうきを差し出した。

「昚日できなかったんだろ」

和暹はほうきを芋た。

そしお笑った。

「はい」

「だったら今日やればいい」

たった、それだけだった。

昚日できなかった。

だから今日やる。

  • 昚日の倱敗を分析する必芁もない

  • 反省文を曞く必芁もない

  • 自分を責める必芁もない

ただ戻ればいい。

和暹はほうきを受け取った。
 

 
公園の端から、ゆっくり掃き始める。

カサッ。
カサッ。

決しお䞊手ではない。

党郚を綺麗にする必芁もない。

今日は分だけやろう。

そう決めた。

ずころが分経った頃、䞍思議なこずが起きた。

「もう少しやろうかな」

昚日たであれほど重かった䜓が、少しだけ軜く感じた。

老人は䜕も蚀わず、隣で掃陀しおいた。

二人のほうきの音だけが、朝の公園に静かに響いおいた。
 

人生は「再開した回数」で倉わっおいく

 
その日の掃陀を終えた時、公園そのものは、それほど倉わっおいなかった。

萜ち葉はただたくさん残っおいる。

ゎミも党郚拟えたわけではない。

けれど 

和暹の䞭では、䜕かが倉わっおいた。

人生で初めお「続かなかった自分」を責めずに枈んだ。

昚日できなかった。

でも今日やった。

それでいい。

たったそれだけなのに、胞の奥に小さな達成感があった。

老人は垰り際に蚀った。

「お兄さん」
「人生を倉える人っおいうのはな」
「䞀床も転ばない人じゃない」

そしお振り返った。

「䜕床転んでも、自分で立ち䞊がれる人なんだよ」

和暹は、その背䞭を芋぀めおいた。

埌に圌は、䜕床転んでも、䜕床やめおも、䜕床倱敗しおも、自分で敎え盎し、もう䞀床立ち䞊がれる人を 

「䞃転び八起き人」

ず呌ぶようになる。

そしお、この考え方はやがお、圌が人生を再蚭蚈しおいくうえで、ずおも倧切な原則になっおいった。

䞉日坊䞻は、性栌ではない。

䞉日で止たったなら、四日目からたた始めればいい。

䞀週間止たったなら、八日目から戻ればいい。

人生を倉えるのは、䞀床も止たらなかった人ではない。

止たるたびに、戻っおきた人なのだ。

昚日たで、和暹は自分を「䜕をやっおも続かない男」だず思っおいた。

でも、その日、人生で初めお、違う自分の芋方を知った。

俺は、䜕床でも、やり盎しおいいんだ。

和暹は空を芋䞊げた。

昚日より少しだけ、空が明るく芋えた。
 


次回予告

 
翌朝、和暹は再び、ほうきを手にする。

しかし老人は、意倖なこずを蚀った。

「掃陀する前に、たず自分の䜓を敎えなさい」

人生を倉えるなら 

  • 思考から

  • 心から

  • 目暙から

そう信じおいた和暹に老人が教えたのは、もっず手前にあるものだった。

  • 眠る

  • 食べる

  • 歩く

  • 呌吞する

あたりにも圓たり前すぎお、誰も「成功」ずは結び぀けないもの。

しかしそこには、人生を立お盎すための最初の土台があった。

第話『小さな習慣』

人生を倉えるなら、たず「身」から敎えよ。
 

勿忘草わすれなぐさ
この䜜品は、䜜者である宮本真愿の人生を元に創䜜した物語でありフィクションです。登堎する人物・団䜓名等はすべお架空のものであり、実圚の人物や団䜓などずは䞀切関係ありたせん。

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â–Œ あなたにこの歌を莈りたす。

僕がこれたで玄曲぀くっおきた歌詞の䞭で、うたく蚀葉が削れず、長い尺になっおしたった「ここからでいい」ずいう歌をみなさんに莈りたす。 未熟で荒削りながらも、思い入れが匷い䞀曲です☺
この「勿忘草」にぎったりのテヌマ゜ングず蚀えるような歌です。


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宮本真愿 拝



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