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🎊アポロ杯優秀賞🎊おめでと!

    アポロ

    2021/08/19更新 選者の感想を追記しました

    スキ・コメント・で受賞者を祝福してあげておくれ………!!ヾ(・ω・*)ノ↓

    🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟


    アポロの俳句大賞入選句 発表会

    ( 2 )


    🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟


    優秀賞(10句)


    半ズボンすね毛気にする我が息子
    瑠璃星

    半ズボンが季語です。
    瑠璃星さんの長所は日常のささやかなユーモアを正確な言葉に置き換えられるセンスだと思います。
    もしかしたらこの句は瞬間的にできたのかもしれません。題材選びにリアル感があり、全体的には軽妙な調子です。
    息子さんがすね毛を気にしている、ただそれだけの情報しか書かれていませんが、成長期の少年が浮かび上がってきます。

    我が息子、この語によって母の喜びが心持ち冷静である風にも感じ取れます。ここは、 息子かな としても良いですが、 我が息子 と大げさに書いているのがお茶目。笑える。プライベートを客観的にさらりと書くことは、けっこう難しいことです。我が で○。

    よく現在形で書けました。ふだん俳句をしない人はとかく過去形で書きがちです。たとえ過去のことでも句は 今 起こっている出来事や景色を詠む気持ちで作るのが原則。
    その点この作品はちゃんとクリアしてます。

    川柳とも俳句ともいえる、洒脱な作品です。一点だけあげるとすれば、気にする という散文的な表現。ここを何かより面白い言葉に変えてみると、いいかもです。

    でもこれと思えるイメージが浮かばなければ、きっぱり妥協してこのまま。
    瑠璃星さんは自作に対する冷静な目を持っています。クレバーに推敲を切り上げるには、時として諦めが必要です。大半の人は一つの句ばかりに時を費すより、たくさんの句を作る方が上達します。
    心の強さがあるのかな、という気もします。

    散文的に書いては俳句らしくない。そういう指摘を、俳句をする先輩方から受けても仕方ないところはあるのですが、ユニークがそんな短所を補っていますので、もし何か文句を言われたら「でもおもろいやろ」と切り返してやればいいと思います。おもろい句です。

    黒鶫消えゆく緋色残る藍
    折霍

    詩心の洗練された人です。自身のペンネームからして、鶫がお気に入りなのでしょう。
    強く思い入れのあるテーマを材料にして取り組むこの姿勢が素敵です。

    作者の記事では575の節ごとにスペースがありますが、これは必要ありません。俳句は特別な意図がなければ、たて一行で書いてください。noteはフォームが横書きですので、横一行ですね。節を字詰めで書くと見た目にちゃんとした俳句らしくなります。

    この句は、破調読みのできる三段切れです。
    (はちょう。さんだんぎれ。)

    三段切れは575すべての節がすべて切り離された状態のこと。そう、この句の状態です。
    普通の句会では単調として、嫌われやすい。どこか一点は接続詞や接続動詞を使うか、一綴の言葉にするべきでしょう。

    しかし、この句はこう読むこともできます。

    くろつぐみきえゆく ひいろのこるあい。

    計17音、9音と8音の言葉を組み上げた、とても詩的な句と認められます。
    作者の意図を越えた成功だと感じました。

    特別にもう少し書きます。
    この句は複雑なのだ。簡単には語りきれない。
    くろつぐみ で意味を切ってしまうのと、くろつぐみきえゆく まで意味をひっぱることに、どんな違いがあるか。

    前者はそのあとに続く きえゆく が、鶫とは無関係の ひいろ の空を説明する形です。
    後者は空ではなく、黒鶫そのものが きえゆく 形になる。
    この2点、まったく意味が異なりますよね?

    季語の主役性をドラマチックに仕立てるには後者の形を主張しましょう。読み方さえ伝わればメロディアスな作品です。そらの色の変遷に夏の時間の伸び感も表せてるし、三段切れの言い訳もこれで出来上がりです(笑)

    消えゆく 残る は、両方ないしどちらかをひらかなにしてもいいと思います。そこは作者の感性で完成して(記事中のだじゃれ返しね)。


    待つだけで実る恋かよ瓜の花
    天岩御塩→ナオシタヨ💦

    俳号のセンスからして只者ではありません。(ぼくは緊張しています)

    まずざっと読んで、目を引くのはやはり最後の切れ字にあたる かよ です。これは現代語としてそのまま伝わる。
    こんなの置きにきた作者は、今大会中この人だけ。もちろん一般的な俳句では、ほとんど使われない語です。まったくないわけじゃないんだけど。

    他の人がこんな表現は使うまい、と考えての作戦だったでしょう。大会役員が本気で一等賞を狙いにきたかと焦りました。
    句の勢いに作者の命がほとばしっています。
    (ぼくは緊張しています)

    ま。びびって書けない、じゃ叱られますので、続けましょう。

    まつだけで みのるこいかよ うりのはな

    たった二文字の かよ に作者の心情が託されています。威勢ある憤り。成功です。

    瓜の花への問いかけ。ですが本当は花でなくだれかに対する皮肉なメッセージなのかもしれない。ミステリアスなムードです。
    読者の好奇心を煽ろうとする作為はみてとれますが、いたずらのようで好感が持てます。スマートに書けています。

    重要なのは、このミステリアスなムードでありながらも正直に書いている感じがする、というところです。この一句のみで、作った人の個性が、この人のことを知らない人にもかなり伝わります。
    心の強さも弱さも同居してる感がある。人間の危うさと言ってもいい。
    これは実は技術より感性のすぐれた句です。

    前後しました。実る恋 と、瓜の花 の関係です。
    言葉Aと言葉Bとを一つの句の中で合わせること、これを俳句では、取り合わせ といいます。

    ちなみに取り合わせで、全く関係ない2つの意味やイメージのまったく異なる言葉同士を、ばちん、とぶっつけ合わせてみるやり方があるんだ。変化に富む、大技。
    これを二物衝突=にぶつしょうとつ、 (または二物衝撃=にぶつしょうげき、と)いいます。意外性で勝負したい人は試して。

    この作品でのAとBには親和性が認められますが、若干平凡な組み合わせです。近すぎる と言えないこともない。
    しかし全体的な世界観のバランスがすごく整っているし、作者の込めた念を思えば、これ以上は手を加えられません。
    風格ある良句です。

    水筒の栓の固さや初蛍
    菊地洋勝

    水筒の栓の固さや初蛍 軽く無い切り出し握る油照 白服にカレーのあとや病み上がり 男より熱いサドルや土用餅 ピーケーで奪る勝ち点の裸かな 菊池洋勝拝 #アポロの俳句大会 #jhaiku #jsenryu|菊池洋勝|note 水筒の栓の固さや初蛍 軽く無い切り出し握る油照 白服にカレーのあとや病み上がり 男より熱いサドルや土用餅 ピーケーで奪る勝 note.com

    でました。二物衝突。
    水筒の栓の固さ と季語 初蛍 には何の関連もないはずです。しかし、両者が17音の中で奇妙にも美しく、どちらも透明感を保ちながら響き合っています。
    一歩間違えたら大惨事になってしまう高等テクニックを見事にやってのけていますね。
    初蛍をみたい、蛍狩りへ行きたい、でも今は容易に外出できない事情がある。
    その現実世界の葛藤を、俳句というツールを使って幻想的な芸術に昇華しています。これは本当に良くできた、独創の感が強い句。

    水筒の中の液体と、蛍の棲息する川辺に共通する水のイメージが句をまろやかに仕上げています。

    それから、この句には動詞が一つもないこと、みんなは気付かれたかい?

    動きの説明が何と、一切ないのだ。ただ、水筒の栓が固いんだよ、そして初蛍なんだよ、という詩的な書き置きをぽつりと残しただけなんだ。なんて切なくさせる表現か!

    こういった作品の良さは言葉にできません。いいものは良いというしかない。

    選者の本心では銀賞、金賞に選んでも良かったと思います。他の作品がなければ、この句はもう一段高く賞されるところでした。
    選考の最終的な決め手は、選者の好みが大きく影響しています。
    受賞作品のポジショニングにはけっこう気を使ってるし。
    えこひいきじゃなくてね(笑)

    余談としては重要だから、もう一度書く。
    上級者は初心者の多い句会では、なるべく読み解きやすい作品を提出すべきです。

    レベルの高い作品で競う句会や公募はいくらでもあります。
    プロ級の句力を爆発させるならば、レベルの高い人の集まるところで発表すると、よりその句に相応しい評価がもらえるでしょう。
    が、今回は みんなの俳句大会。
    若き読み手をびびらせるような強烈個性は、選者ポリシーによる独断で、ちょっと低い位置に置かれちゃうのでした。悪しからず(笑)

    枯れ鉢に詫びて湿らす夏の果
    青猫

    これは優しさに包まれた作品。綺麗です。
    自宅の庭、マンションのベランダ、場所は読み手に想像させておく。野暮なことは何も書いてありません。

    侘び寂びの趣きがあります。枯れ鉢が枯れ鉢のままでは終わりません。情緒豊かな、俳句となって甦りました。

    作者は枯れ鉢だけに詫びて(謝って)いるのでないように感じられます。
    何かおおきな後悔が、枯れ鉢への愛情に好転しているようです。

    ちなみに、枯るる という冬の季語があります。植物の枯れる姿はふつう冬のイメージを呼び起こす。
    しかしこの句の場合は、さいごに 夏の果 という大きな季節感のある語があるので、全部読んだあとに ああ、きっと夏の暑さにやられて枯れちゃったんだろうな、と納得させる仕組みです。
    なお夏枯れと書くと、急に意味が変わって無茶苦茶になります(笑)

    接続詞の、枯れ鉢 に 。これは へ と変えても良さそうです。 に は、局所的な目線でややドライな感がしますが、 へ とするとより方向性と柔和感が伝わると思います。

    に と へ の使い分けは非常に難しく、選者も作句の際どちらが良いか悩むことしばしば。最終的な判断は文体の雰囲気に合わせて下します。自由派の俳人だと好みの問題だとして深く追求しない人もいる。

    詫びているのは枯れ鉢へですが、そこから湿らすのは夏の果と読めます。夏の果を湿らす。
    このラストに作者は万感を託しました。季節の移り変わりを惜しみつつ、ちいさくなりゆく後悔を抱えつつ、この人は明日も生きていくのです。

    思い出をプールしている安吾さん
    つる

    安吾さんの、安吾 が季語にあたります。僧のことですね。夏の一時期を遊行に出ず、同じ場所で慎ましく暮らす修行僧が描かれています。

    作者は短歌を詠まれる歌人さん。思いをことばに置き換える技に精通しているようです。

    僧が、座禅を組みながら心のなかでは俗世の思い出を プール している。ここでのプールは、一般的な泳ぐためのプールでなく、何かを蓄える意味のpoolです。
    普通のプールだと安吾とかぶって季重なりになるところですが、プールのすぐ後に している と続けることで、謎が解ける仕組みです。

    これの意味わかりますか、という選者への挑戦だったのかも。
    短歌修業を楽しんでいる気持ちがありあり!
    クールに見えてユーモア豊かな人なんです。

    たいへん詩的で美しく、また面白いとも感じ、この作品を優秀賞に選びました。俳句だけしかやらない人がみたら目を白黒させると思います。これが新しい風か!?と(笑)

    俳句には、なにをどう書いてもいいんだと教えてくれるような一句です。ここまで自由な表現となると、目を止めないわけにいきませんでした。

    これからも、あるまま見るままだけでなく、自分のこころを自分の言葉に変えていく楽しさ、忘れないでください。

    君の真似アイスコーヒーブラックで
    100moji

    そのまんまです(笑)
    でもめちゃくちゃかわいいですよね。
    主人公は女の子、まだ相当若い、もしかしたら少女かもしれない。

    好きな男の子のまねっこがしたいのか、気を引くために無理して苦いブラックを頼んだのか。
    ほほえましい。その青春がうらやましい。 

    若い感性を保つには、思い出をアウトプットしなければなりません。どんな出し方かを選べるのが本当の意味で大人ですねー。

    ブラックで、 で最後をくくって正解でした。これで注文したのかな?とイメージさせる。するとカフェの想像にもつながる。○です。

    アイスコーヒーが季語です。夏の飲物、食べ物、題材は至るところに落ちているものです。また好きなものを選んで、俳句にしてみてください。

    夕凪や雲を撃ち抜く航空機 
    かっちー

    一言で言うと、この作品も若いエネルギーに溢れています。雲を撃ち抜く航空機!
    めっちゃアグレッシブな旅客機かも🤣

    思わず絵文字を使いたくなる楽しさがこの句の魅力です。性格がそのまんま、現れているじゃないかと思わされました。

    ぼくの師はよく、俳句の前では嘘がつけない、と言ってました。本気で作ろうとすると、必ず作者の個性、魂が現れる、のだそうです。分析されるのが怖くなったことを、よく覚えています。

    選者なりに、こんな少年のような心がこの人から飛び出したか!と、驚きました。
    でも、ああそうだ、だからいつも面白い人気者なんだ!と腑に落ちた気がしました。

    いつも人を驚かせよう、楽しませようとする作者らしいです。とにかく笑ってくれよ、というハートがまっすぐに飛んでくる句。

    温かい、色でいうとオレンジカラーの雰囲気が感じられます。なんてことだ、です。
    この俳句の中には、異様なまでのユーモア追求精神と人への思いやり、大熱を孕んでいます。

    その才能、これからもみんなのために上手く使ってください。

    これからもよろしくお願いします。


    墓石を掴む空蝉水弾く
    shino

    はかいしを つかむうつせみ みずはじく

    大会の作品では、もっとも影を帯びた一句だったと思います。
    しかしながら、この世界に対する深い愛情も感じました。

    人間を空蝉に例えることがよくあります。
    それほどわたしたちの命は儚いものなんだよ、という意味で。
    あるいはすべて孤独な人ばかりなんだよ、という意味で。

    いや、深すぎる意味の話はやめましょ。
    くどくどしくなって、いじわるな俳句教室の先生みたいになっちゃいけない。

    ここで優れているのは何より 墓石を掴む と、 水弾く の対比です。

    水は生命の象徴であり、光。かなしいお墓も空蝉も、濡れて輝きながら、かけられる水を 弾いて いる。
    命のないものに命の力を宿らせた、良句でした。

    全て終わりのときがくる人生としても、みんな精一杯生きていくのです。
    時には墓石だってつかむし、水だって弾きましょう。

    夏草にたも網持ちて沈みおり
    チコ

    アポロへの挑戦 夏草に たも網持ちて 沈みおり 夏草の 素直さあれば きみを抱く 紫陽花や こころ変わりの 魔性かな 夏の月 はかなく消えし 面影よ 放課後の 居残り悲し 赤点の夏     チコ|チコ|note アポロへの挑戦 夏草に たも網持ちて 沈みおり 夏草の 素直さあれば きみを抱く 紫陽花や こころ変わりの 魔性かな 夏の note.com

    草にじっとしているのは、だれでしょう。
    たも網を持って、何を狙っているのでしょう。
    かなり情報の少ない句ですので、読み手の力が試されます。

    まず場所。これは川辺でいいでしょう。書いていませんが、想像がおよぶ。草よく茂る川なのでしょう。

    沈みおり というからには、そうとう背の高い草なのだと思えます。

    たも網 があるのなら、釣りですね。川で釣れる魚といえば。

    この句もまた、人の想像を掻き立てる余白の使い方がすぐれています。個人的にはもっと分かりやすい句を取りたかったんだけど、最終的に優秀賞としました。

    その力の使い方がとても個性的です。とても面白かったです。

    ☀️

    受賞者各位への感想は、心境や思考の複雑さによって文章の長さがちがいます。
    ご了承ください🍀

    参加してくれてありがとうございました
    m(_ _)m

    アポロの俳句大賞入選句 発表会(3) 銀賞 へつづく↓

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