
⑧考察探究型の授業構想の流れ ー授業は「教材の意味」から設計するー
本稿では、次の内容を説明します。
「何が描かれているか」を越えて、「どのように構成されているか」へ
「なぜこの教材が選ばれたのか」を問う
「考察 → 多面的検討 → 俯瞰」の流れを描く
あらすじ理解ではなく、「素材の姿」をつかむ
「なぜこの教材が教科書に載っているのか」を探る
「抽出・考察・俯瞰」で学びの道筋を描く
「俯瞰する活動」を取り入れて、思考を広げる
1 考察探究型の授業構想の流れ
考察探究型の授業は、教材の内容を理解させることを目的とするのではなく、教材を通して「価値」や「よりよく生きること」を考えることを目指します。
したがって、授業構想を練る視点や手順は、従来の “あらすじ理解型” とは大きく異なります。
従来の授業構想では、教材の順に発問や活動を並べていく方法が一般的でした。これに対して考察探究型では、教材がもつ意味構造と意図を基盤に、授業全体を構想していきます。
授業づくりの流れを一望すると、次の三つのステップに整理することができます。
(1)教材の内容と特徴を整理する
―「何が描かれているか」を越えて、「どのように構成されているか」へ―
まず、教材の内容を丁寧に読み取り、どのような出来事や人物関係、場面構成で成り立っているのかを整理します。
ここで大切なのは、「何が起きているか」というあらすじを追うのではなく、教材の構造や描写の仕方に注目し、その教材がどのような問題提起を内包しているかを見取ることです。
つまり、「あらすじを理解する段階」から一歩進んで、「素材としての教材の姿」を明らかにする段階といえます。
(2)教材が取り上げられた意図を推測する
―「なぜこの教材が選ばれたのか」を問う―
次に、教材が教科書に収められた意図を考えます。
どのような価値を子どもに考えさせたいのか、どのような生き方を描いているのかを読み解く段階です。
たとえば、不節制な生活を描いた教材であれば「節度・節制」の価値、ルールや約束を破る場面を扱う教材であれば「規則の尊重」の価値が見えてきます。
ただし、意図の読み取りは一つに限定しません。
「この教材にはこう読める」「このようにも読める」という複数の解釈を許容する姿勢が、授業者の構想を豊かにします。
その上で、「今回の授業ではどの意図を重視するか」を明確に位置づけておくことが、授業設計の要となります。
(3)意図に基づいて授業の展開を構想する
―「考察 → 多面的検討 → 俯瞰」の流れを描く
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