
Fランの実験嫌いが「学会賞」を獲り、営業代行のプロとして這い上がるまでの仮説検証ルート。
#創作大賞2026 #ビジネス部門
※この記事は、「note創作大賞2026」の【ビジネス部門】に応募しています。
プロローグ:ウサギになれないカメたちへ
どうも!まーさん。です。
今回は、いつもの「寝る前のスキマ時間」にサクッと読めるノウハウ記事とは少しテイストを変えて、私のこれまでの歩みを1本の物語として書き置きしようと思います。
世の中には、生まれつき要領がよくて、何をやっても一発で成果を出せる「ウサギ」のような天才がいます。一方で、学歴コンプレックスに塗れ、不器用で、人一倍泥水をすすりながらしか進めない「カメ」のような人間もいます。
私は、完全に後者のカメでした。
Fラン大学と呼ばれ、周囲からも期待されていなかった落ちこぼれの私が、なぜ研究の世界で「ベスト講演賞(学会賞)」を獲ることができたのか。そして、そこからキャリアをガラリと変え、なぜ今、最も過酷と言われる「泥臭い営業代行」の世界でトップクラスの成果を出し続けられているのか。
その根底にあるのは、スマートな才能ではなく、「なにくそ」という泥臭い反骨精神と、地獄の実験室で叩き込まれた「仮説検証」という名の科学の力でした。
これは、すべての要領の悪い人、今自分のキャリアに迷っている人、そしてテレアポや営業の現場で心が折れそうになっているビジネスパーソンに捧げる、ひとつの泥臭い生存戦略の記録です!
第1章:3Kの地獄から掴んだ栄光 ー 理系研究職マインドの原点ー
私のキャリアの原点は、ある大学の化学研究室にあります。「大学院卒で元研究職」なんて書くと、周囲からは「エリートですね」とか「頭がいいんですね」と言われることが多々あります。しかし、実態はそんな綺麗なものではありませんでした…
私が通っていたのは、いわゆるFラン大学の理系学部。周りを見渡しても、最先端の技術をハックして世界を変えようなどと高い志を持つ学生はほとんどおらず、私もそのうちの一人に過ぎませんでした。
そんな私が足を踏み入れた研究室は、絵に描いたような「3K(きつい、汚い、危険)」の世界。 朝、まだ街が眠っているような時間に研究室のドアを開け、そこから深夜、終電の切符を握りしめて駅に駆け込むまで、ひたすら有機溶媒の匂いが立ち込める密室でフラスコを振り続ける毎日。土日なんて概念はありません。365日、実験データと睨み合う日々です。
ぶっちゃけ、私は実験が大嫌いでした笑。
毎日毎日、仮説を立てては実験し、その99%が「失敗」という文字で返ってくる。昨日まで1週間かけて準備した化合物が、一瞬の操作ミスでただの黒いゴミに変わる。そんな絶望が日常茶飯事の、精神的にも肉体的にもタフすぎる環境でした。何度も「もう辞めてやる!」と嘆いていました。
しかし、私の心の中にあったのは、エリートたちに対する「なにくそ、今に見ておけよ」という強烈な反骨精神でした。
「Fランの落ちこぼれが、有名国公立や有名私立のエリート研究者たちに勝つにはどうすればいいか?」
頭の出来や設備の充実度で真っ向勝負しても勝てるわけがない。ならば、打席に立つ回数(実験量)と、圧倒的な「執念」で勝つしかない。そう腹を括りました。
私が目をつけたのは、マグネシウムを用いた電極反応による有機合成(Intermolecular Carbon–Carbon Bond Formation Followed by Intramolecular Cyclization...)という、非常に緻密な制御が求められる領域でした。
毎日、周囲が呆れるほどの量の実験をこなし、失敗するたびに「なぜ失敗したのか?」「塩化トリメチルシランの添加タイミングがコンマ数秒ズレたのか?」「溶媒のテトラヒドロフラン(THF)の脱水が甘かったのか?」と、原因を細分化してノートに書き殴りました。
感情を殺し、ただ目の前の事象を「データ」として捉え、次の打手を科学的に修正していく。
その泥臭い這いつくばりの結果、ある日、誰も成功させられなかった美しい結晶(環化生成物)がX線構造解析の画面に浮かび上がりました。鳥肌が立つような瞬間でした。
その成果を引っ提げて登壇した学会。周囲は優秀な学生ばかり。しかし、私のノートに刻まれた圧倒的な実験量と、失敗の山から導き出したロジックの強さは、誰よりも強固でした。
結果、私は並み居るエリートたちを抑え、栄えある「ベスト講演賞(学会賞)」を受賞したのです。

Fランの落ちこぼれでも、圧倒的な物量と「仮説・実験・検証」のサイクルを高速で回せば、天才たちと対等以上に渡り合える。この成功体験が、私の人生の強烈な背骨となりました。
第2章:科学でハックする営業の最前線 ー インサイドセールスという戦場ー
研究の世界でひとつの頂点を極めた私が、次に向かったのは、なんと真逆のイメージがある「泥臭い営業代行」の世界でした。
現在は、営業代行会社の人間として、クライアント企業の「一社員」になりきり、毎日何百件もの電話をかけるインサイドセールス(IS)の現場に身を置いています。
「理系の大学院まで出て、なんでテレアポなんかやってるの?」
世間からはそう不思議がられます。確かに、営業、特に電話だけで完結するインサイドセールスは、数多のビジネスパーソンが精神を病んで挫折していく過酷な職種です。毎日何十回、何百回とガチャ切りされ、時には人格を否定されるような暴言を吐かれる。誰もが「根性論」と「運」の世界だと思い込んでいます。
しかし、私にとってインサイドセールスは、あの3Kの実験室と全く同じ「最高にエキサイティングな科学の実験場」でした。
インサイドセールスには、大きく分けて「SDR(反響型)」と「BDR(新規開拓型)」があります。 前者は、すでに自社に興味を持って問い合わせをくれた人に電話をするため、比較的イージーです。たまに、このSDRでアポを量産して「俺、営業の天才だわ」と勘違いしている人がいますが、それはあなたの実力ではなく、会社の看板やプロダクトが優秀なだけです。もしその看板を失ったら、あなたはただの人になります。
私が主戦場としているのは、後者の「BDR(新規開拓型)」。完全な「初めまして」の企業に対してゼロから突撃し、自力で道を切り拓く、最も難易度の高い領域です。
現在、私は普段SDRしか行っていないクライアント企業のIS・FS(商談担当)の立ち上げを任されていますが、完全新規のBDRにおける私のコールアポイント率は「1.3%ほど」をキープしています。
この数字を叩き出せる理由は、私がテレアポを「感情の仕事」ではなく、研究職時代に学んだ「仮説検証の仕事」として捉えているからです。
多くの営業マンは、電話を切られると「怒られた」「ヘコむ」と感情をすり減らします。しかし、私は違います。ガチャ切りされた瞬間、私の脳内はこう処理します。 「なるほど、今のフロントトーク(冒頭のセリフ)の『〇〇率アップ』というワードは、この業界の担当者にはフックとして機能しなかったか。これは貴重な『失敗データ』だ。よし、次の1件はワードを『コスト30%削減』に変えて実験してみよう」
感情を殺し、架電をすべて「実験データ」として蓄積していく。これこそが、私の営業スタイルです。
私が現場のBDRで「完璧にうまくいった」と確信するタイミングは、明確に2点あります。
キーパーソンに「なぜ今、なぜあなたに」という緊急性を持たせてアポイントに繋げられたか。
アポイントの日程が決まった瞬間に、お客様の「内部情報」をどれだけ多く引き出せたか。
特に1つ目の「断られた時の切り返し」において、私が現場で実際に使っているリアルなトークのロジックを公開します。
第3章:ガチャ切りを「対話」に変える質問の具体化ロジック
実際の現場のリアルな空気感を共有するために、私がよく行うトークのロープレ(一例)を記載します。
私:「お世話になります。私、〇〇会社の〇〇と申します。」
担当者:「はい、お世話になります。」
私:「急なお電話になり申し訳ございません。本日ご連絡させていただいたのは、今のご時世に〇〇率(例:社員の定着率など)アップに向けた運用の件で、御社と同業界での成功事例がございましてお電話いたしました。」
担当者:「あー、うちはそういうの、今いいよ。」
私:「(明るくテンポよく)ありがとうございます!ちなみに、今『いいよ』とお断りいただいたということは、すでに御社の中で何か具体的な対策を取られているからでしょうか?」
担当者:「まあ、一応ツール入れてやってるよ。」
私:「そうなんですね!流石でございます。ちなみに、差し支えなければそれはどのような方法になりますか?もしかすると、弊社がご提案しているアプローチとは全く違う、最先端の方法なのかなと思いまして……」
担当者:「〇〇(競合他社)を使ってやってるよ。」
私:「なるほど、〇〇様ですね!であれば、実は弊社とは少し『得意な守備範囲』が違いますので、御社にとっても新しい選択肢として確実にメリットを感じていただけます。実は先日の展示会でも、その競合様の弱点を補うための最新機能を発表させていただいたばかりでして……。 ですので、まずは御社の今の素晴らしいご状況を10分ほど確認させていただき、情報交換のお時間をいただきたいです。〇月〇日、〇時頃のご都合はいかがでしょうか?」
この短いキャッチボールの中に、脳汁が出るほどの営業科学が詰まっています。
多くの営業マンが犯す最大のミスは、断られた瞬間に「なぜですか?」と抽象的な質問をしてしまうことです。忙しい担当者は、頭を使って理由を説明するのが面倒くさいので、結果として「忙しいから!」とガチャ切りを選択します。
私はそれを防ぐために、「すでに何か対策を取られているからでしょうか?」という、相手が「Yes / No」で一瞬で答えられる具体的な質問(クローズドクエスチョン)に変えて実験しています。
もしここで「いや、特に対策はしてないよ」と返ってきたら、私の頭の中では(え、興味ないん?それって現状維持でやる気ないんかな?笑)と突っ込みを入れつつ、「対策をされていないのには、何か特別な理由があるんですか?」と、架電の中で自然に深掘りをしていきます。
こうして、一方的に話しすぎず、相手に考えさせるストレスを与えない「会話のレール」を敷くことで、担当者が「まあ、それなら一度話くらい聞いてみてもいいよ」と心のドアを開けてくれる確率が跳ね上がるのです。
アポが取れたら、そこからがISの腕の見せ所です。 「現在どんなシステムを使っているか?」「その業務に携わっている人は何名いるか?」「運用している際に不便になっていることは何か?」を、流れるようにヒアリングします。
これは、次にバトンを渡す商談担当者(FS)への「最高のエール(トスアップ)」になります。 ただ「アポ件数」という自分のノルマだけを追うサイボーグになってはいけません。 「商談担当の仲間が、どんな情報を聞いておいてくれたら喜ぶかな?」「この企業から成約が生まれ、売上に貢献できるかな?」を、愛を持って想像すること。そのために大切なのが、徹底的な「商材理解」であり「業界理解」なのです。
第4章:ウサギを追い抜く、カメの生存戦略
研究職の3K実験室で学んだ「仮説検証マインド」と、営業代行の現場で磨き上げた「科学的ISトーク」。この2つが掛け合わさった時、私はFラン卒の落ちこぼれカメから、どんな環境でもゼロから数字を作れる「営業のプロフェッショナル」へと進化することができました。
世の中の多くの人は、失敗を嫌います。テレアポで断られることを恐れ、実験がうまくいかないことに絶望します。
しかし、私にとって失敗は「敵」ではありません。次に進むための「ただのデータ」です。
ウサギのように足が速くなくてもいい。要領よくスマートに立ち回れなくてもいい。 大切なのは、誰もが嫌がる泥臭い現場(打席)に立ち続ける根性と、そこで得た失敗の山をロジックという名のシャベルで掘り起こし、確実な一歩へと変えていく「カメの戦略」です。
ビジネスの世界は、長期戦です。一瞬のまたたきで消えていくウサギよりも、最後にゴールテープを確実な足取りで切るカメの方が、圧倒的に強いと私は信じています。
エピローグ:GOOD NEWS TIMESが届けるもの
私が発信しているメディアブランド「GOOD NEWS TIMES」には、ひとつの想いが込められています。
それは、どんなに過酷で泥臭い現実(NEWS)の中からも、自分の頭と足を動かし、ロジックと根性を武器にして、最高の成果(GOOD NEWS)を自分で作り出して掴み取ろう、というメッセージです。
週に4回、全力で外食をして関西の名店をハックするのも、年に2回、手書きの超緻密な計画書を握りしめて海外へ弾丸旅行に飛び出すのも、すべては「自分の人生を、自分のロジックで豊かにハックする」という実験の一環に過ぎません。
(※ちなみに、次の記事ではガラッと雰囲気を変えて、お盆休みに向けた私の「インドネシア×シンガポール」の脳汁決壊弾丸旅行計画書を公開します。現役営業マンが本気で組んだリサーチの結晶ですので、そちらもぜひお楽しみに!)
今、仕事で行き詰まっている人。 テレアポのインカムの重さに押しつぶされそうになっている人。 「自分なんてどうせ」と学歴やキャリアにコンプレックスを抱えている人。
感情を一度横に置いて、目の前の壁を「実験データ」として眺めてみてください。そして、ほんの少し質問の角度を変えて、次の1歩を踏み出してみてください。その瞬間から、あなたの世界は科学的に変わり始めます。
カメの歩みは遅い。けれど、絶対に止まらない。 明日もまた、それぞれの戦場で、最高の実験(しごと)をしていきましょう!
今夜も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
それでは、良い夢を✨