
ハンバーガーは究極の健康食品🍔
ハンバーガーは健康食品である。
こう言うと、たいていの人は一度こちらを見る。
「また変なこと言い出したな」という顔である。
けれど、待ってほしい。ハンバーガーを分解してみれば、そこには実にまじめな食卓がある。
まずパン。炭水化物である。人間が動くための燃料だ。
そこに100%ビーフパティ。肉である。たんぱく質だ。
さらにレタス、トマト、オニオン。野菜まで入っている。
チーズを挟めば乳製品。卵を足せば、もう朝食界の優等生まで参加してくる。
これを一枚の皿に並べれば、誰も文句を言わないはずだ。
パン。肉。野菜。チーズ。卵。
「バランスいいですね」と言われてもおかしくない。
それが上下からバンズで挟まれた瞬間、なぜか体に悪そうな顔をする。
......おかしい。
挟まれただけで不良扱いされるなんて、食材たちも納得していないだろう。
そもそも、ひとり飯にハンバーガーはかなり向いている。
皿を何枚も出さなくていい。箸もいらない。ナイフもフォークもいらない。片手で持てる。食べる順番も考えなくていい。肉、野菜、パン、チーズが一口の中で勝手に会議をしてくれる。こちらはただ口を開ければいい。
ひとりで食べる飯に必要なのは、栄養学の正しさより、手間のなさと納得感である。
そこへポテトがつく。
油で揚げた細いジャガイモ。
これを悪者にするのは簡単だ。けれどジャガイモは野菜である。細く切られ、油をまとい、塩を振られただけで責められる。人間社会は厳しいのだ。
さらに炭酸砂糖水までつく。
これもまた、言い方ひとつで印象が変わる。コーラと言えば罪深い。炭酸砂糖水と言えば理科の実験みたいである。胃の中で泡がはじけ、さっきの肉とチーズを流し込んでくれる。役割としては十分働いている。
つまりハンバーガーセットとは、炭水化物、たんぱく質、野菜、乳製品、芋、糖分、水分をひとまとめにした、非常に合理的な食事なのである。
ここまで言うと、自分でも何を守ろうとしているのかわからなくなってくる。
けれど、ひとりでハンバーガーを食べる時間には、強烈な説得力がある。誰かの好みに合わせない。取り分けない。残りを気にしない。包み紙を開けて、そのままかぶりつく。ソースが横から出ても、レタスが落ちても、自分の責任で処理すればいい。
そういう自由まで含めて、ハンバーガーは完成しているのだ。
健康食品かどうかは、専門家よりも欲してるかどうかである。
心の栄養という基準で見るなら、かなり上位に入るのだ。食べたいものを、食べたい形で、誰にも説明せずに食べる。ひとり飯の幸せは、その雑さの中にある。
パンに肉と野菜を挟んだら健康食品。そこへポテトとコーラを足したら、休日の顔になる。
ここまで来ると、ピザもいい勝負である。
