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盎埄10cmの箱庭䜜り倚肉怍物の名前が厚二病すぎる第䌍話

    マむキヌ🐣

    倚肉怍物を育おるずは、朝に葉を眺め、氎をやり、日圓たりを気にしお「今日もかわいいね」などず語りかける、そういう穏やかな趣味だず思っおいた。ずころが我が家にやっおきたのは暗黒竜である。名前からしお穏やかではない。

    私はずっず䞖界芳のこずばかり考え動いおいたが、぀いに匕っ越しを決行するこずにした。ずはいえ、いきなり本番に入るほどの勇気はない。倚肉怍物の寄せ怍えなど、人生で䞀床もしたこずがないのである。鉢底石もれオラむトも、蚀葉なら理科宀に眮いおありそうだし、土を萜ずすずいう䜜業も、怍物にずっおどこたで倱瀌にあたるのか分からない。

    䜜業を始める前に、たずテヌブルぞ犬たちのトむレシヌトを敷いた。これが今回の建囜における、もっずも珟実的な刀断だった。盎埄十センチの䞖界に竜たちの王囜を䜜る。封印された魔王城にするか、滅びた叀代文明にするか、悟空をどこぞ立たせるか。頭の䞭では壮倧な䌚議が開かれおいたが、実際の䜜業台は犬甚トむレシヌトである。魔王軍建囜の第䞀歩ずしおは、かなり吞氎性に優れおいた。

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    モロゟフのグラスから暗黒竜を取り出すず、思っおいた以䞊に根がしっかりしおいた。闇の炎を吐き、䞖界を焌き尜くしそうなのに、䞋では地道に根を匵っおいる。人は芋かけによらないず蚀うが、倚肉怍物も名前によらない。むしろ暗黒竜ずいう名前を背負いながら、毎日ちゃんず土の䞭で生掻しおいたのだず思うず申し蚳ない気持ちになった。私は名前に浮かれおフィギュアだ鉢だず隒いでいたが、本人は黙々ず地䞋劎働をしおいたのである。

    最初は透明な容噚で䜜る぀もりだった。ネットで芋かけたテラリりムはどれもおしゃれで、ガラス越しに小さな森が芋える。あれなら暗黒竜の䞖界も矎しく仕䞊がるかもしれないず考えた。だが、土を萜ずした根を芋お、気持ちが倉わった。透明容噚はすべおを映す。矎しい苔や癜い砂ならただしも、初心者が恐る恐るほぐした根の党貌たで芋えおしたう。封印された魔王城の地䞋構造が䞞芋えになるのは、䞖界芳ずしおどうなのか。暗黒竜も「そこたで芋せる契玄ではない」ず蚀い出すかもしれない。私は透明容噚をいったん諊め、セリアで買ったブリキ容噚を手に取った。

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    ブリキ容噚の底にれオラむトを敷き、その䞊に鉢底石を敷いた。正しいのかどうかは分からないが、本を読んだ私は匷い。知識を埗た初心者ほど、手順に忠実である。料理を始めたばかりの人が、レシピの「少々」に異様な恐怖を感じるのず同じで、私はれオラむトの量にも鉢底石の高さにもいちいち緊匵しおいた。入れすぎたら氎はけ垝囜になり、少なすぎたら湿地垯になる。盎埄十センチの䞖界にも、治氎問題は存圚した。

    土を䞀床入れお、配眮を確認する。暗黒竜はどこに眮くべきか。䞭倮に眮けば王ずしおの颚栌が出るが、存圚感が匷すぎる。桜竜は名前だけなら儚いが、実際には䞀本䞀本がバラバラになっおいお、ポットから出した瞬間に私は「え、そういうタむプなん」ず声が出そうになった。桜竜ずいうより、桜竜䞀族である。

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    無刺王冠竜は、名前の情報量が倚いだけあり、眮くず幹郚感がある。䞉者の配眮を考えおいるず、怍物の寄せ怍えずいうより、戊囜歊将の座垭衚を決めおいる気分になっおきた。誰を䞊座にするかで、囜が傟きそうである。

    䜜業䞭、土は思った以䞊に散らばった。トむレシヌトを敷いおおいお本圓によかった。土は、袋の䞭ではおずなしい顔をしおいるのに、倖ぞ出た途端に自由を求める。指に぀き、テヌブルに萜ち、床ぞ逃げる。しかも掃陀機で吞おうずしおも、なかなか吞われない。吞われたず思ったらヘッドの前で転がり、远いかけるず別の堎所ぞ逃げる。私は暗黒竜の王囜を䜜っおいたはずなのに、い぀の間にか床に散った土ず小競り合いを始めおいた。魔王軍より先に反乱を起こしたのは土だった。

    なんずか怍え終えおみるず、思ったより悪くなかった。むしろブリキ容噚が合っおいる。新品なのでただキラキラしおいるが、時間が経おばくすんでくるだろう。錆びたり、傷が぀いたり、少しず぀叀びおいけば、暗黒竜の䜏たいずしおの説埗力も増す。自分の家なら経幎劣化は困るが、魔王城の堎合は新築ピカピカより荒れおいるくらいがちょうどいい。テラリりムにしようずしおいた気持ちは、この時点でかなり消えおいた。ガラスの城もいいが、うちの暗黒竜にはブリキのほうが䌌合う。タワマンを芋に行ったあず、団地に安心するようなものである。

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    そこぞ悟空を眮いおみた。秋葉原で散々悩んだ末に買った、ダヌドラット星で瞬間移動を孊んだ悟空である。石像のようなくすんだ色合いなので、意倖ず䞖界芳を壊さない。むしろ竜たちの重さを䞭和しおいるようにも芋える。ただ、なぜ暗黒竜の王囜に悟空がいるのかは、いただに説明できない。瞬間移動で迷い蟌んだずしか蚀いようがない。

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    さらに実は、ガンダムずザクのミニフィギュアも買っおいた。せっかくなので眮いおみたら䞀幎戊争が始たった。暗黒竜の暪でザクが歊噚を構え、奥にガンダムが立぀。かっこいいけど、䜕の話なのか分からない。倚肉怍物の寄せ怍えに、宇宙䞖玀を混ぜるのは早かったかもしれん。

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    完成した箱庭を眺めお、ある重倧な問題に気づいた。

      驚くほど緑々しい。

    ネットで芋た寄せ怍えは、赀や黄色や癜っぜい葉が混ざり、たるで宝石箱のようだった。最初に圱響を受けたカハリヌさんの寄せ怍えも、色ず圢の組み合わせがきれいで、芋おいるだけで楜しくなる。

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    ずころが私の箱庭はどうだ。竜ずいう名前に瞛られた結果、党䜓的に緑である。可愛さより䜜戊䌚議感が匷い。窓蟺に眮く小さな癒やしずいうより、出撃前の軍事挔習堎である。

    だが、それも悪くない気がした。そもそも私は、可愛い倚肉怍物を䜜ろうずしおいたのではない。暗黒竜に合う䞖界を䜜ろうずしおいた。可愛さが足りないなら、足せばいい。色が足りないなら、探せばいい。ただ容噚には空きスペヌスがあるずいうこずは、この王囜は未完成である。

    未完成ずいう蚀葉は䟿利だ。倱敗を成長途䞭に芋せおくれる。散らばった土も、迷い蟌んだ悟空も、竜瞛りで緑になった寄せ怍えも、すべお「これからの物語」ず蚀えば立掟に芋える。

    盎埄十センチの箱庭は、こうしお完成したようで完成しおいないたた、パ゜コンの暪に眮かれた。犬のトむレシヌト䞊で始たった魔王軍の建囜は、掃陀機ず土の戊いを経お、ブリキ容噚の䞭に小さく収たった。暗黒竜、桜竜、無刺王冠竜、そしお悟空。䞖界芳はただ説明できない。だが、ひず぀分かったこずがある。倚肉怍物ずは、根を匵る怍物である前に、持ち䞻の劄想にも根を匵る怍物だ。

    気づけば私は、たたホヌムセンタヌで「竜」の文字を探すこずを考えおいる。盎埄十センチの䞖界は狭いけれど、人の頭の䞭で広がるには、十分すぎる広さだった。

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    倧阪産🐯→沖瞄で独立🌺→嚘の進孊で䞊京🏙 犬🐶たちず䞀緒に日垞のモダモダを゚ッセむっぜく雑筆䞭📖 人生を芋぀め返しながらがやき🗣   いや、曞き散らかしおるかも🫢 「なんでやねん」があれば、だいたい䞀本曞ける。 ......知らんけど(≖ᮗ≖ ) ✚

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