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読曞感想 『生きおく工倫』 南䌞坊    「昭和のスタむルで、珟圚の老いを描く」

     久しぶりに、南䌞坊の本を、それも幎だから、最近、出版された本を芋぀けお、読んだ。

     そこには、「昭和軜薄䜓」ずいわれたたたの文章があるように思った。

     私にずっおは、バブルの頃幎代末に絶頂を迎えおいた印象のある文䜓だった。
     な぀かしい気持ちになった。

    「生きおく工倫」

     昭和軜薄䜓ずは、幎代末から幎代初頭にかけお、怎名誠や嵐山光䞉郎らが築き䞊げたずいわれおいるが、個人的には、嵐山の文末で「なのである」を「なのでR」ず衚蚘しおいたのを芚えおいる。軜めの文䜓ずいわれおいお、あたり本を読たない頃の、私のような人間にも、読みやすかった印象があっお、䞖玀の末には、雑誌のコラムなども含めお、思った以䞊に倚く読んでいたはずなのだけど、そのこず自䜓を、時間がた぀に぀れお、忘れがちになっおいた。

     ただ、その嵐山の「R」に関しおは、今でも居酒屋などの前に出された朚補の看板などに「〇〇ありたす」ずいうのを「あり「」ず衚珟されおいるのを芋るけれど、これ自䜓は、かなり昔からあるはずで、「なのでR」も、実はこういう歎史を螏たえた系譜にあるのかもしれないず、思ったこずもあった。

     そうした「昭和軜薄䜓」は、くだけた話し蚀葉ずいう意味では、䜕回目かの、分かりにくい蚀文䞀臎䜓運動かもしれず、今は、たずえば新曞は、著者が話しお、それを本にする、ずいう方法が倚いずも聞いたこずがあるので、それは、すでに広く浞透しお芋えなくなっただけで、消えたわけではないのかもしれない。

     そしお、南䌞坊も、その「昭和軜薄䜓」を代衚する曞き手の1人でもあったず蚀われおいた。さらに、この著者を特城づけおいるのは、独特の味わいのあるむラストも描くむラストレヌタヌであり、以前は、本人が積極的に「むラストラむタヌ」ず名乗っおいたような蚘憶もあった。


     読み始めるず、内容の前に、そのカタカナの倚さに、な぀かしい思いになったのず同時に、急に昔のマンションに入っおしたったような戞惑いにも䌌た気持ちになり、「あ、これもカタカナにしおいる」などずいう邪心が入っおしたい、内容に集䞭できない郚分もあった。

     そういう郚分だけ取り䞊げるのは、読み方ずしおは、邪道だず思うのだけど、挢字の方が読みやすいのではないか、ず思われる蚀葉もカタカナで衚蚘されおいる。ただ、これも「昭和軜薄䜓」の特城ず断蚀はできないが、少なくずも、南䌞坊の特城だったず思い出せた。

     たずえば、こんな蚀葉を、カタカナにしおいる。

    「劻」→「ツマ」
    「困っおいる」→「コマっおいる」
    「驚く」→「オドロク」
    「難しい」→「ムズカシむ」
    「簡単」→「カンタン」
    「憂鬱」→「ナヌツ」
    「普通」→「フツヌ」
    「歳」→「トシ」

    内面を芋せない文章

     そしお、これは「昭和軜薄䜓」だけでなく、ある皮の曞き手の文章は、私自身の奜みや偏芋も入っおきおしたうのだけど、自分のスタむルや倖面的なこずは語っおも、内面的なこずが芋えにくい、ずいう特城があり、南䌞坊も、そうした曞き手の1人であったこずず、文章のスピヌドがゆっくりしおいた、ずいったこずも含めお、冒頭の郚分で、いきなり思い出せたりもした。

     はじめに
    「生きおく工倫」っお、芋ようによっちゃあ「ずいぶん倧きく出たな」ずいう題です。
     でも、圓然ですが、工倫の「お手本」を瀺そうなんお倧それたこずを蚀う぀もりではないので、私は、この「工倫」するっおいうのが奜物なんです。
     なんか、せこい「工倫」を」思い぀たり、考えたりするのが奜きなので、なにかず工倫したす。   䞭略 私の堎合も、びっくりしたり、あわおたりしたそのたたを曞いおいるんで、「どたばた」報告ずしお、ちょっず笑えるかもです。


    亀友関係ず仕事

     さらにいえば、南䌞坊のキャリアが「元・ガロの線集長」ずいうこずを、私のような、それほど熱心でない読者でも知っおいお、それは、本圓に「䌝説の」ずいう蚀葉が䌌合う挫画雑誌の線集長だから、そこに、すごみをおがえおいるのず同時に、昭和のバブル期には特に目立ったのかもしれないが、いろいろな人ず䞀緒にいお、その亀友関係の印象も匷い。

     南䌞坊自身は倚匁でなく、察談などでも、聞き手ずしお口数少なく、ひょうひょうずしお、ガツガツしおいない姿勢が奜感を持たれたこずもあるはずだった。そうしお、耇数の人間がい぀も䞀緒にいるむメヌゞで、そこで仕事も回っおいるように芋えたのが、特に昭和の頃の印象でもあった。その亀友関係で、もっずも有名なのは、「ガロ」の線集長時代からの友人でもある糞井重里で、この本で、觊れられおいる箇所もある。
     それは、思い出の堎面でのこずだった。

      友人の糞井重里さん䞭略
     「䜕が怖いか」っお話だったず思うが糞井さんが突然、
    「拷問」
    ず蚀うので笑った。

    団塊の同䞖代に向けお、老いを䌝える

     文䜓も、そのスタむルも、おそらく倉わらなかった南䌞坊だったがゆえに、特に幎代になっおからは、衚舞台で脚光をあびる機䌚は少なくなっおいたのかもしれない。ずいうよりは、曞き手ずしお、䞀時期、人気があっお、本も売れれば、それだけで、すごいこずでもあっお、それを維持しお䜕十幎も保おる人間は、奇跡的な存圚に過ぎない。だから、そうした浮沈は、ごく自然なこずでもあったのだけど、自分の近況を、こんな颚に曞いおいお、それは、珍しく内面的な郚分が珟れおいるず思えた。

     い぀も幎のこずばかり考えおるみたいに思われそうですが、そんなこずはないので、近頃は「なんずなしに曞いおる゚ッセむ」みたいなものを、䞖間はほずんど興味をもっおくれないらしく、それでなくずも本がちっずも売れないずこにもっおきお、ずおもそんな圹立たずな本は出したくないずいうんで、出版瀟の人ず疎遠になっおたした。
     めずらしく興味を持っお䞋さったのが、読者察象を「団塊の䞖代」にしがった出版瀟で、なんでもない内容の本を、こんなタむトルで出すこずになった。

     南䌞坊は、「老い」をテヌマずしお、「オレっお老人」を幎に、「おじいさんになったね」を幎に出版し、それに続くように、この「生きおく工倫」が出版されおいる。

     「生きおく工倫」は、代埌半から、代になっおいく著者が、自らの「老い」に぀いお曞いおいお、それは、「老い」に぀いお曞きながらも、圓然ながら、老人になっおいくのは、誰にずっおも初めおの経隓で、誰もが、ただ老人ではないず思いながら歳をずっおいく郚分も曞かれおいる。

     そしお、この時期に、急に䜓のあちこちが調子が悪くなる様子も、率盎に描かれおいるので、私自身も含めお、これから長生きした堎合の先人の蚘録ずしお、かなり重芁性は高い。

     そう思い぀぀も、どこかで、読んでいる自分は違う老い方をするのではないか、などず傲慢にも思っおしたうこず自䜓が、すでに自分も「老い」に向かっおいる蚌拠なのだろう、などず考えさせられる本でもある。

     ぀たり私は、ほんずはずいぶん前からお爺さんだったのにもかかわらず、毎朝顔を掗う時に鏡の顔を芋ながら、
    「そヌんなに、おじいさんじゃない」ず、思っおいたのである。 

     同時に、この「老い」をテヌマに、団塊の䞖代ずいう同䞖代に向けお曞く、ずいうこずで、南䌞坊の仕事自䜓が増えおきおいるような気配もある。

     この本のもずになっおいるのは、「きょうの健康」の幎間の連茉で、途䞭から、珟代の空気に頻繁に觊れたせいなのか、線集郚の芁望なのかは定かではないが、カタカナで衚蚘するスタむルが枛少した印象になる。それでも、最終回に近づくず、たたカタカナ衚蚘が増えおくるので、このバブル期をほうふ぀ずさせる文章スタむルには、想像以䞊のこだわりがあるのかもしれない、ず思わせる。䜕しろ「生きおいく工倫」ではなく「生きおく工倫」ずいうタむトルに、そうしたメッセヌゞもこめられおいるように思えるからだ。

     「昭和軜薄䜓」などずいわれおいた他の著者の方々の、珟圚の本を読んでいないので、それほど断蚀もできないものの、もし、昭和の時代の、特にバブル期の気配を味わいたい方であれば、南䌞坊の文章は、比范的、そのたたの気配を閉じ蟌めおいるように思える。

     さらには、これから「老い」に向かっおいく方にも、私もそうですが深刻すぎずに読めるずいう矎点があるので、準備ずいう意味でも貎重だず思う。そしお、もちろん、同䞖代である団塊の䞖代の方が、読者のボリュヌムゟヌンであるのは、動かないず思うし、その䞖代にずっおは、な぀かしく安心できるスタむルなのかもしれない。これだけ䞀貫しおいる南䌞坊のブレのなさは、今になっおみるず、本圓に貎重だず思えおくる。



    参考資料

    りィキペディア

    昭和軜薄䜓 https://ja.wikipedia.org/wiki/昭和軜薄䜓

    南䌞坊 https://ja.wikipedia.org/wiki/南䌞坊


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    幎月投皿開始。珟圚、蚘事数は玄。「曞くこずが、仕事になる」を目指し、幎月からは、毎日、noteに投皿を続けおいたす。暮らしたわりの出来事を、曞くこずが倚くなりたした。東京郜圚䜏。

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