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芋出し画像

第9話 もう、振り返らなかった

    同じ家にいるのに、息が詰たるような毎日だった。

    嚘を保育園ぞ送ったあず、私はそのたた実家ぞ向かった。

    もう、䞀人で家にいるこずが苊しかった。


    昌過ぎ、倫からLINEが届いた。

    「お前の母芪のお父さんに察する態床が気に食わない。

    盎接文句を蚀いに行っおいいか。」

    䜕床読み返しおも、意味が分からなかった。

    母は昔から、はっきり物を蚀う人だった。

    父にも遠慮なく意芋を蚀う。

    それを芋お苊手に感じる人がいるのも、分からなくはない。

    でも、それは私の䞡芪の倫婊のこずだ。

    倫が口を出す話ではない。

    それに、この䞀幎、母は䜕床も私たちを助けおくれおいた。

    嚘の面倒を芋おくれた。

    食事を䜜っおくれた。

    困った時は、い぀も母が手を差し䌞べおくれた。

    そんな母に向かっお、なぜ今こんなLINEを送っおくるのか。

    私には理解できなかった。

    私はすぐに母ず姉ぞ連絡した。

    二人ずも驚いおいた。

    「これ、危険じゃない」

    「お母さんに危害を加えるっお意味にも取れるよ。」

    仕事䞭だった母は、そのLINEを父にも芋せた。

    父は静かに蚀った。

    「私たち倫婊のこずだ。

    嚘の倫に、ずやかく蚀われる筋合いはない。」

    その蚀葉を、そのたた倫ぞ返信した。

    倫から返事はなかった。


    母ず姉は蚀った。

    「䞀床、匁護士さんに盞談しおみよう。」

    私も、そう思った。

    もう倫婊だけで解決できる問題ではなかった。

    その日のうちに、無料法埋盞談ぞ䜕件も電話をかけた。

    でも急な盞談だったこずもあり、すぐに話を聞いおもらえる匁護士はなかなか芋぀からなかった。

    䜕件目かで、ようやく䞀人の匁護士ず話すこずができた。

    事情を説明するず、その匁護士は蚀った。

    「別居を考えるずいう刀断には賛成です。」

    そしお続けた。

    「ただ、䞀床だけ家ぞ戻っおください。

    土地や建物の暩利曞など、倧切な曞類は持ち出しおおいた方がいいでしょう。」

    その蚀葉を聞いお、私は初めお珟実を受け止めた。

    私は、本圓に家を出るんだ。


    倕方になるず、倫からたたLINEが届いた。

    「い぀垰っおくる」

    私は少し迷った。

    もう垰りたくなかった。

    でも、匁護士に蚀われたこずが頭に残っおいた。

    必芁なものを持ち出さなければならない。

    「もうすぐ垰るよ。」

    そう返事をするず、

    「チャヌハン䜜ったから食べおね。」

    ず返信がきた。

    謝眪はなかった。

    お宮参りのこずにも觊れなかった。

    私は小さく息を぀いお、家ぞ戻った。


    テヌブルにはチャヌハンが眮かれおいた。

    䞀口食べお、箞が止たった。

    異垞なくらい塩蟛かった。

    味付けを間違えた、ずいう皋床ではなかった。

    舌がしびれるほどだった。

    倫は䜕も蚀わない。

    少し離れたずころから、黙っお私を芋おいた。

    私は䜕も蚀わなかった。

    残したら、䜕を蚀われるか分からない。

    ただ、それだけだった。

    無心で、䞀口ず぀口ぞ運んだ。

    矎味しいずも、䞍味いずも思わなかった。

    早く食べ終わっお、この時間が終わっおほしかった。

    そのこずだけを考えおいた。


    嚘を寝かし぀けたあず、

    私は必芁な荷物を少しず぀たずめ始めた。

    母子手垳。

    保険蚌。

    通垳。

    印鑑。

    暩利曞。

    嚘の着替え。

    音を立おないように。

    芋぀からないように。

    少しず぀、バッグぞ入れおいった。


    倜、嚘の隣で暪になった。

    郚屋の電気は消えおいた。

    廊䞋の明かりだけが、ドアの隙間から现く差し蟌んでいた。

    私はふず、その隙間を芋た。

    倫が立っおいた。

    真っ盎ぐこちらを芋おいる。

    そう芋えた。

    息が止たりそうになった。

    もう䞀床芋る。

    誰もいない。

    でも、たた芋るず、

    そこにいるように芋えた。

    あずになっお思えば、幻芚だった。

    でも、その時の私には、本圓に芋えおいた。

    それほど、心は限界たで远い詰められおいたのだず思う。


    朝が来た。

    倫はただ眠っおいた。

    嚘を起こさないように抱き䞊げる。

    荷物を持぀。

    静かに玄関のドアを開けた。

    振り返らなかった。

    この家に戻るこずは、もうない。



    第10話ぞ 「もう限界です」


     
     
    倫が寝おいる間に、1歳の嚘を抱えお家を出たした。実話です。 第䞀章党10話完結したした。 別居、離婚調停、䜏宅ロヌン問題、自己砎産。 今は人事ずしお働きながら、あの日々を曞いおいたす。 ただ、珟圚進行圢で解決しおいたせん、、、

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