メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bybostonmio

大手企業アラフォー管理職の皆さんへ1on1どうしたらいいの?|ここから始める第一歩

    創業100年を超え、正社員数1万人を超える
    大手企業で人事の仕事をしていました。

    制度を作ったり
    人事労務の担当ではなくて、

    若手従業員の人事面談をしたり
    管理職向けに1on1セミナーをしたり
    キャリアのワークショップをしたり
    理念研修をしたり
    コーチングの研修をしたり

    そんな仕事をしていました。

    ミミミ

    もともとは研究職。

    研究や実験は自分に合っていないのでは?
    とぼんやり思いつつ、
    この分野に従事すること十数年・・・

    定年までこの仕事は無理!
    と思いながら、3人目の育休復帰後
    これまでの自分の業務を振り返り
    来年もやりたいことってなんだろう・・・
    と、考えてみたら。

    浮かんできたのが「研修」でした。

    社内で、ワクワクするような研修を
    自分で企画し、講師として登壇する部署が
    人事本部にあることを知り、

    そんな仕事がしたくて、

    コーチングスクールに通ったり、
    キャリアの学びをしたり
    研修設計を学んだり。

    異動希望を出し続けて、
    満を持して希望の部署に異動して
    社内でキャリア転換。
    そのとき、36歳でした。


    希望を出して、この部署に来たんだからと
    いうこともあり、

    主に若手の離職防止につなげるための
    人事面談や
    研修講師として登壇するセミナーの
    企画運営は

    異動してすぐから任されました。

    若手従業員の人事面談で
    本社の人事として話を聴き
    そのリアルな声を反映させて、
    管理職向けの1on1セミナーを
    実施してきました。

    これがありがたいことに大好評で、
    若手からの面談満足度は
    5点満点中平均4.7。

    管理職向けセミナーの満足度は
    5点満点中平均4.5でした。


    私が今日書いていくのは、大きくこの2つ。

    ①面談での若手の声とセミナーでの管理職の声を
     両方聴いてきた私だからこそわかったこと

    ②1on1を実施している管理職のみなさんに
     まず第一にやってほしいこと



    特に1on1で悩むアラフォー管理職の
    皆さんの力になれたら嬉しいです^^

    ちょっと、読んでいてザワっとする
    部分があるかもしれません。
    特に頑張っている管理職の方ほど。

    是非そこも客観的に、
    なんでこの表現に自分は引っかかるんだろう
    と思いながら

    1万字を超えて長くなってしまいました。
    それでも最後まで読んでいただけたら
    幸いです。


    目次はこちら

    1.上司部下の1on1の現状

    2.人事面談からみる若手の本音

    3.一定数は3年以内に辞めてしまう

    4.工場勤務の若手|鈴木さんの場合

    5.退職するか残るかの決め手は何か?

    6.何でもかんでも中間管理職問題

    7.1on1セミナーに参加した管理職|野村さんの場合

    8.エンゲージメントをあげるには?

    9.終わりに


    1.上司部下の1on1の現状

    1on1に対する若手の声
    まず1on1に対する若手の声をご紹介します。
    これは、管理職向けのセミナーを開催するにあたり、
    部下である若手の従業員にアンケートをとったときに
    上がった声です。

    ・何を話したらいいのかわからない
    ・話したとしてもどうせわかってもらえない
    ・1on1って上司が話す時間
    ・上司が嫌いだからこの時間自体が苦痛

    これを管理職向けのセミナーでお伝えすると、

    /
    まあそうだよなー

    いやいや、何話したらいいかくらい自分で考えろ

    あー確かにほぼ俺が話してるわ
    ďźź

    なんて声が聞かれます。

    読んでくださっている管理職の方も
    似たよう感じかもしれませんね。

    1on1に対する管理職の声
    セミナー開催にあたり、管理職の方にも
    アンケートをとりました。
    管理職の方からはこのような声が聞かれます。
    かなり具体的に書いてくれる方もいます。

    ・何をどこまで聞いたらいいのか悩む
    ・聞き出しちゃっても自分に対処できるかわからない
     例えば辞めたいとか、他部署に異動したいとか
     言われても、自分には何にもできないから
     ついどうでもいい話に終始しちゃう
    ・沈黙にならないように自分が話しすぎちゃう
    ・優しく聴くだけではダメだと思うし、
     どういうスタンスで聴けばいいのか迷う

    このあたりの、若手の声と上司である管理職の声を
    セミナーで紹介すると、管理職の皆さんは
    ひと盛り上がりします^^


    人的資本経営と言われるようになって数年。

    「一人一人にもっとパフォーマンスを発揮して
     もらいましょう!

     そのためにも1on1で本音を聞き出して、
     モチベーション高く働いてもらいましょう!

     会社として、従業員のキャリア自立を
     しっかりと支援していきましょう!

     コーチングの手法でも使って、
     もっと頑張らせることできるでしょ?」

    と、丸投げされて困惑している現場の状況が
    ありありとわかる。

    そもそも管理職自体が
    あれもこれも任されている。
    (これは昔から言われてるけど)

    そこに、
    部下をもっと頑張らせるのも
    あなたたちの役割ですよ!
    そのためにしっかり1on1やりなさい!

    は、しんどいと思う。


    たくさんの企業の人事が集まる交流会にいくと、
    他の大手企業も同じような話を聴く。

    うちは、この方法で
    1on1バッチリうまくいってますよ!
    という人事担当者には会ったことがない。

    1on1で悩んでいる管理職のみなさん。
    安心してください。
    どこも同じです^^

    でもここで終わっては仕方ないので、
    次章は、私が実施する若手の人事面談で
    若手はどんな本音を話してくれるのかを
    紹介します。


    2.人事面談からみる若手の本音

    いや、人事が面談するからって
    本音で話してるとは限らないでしょ?
    そんな声が聞こえてきそう・・・

    それはその通り。

    でも、実際に話を聴いていて
    ああ本当はこう思ってたんだねと
    本音を話してくれているように
    私には見えることもあるし、

    屈強そうに見える20代の若手が
    話してるうちに
    涙を見せることもまれではない。

    いったんここでは、本音とさせてください。

    多くの若手が話してくれること

    「自分の市場価値ってどのくらいなのかなって
     不安になります」
    「自分が周りに比べて成長できてるのかなって
     不安になります」

    このような発言はとても多い。

    不安はある


    ここで頑張りたいのかもわかんない

    同期や近い先輩には
    話せることと話せないことがある

    同期もライバル
    友達みたいな面もある
    心配させたくない

    いつも元気な自分でいたいから
    弱みは見せたくない

    否定はもっとされたくない

    わかってほしい
    でも、わかってもらえると思えない

    面談ではそんな葛藤も話してくれます。


    3.一定数は3年以内に辞めてしまう

    ここ数年は、優秀な学生は大手企業には
    就職を希望しないなんて言われたりする。

    やりたいことで自分の力を発揮する前に、
    組織の一員として、
    誰でもできるようなことをやりきって
    一人前にならないといけない。
    そんな企業に就職したくないという
    就活生の声を聞くこともある。

    ギクリとすることもあって耳が痛い。

    それでも、メーカーに就職する若手は
    何らか、ものづくりに関わりたかったり、
    誰かと一つのものを作り上げることに
    喜びを感じる人であることが多い。

    どの若手も、
    就活で自分自身に向き合い、
    ここを居場所として頑張ろうと思って
    入社してきている。

    そんな若手の
    入社の時には希望に満ちて
    キラキラとしていた瞳が、
    2年目の面談でうつろに曇っていることに
    気づくときがある。

    次章は、その若手の話です。


    4.工場勤務の若手|鈴木さんの場合

    生産の部門で入社した鈴木さんが
    配属されたのは大阪の工場だった。
    東京生まれ東京育ち。
    線の細い、端正な顔立ちで、イケメンの部類に入る。
    理系で大学院卒。

    生産部門の総合職は、若手のうちは
    全国各地の工場の配属になることが多い。

    鈴木さんもそのうちの一人だった。

    面談のはじめに私が自己紹介をすると
    うなずくこともなく、真顔で聞いている。

    スンとした塩対応。
    イケメンも相まって、
    スン度がより高く感じる。

    自分の評価をする上司の前では
    忖度をしたり、
    それなりに上手に振る舞う若手でも、

    「この面談は評価面談ではないので
     何を話しても大丈夫です」

    と言われる人事面談では、
    初めて会う人事の面談担当者にスンとした
    態度になることが、ままある。

    私は年に1回たった1時間会話するだけの
    人事の面談担当者なので、
    はじめの自己紹介で関係を作るところが
    ポイントになるのだけど、
    その話はまた今度。

    お互いの自己紹介まで終わって、
    やっと少し打ち解けた。


    「仕事で、これまでやってきて本当によかったー
     って感じる最高が10点満点だとすると、
     この1年は、直感で何点ですか?」

    アンガーマネジメントなど
    ざまざまな場面で使われる
    スケーリングという手法を使って質問する。

    10点満点で点数をつけて、
    現状を客観的に整理するのだ。

    「直感で」などのワードをつけているのも
    実は意味がある。

    上司からすると、10点中このくらいかな?
    というような
    他者から見た自分でもなく、

    同期や、世間の同世代の中ではこのくらいかな?
    というような
    誰かと比べての自分でもない

    自分の気持ちに目を向けてもらうように
    質問している。

    「うーん、7点くらいですかね」

    不思議と、7点くらいという若手は多い。
    なんとなく可もなく不可もなく。
    安心できる無難な数字な気がしている。

    「へえ、7点^^その理由教えてください」

    色々聴いていくと、
    ・この1年で自分ができるようになったこと
    ・任せてもらった委員会の話
    ・先輩との関係・・・
    いろんな話をしてくれる。

    先輩の話をしながら、だんだん顔が曇ってくる
    のがわかった。


    「本当は・・・
     3個上の先輩からかなりご指導いただいていて、
     10点満点でいうと2、3点かもしれません」

    「そっか、そうなんだね。」

    「かなりご指導いただいているっていうのは?」

    言っていいものか。
    どこかから話したことが漏れないか。
    なんと表現したらいいのか。

    鈴木さんが一瞬でいろんなことを考えているのが
    表情から分かる。

    「改めてお伝えするけど、私からこの話を
     誰かに言ったりすることはないから大丈夫です

     面談の実施記録は工場にお伝えするけど、
     この内容までは書かないから。

     そして話したくないことは話さなくて大丈夫です。
     言っちゃったけど、やっぱ違うみたいなのも
     大丈夫。安心してくださいね」

    少しでも安心して欲しくて、そう伝える。

    この人なら話しても大丈夫かもって
    思って欲しい。

    というのは、
    工場のためとか、
    会社のためとか
    これが私の仕事だから
    ということよりも

    こんな表情になるくらいつらいことは
    どこかで話せた方が楽になるはず

    と、目の前の鈴木さんを見ていて思うからだ。

    すると、鈴木さんは、
    ぽろぽろ涙を流しながら、
    これまであった「ご指導いただいている」話を
    聴かせてくれた。

    パワハラ問題に発展するかもとか、
    これは問題にした方がいいとか
    そういうことはいったん脇において、
    鈴木さんの話を全力で聴く。

    鈴木さんがここまで抱え込んできた
    ということだけに着目して、話を聴く。

    本人は相当つらかっただろうなと思った。

    ひとしきり話を聴き終わって、
    鈴木さんの表情を見る。

    どこか、すっきりした表情に見えた。

    「話してみて、どう?」

    と聞いてみると、

    「こんなこと、人事の人に言うのも
     あれですけど・・・
     自分はここでやれてもあと1年かなって
     思いました」

    おおう、そっか。

    「工場に面談の実施記録は提出するから、
     工場長と総務担当が見る権限あるものなんだけど、
     なんか書いてほしいこととか、
     サポートして欲しいことはありますか?」

    鈴木さんに聞いた。

    「うーん、あと1年って区切りつけたら、
     自分で今の気持ち伝えてみようかなと、
     思えました。

     今話したことは、記録には書かないでほしい
     ですけど
     鈴木が、工場長と総務課長さんと話したい
     って言ってたと伝えてもらうことはできますか?」

    鈴木さんは、そう言った。

    「もちろん。
     上司の同席はなしでってことだよね?」

    「はい、上司はその先輩とも仲がよいので・・・」


    これもよくあると思った。
    課やチームの人間関係にトラブルがあっても、
    上司がその該当する人物と仲がよかったり、
    その人を評価しているように見えて、
    どうせ分かってもらえないと思うから
    話さないという選択をする。

    客観的に見ると
    そこがチームのボトルネックになっているのに
    気づかない(もしくは気づいていても対処しない)上司と
    言わない部下の構図ができあがっていて、
    1on1でも表面的な話しかされない。

    こういう話を聞くたびに、
    もったいないと思う。


    結局鈴木さんは、勇気を出して
    工場長と総務課長に話をしたが、
    分かってもらえず、環境も変わらず、
    1年後を待たずして退職を決めた。

    非常にもどかしいが、
    私が出しゃばって工場長に話したり、
    実態を視察しに行ったりすることはできない。

    工場からすると、
    人事本部が若手からの話だけ聴いて
    こっちの若手育成に口出してきたと
    なりかねないし、

    人事本部の私の役割は、
    年に1度話を聴くだけだからだ。


    退職の情報を耳にしたとき、
    私は鈴木さんに連絡をした。

    鈴木さんは、私と話す前から実はずっと
    退職を考えていたとのことだった。
    そのくらい先輩との関係や
    職場の環境がつらかった。

    でも誰にも言えなかった。

    「面談がなかったら、
     工場長にも総務課長にも話せずに、
     多分メンタルダウンしてたんじゃないかと
     思います。

     でも、面談で工場長に話す勇気をもらって、
     工場長も何回か話は聴いてくれたんです。

     そのこと自体はよかったんですけど、
     結局現状は変わらなかった。

     ここでやれることはもう充分やったかな
     って思えたので、退職を決断できました。

     こんな結果になってしまって申し訳ないです。
     でも、ありがとうございました。」


    こんなとき、とっても悔しい気持ちになる。

    せっかく話してくれた。

    工場長や総務課長にも本人が自分で話した。
    でも、この会社に見切りをつけて
    退職した鈴木さん。

    会社に貢献したい
    ここを居場所にして頑張りたい

    若手の面談をしていると、
    こういう想いを
    大なり小なりすべての人から感じる。

    鈴木さんもそうだった。

    このような残念な離職を一人でも減らしたくて
    管理職のみなさんにお伝えしたいことを
    このあと書いていきます。


    5.退職するか残るかの決め手は何か?

    鈴木さんの退職が社内で公開情報となってから
    大阪の総務課長から連絡が来た。

    「鈴木さんの件、
     面談など多くの支援をいただいたのに、
     このような結果になり申し訳ありません。
     工場長も交えてざっくばらんに
     会話しませんか?」

    総務課長がそう言ってくれて
    打ち合わせの機会をいただいた。


    どんな話になるかなと思っていたら、
    工場長が、開口一番こう言った。

    「まあ彼はちょっと合わなかったかな」

    どういうことだろう?
    そう思いながら質問していくと

    「このくらい耐えられて普通」
    「このくらいでへこたれてたらやっていけない」
    という言葉が出てきた。

    この言葉にはこういう背景があった。

    自分も(もっと)大変だった
    つらいことはたくさんあった
    それを乗り越えて今がある
    (時代的にも、パワハラ当たり前だったと
     容易に予想できる)

    ここで私に強烈に伝わってきたのが、

    だからお前(鈴木)も大変な思いをしろ
    それを乗り越えてこそ一人前
    という信念だった。

    きれいに言うと、
    若いうちの苦労は買ってでもしろ
    それがお前のためだということである。

    この信念があると、
    若手が勇気を出して苦しさを伝えても
    「それくらい普通」
    「それを乗り越えるべき」
    という思いが管理職側に出てきて、
    若手の苦しみを傾聴できない

    なんなら説得が始まったり、
    しまいには、説教になっていたりする。

    このような信念は、
    工場長にとって当たり前すぎて
    自分がこんな信念を持っているとは
    意識していない。
    というか気づいていない。

    一方で、
    残念なことに
    こういう信念(俺も苦しんだからお前も苦しめ)
    をもっている人なんだな
    ということはほぼ確実に若手に伝わる。

    すると、

    若手の中に、
    ここではわかってもらえない
    (というか苦しめられる)
         ▼
    ここは自分の居場所じゃないのかもしれない
    という気持ちが積み重なっていく。

    今回、さらに恐ろしいのが、
    すでに鈴木さんは直属上司に対して
    そういう信念を感じていて

    言っても無駄だと思ったから、
    工場長と総務課長に話したのに、
    二人とも同じじゃんとなったことだ。
    (あとからそのようなことを教えてくれた)

    自分に関わる主要な管理職がみんな
    「お前も大変な思いしろ」
    と思ってるのが伝わってくるのに、
    そんなところでやっていくなんて無理。
    そうなったら、退職を選択するのは
    ごく自然なことだった。

    *もちろん、これ以外にも若手退職の決め手はありますが
     いったんこの部分にフォーカスしています


    私も(もっと)大変だった
    だからお前も大変な思いをしろ
    それを乗り越えてこそ一人前

    という信念を持っている管理職は思いのほか多い。

    今回の大阪の工場長のように
    そのことに気づいていない人も多い。

    管理職の皆さんに覚えておいてほしいのは
    若手がつらい現状を話すのは
    まずはわかってほしいから。

    現状が仮に変わらなかったとしても、
    話を聴いてくれて、
    分かってもらえたと感じられたら
    自分で現状を変えていく行動をとることもある。

    成長のために、大変な思いをすることが
    あるのは若手だってわかっている。

    それでも、今つらいんだ、大変なんだって
    現状をありのまま話すことができて、
    それを親身になって聴いてくれる人がいて
    さらに一緒にどうしていくかを
    考えてくれると思えたら、

    ここを自分の居場所にして、
    もう少し頑張ってみようかなと思えるのだ。

    表面上話を聴いて、
    わかるよー大変だよね、のあとに
    でもさーと言われたら、
    ああ、やっぱりわかってもらえなかった。
    となってしまうのだ。

    だから、私が管理職のみなさんに
    毎回伝えてきたのは、
    1on1のノウハウやスキルの前に
    まず、若手の話を否定せずに聴くこと。

    どんなに、
    うなずいて
    柔らかい笑顔で
    優しく受容的に話を聴いたとしても

    「でも」

    の否定が入ると、
    ここまで聴いてくれたのも
    結局説得するためだったのか。
    と若手は余計にがっかりしてしまう。


    若手が会社に残る選択をするときの決め手は
    ここが居場所だと思えること

    誰かがありのままの自分を受け入れてくれて、
    分かってもらえたという感覚があると、
    そこは若手にとって居場所になる


    売り手市場の今、
    特に若手にはいくつもの選択肢がある。
    大手企業の場合は尚更。

    自身の成長のためには大変なこともあると
    十分に分かっている若手が、
    それさえも引き受けて頑張っていこうと思うのは
    そこが自分の居場所だと思えた時なのだ。


    6.何でもかんでも中間管理職問題

    さて、ここからは管理職側の視点です。

    いつの時代にも発生しているこの問題

    ・人的資本経営
    ・エンゲージメント向上
    ・1on1の推進

    これらの言葉が出てきてから、
    この問題は加速しているように思う。

    アラフォー世代以上の
    多くのみなさんにとって、
    これまで、キャリアとは
    会社が用意するものだったはず。

    とにかく会社の期待に応えることと、
    家庭をまわしていくことに必死だったはず。

    自分自身に十分に向き合う余裕なく
    必死でここまでやってきた
    それこそ、多くの理不尽にも耐えてきた。

    それなのに

    これらの言葉がでてきて、
    経験もスキルもマインドも
    未熟な若手の本音を聴いて
    受容して共感して
    組織へのエンゲージメントは高く
    仕事へのモチベーションも高く
    最高のパフォーマンスを発揮して
    成長してもらうために

    部下全員と1on1をする!?

    やってられるかーーーーー!!!

    と、大爆発するのも当然だと思うのです。


    7.1on1セミナーに参加した野村さんの場合

    私が主催するセミナーでは
    傾聴の一番はじめは
    受容ですとお伝えしています。

    ミミミ

    これは昨年、グループ会社の管理職向けに
    90分のセミナーをしたときの話。

    わかる~と同調しなくていいので
    そのまま、
    「そっか、そう思ってるんだね」
    と、メンバーの言葉を遮らずに
    受け止めてください。

    遮られたり、否定されると、
    この人には分かってもらえないとなって、
    有意義な1on1にはなりにくいからです。

    個人が特定されないように、
    鈴木さんの例なども交えながら
    受容について話していった。

    ミミミ

    そのとき、
    会議室に一番乗りして
    最前列の真ん中に座り
    終始真剣なまなざしで参加していた
    野村さんが手を挙げた。
    アラフォーの女性管理職で、私の3年先輩だ。


    「部下を受容しなくちゃいけないのはわかります。
     それがないと、
     そもそも1on1で話してくれない
     ってことですよね?
     それでは、1on1の時間が無駄になるので
     わかります。

     ただ、部下は私の子ではありません。
     親だったら、子どもの人生に
     少なからず責任があるから
     受容して共感して、
     何がやりたいのって親身に聞いて
     それを応援したり、環境を整えたり
     すると思います。

     でも上司は親ではありませんよね。
     そこまで、上司がやらなきゃ
     いけないんですか?
     じゃあ、私たち上司側のことは
     だれが受容してくれるんですか?」

    ここである。

    このnoteで私が伝えたかったこと。

    受容されていると感じていない管理職が、
    部下を受容することはできないのだ。


    むしろ、

    社会人なんだから
    会社員なんだから
    〇年目なんだから

    自分でこの逆境に耐えて
    ここまであがってこい

    私が大変な思いをして
    ここまできたように
    お前も大変な思いをしろ。
    それに耐えて、こっち側になったら
    仲間にしてやる。

    年間で500名以上の管理職に
    セミナーをおこない、
    多くの管理職から、
    この気持ちを感じ取ってきた。

    そう、大阪の工場長が持っていた
    信念と同じである。

    先にも書いたが、
    私が管理職(本部長クラスから係長クラスまで)
    から感じたこの気持ちを、
    上手に言語化はできなくても
    私が面談をする若手も感じ取っているのだ。

    この状態で、
    エンゲージメントが上がるわけない。

    残念ですよねってことが
    書きたいわけではありません。

    私が支援した組織の中には、
    たった1年でエンゲージメントが
    5ポイントアップした組織があるので、
    このあとは、その話を書いていきます。


    8.エンゲージメントを上げるには?

    私が人事として支援した
    社内の300名ほどの組織では
    たった1年でエンゲージメントが67から72に
    なったところがある(100点満点中)

    全社員参加のワークショップ実施や、
    若手の継続コーチング企画などで
    様々な支援を実施したが、
    エンゲージメントアップにつながるための
    第一歩は一体なんだったのか。

    それを最後に書いていきます。

    これがなくてはエンゲージメントの改善や
    高い状態を維持することはできない
    一番根幹になる部分。

    それは上司が受容され、

    満たされているということ


    え?と思うかもしれませんが、
    ここまでせっかくお付き合いいただいたので、
    ここで終わらずぜひ最後まで読んでください。

    そして、一度ご自身に目を向けてみてください。
    だまされたと思って。
    質問に答えてみてください。


    ①これまでの会社員人生で、
     自分が受容されたと
     思えるときはどんな時でしたか?

    いや、会社で受容されたことなんてないし
    と、感じる方もいるかもしれません。

    それは本当でしょうか?

    耐えてきたことが多すぎて、
    上司や先輩など
    厳しい人に当たったインパクトが
    強すぎてそう思ってるのかもしれません。

    部下を受け止める側の管理職である皆さんが、
    自分自身の記憶や認知に、本当にそうだっけ?
    と向き合ってみる。
    これが第一歩なのです。

    あーこのときは受容されてたな
    と、明確に言語化できる人も、

    受容されたことなんてないと感じて、
    あらためて自分に向き合ってみた人も
    次のステップはこちらです。

    ②自分にとって、受容されるって
     どういうこと?
     これを言語化してください。

    こちらも当然、自分自身に
    向き合う必要があります。

    ネットで検索しても、
    AIに聞いてもよいのですが、
    あなたが、あなたの体験の中から
    「受容される」って私にとってはこういう状態。
    と、表現できることに意味があります。

    管理職向けのワークショップでは
    このようなこともやっていきます。

    ここで自分自身に向き合った管理職の方は
    部下への関わり方が変わります。

    発言内容が変わっていくので分かります。

    そしてその変化は
    エンゲージメントの数値として
    たった1年で成果として表れました。


    とはいえ、
    ここまで書いていて今思うこと。

    多くの管理職が、
    だるー、そんなことやってられっか
    と思っているだろうなということ。

    そりゃそうですよね。
    私が、人事に行く前の研究職の部署で
    管理職になっていたとして、
    こんなこと言われたら、絶対思いますw

    こんなことしなくても
    従来のマネジメント方法で
    今50代の人は乗り切れるかもしれません。
    なんとなく体感的に。

    でも大手企業のアラフォー管理職の方は
    すでにお気づきだと思いますが、
    ここに向き合う必要が出てきます。

    仮に今40歳だとして、定年を65歳と仮定して
    そこまで勤めあげるならなんとあと25年もある。
    書いていてびっくりするけど
    ここから、四半世紀・・・

    さすがに、自身をアップデートしないと
    部下のマネジメントは苦しくなる。
    これまでの方法では、
    部下が辞めてしまう。
    自分は散々忖度してきたのに、
    してもらえない。
    部下の機嫌をうかがわないと
    仕事が回らない。

    という状況になってしまう。
    (すでになってる方もいるかもしれません)


    部下は確かに家族ではない。
    管理職の野村さんが言っていたように、
    部下は自分の子供ではない。

    けれど、

    受容できない上司の下で
    頑張ろうと思う精神の持ち主は多くない。

    分かってくれる人がいない環境では、
    安定だけを求めて最低限の力で
    ぶら下がって生きていこうとする人か、
    悩んだ末に辞めてしまう人が増えていきます。

    もともと体育会系出身で、
    苦しい環境にも耐えてきたような若手でも、
    同じ耐えるなら、
    もっと分かってくれる人がいるところを
    選びたい

    となる。
    鈴木さんがそうだったように。

    そして、
    SNSではそんな苦しみに耐えなくても
    自己実現して自分より稼いでいる同世代の
    情報があふれている。

    あらゆる選択肢がある中で、
    あなたの会社で
    あなたの部署で
    若手が頑張りたいと思う理由ありますか?

    すごくグサリと刺してしまった気持ちに
    なりますが、
    若手の退職は、この理由がなくなったときに
    起きるのです。


    9.最後に

    ここまで読んでいただき、
    本当にありがとうございます^^

    私は、せっかくやりたい仕事に
    キャリア転換しましたが、
    夫の転勤により家族で引っ越すことを決めて、
    新卒から約16年勤めた会社を辞めました。

    せっかく退職したのだから、
    やりたいことやろう!と思って過ごしていますが
    色々考えて、今回このnoteを書くことにしました。

    頑張りたい若手と、
    若手に頑張って欲しい管理職が
    少しでもうまくいくといいなと思って
    書きました。

    書きながら、私はやっぱりこの仕事が
    好きなんだなと思い出しました^^


    私がいたような伝統的な大手企業の
    アラフォー管理職のみなさんが、
    ストレスをなるべく減らして
    マネジメントを進めていくためには、

    まずは

    自分自身が受容され、
    部下のことも受容できるようになっていく
    この流れが必要である
    と心から思います。

    管理職の皆さんこそ、
    まず先に
    受容されて、満たされて欲しいのです。

    これまで、たくさんたくさん
    頑張ってきたんだから。

    自分を犠牲にして部下のことを
    受容しようとは、しなくてよいのです。


    管理職の皆さん。

    自分が受容されてない!
    と嘆く前に(嘆いてからでも)
    第一歩として、
    自分自身に目を向けてみてください。

    自分が誰かから受け入れられる
    存在だったことを思い出すことで、

    部下にも受容される環境が必要で、
    自分が受容できる存在に
    すでになっていることに
    気づけるはずです。

    でも、

    この自分に向き合うって
    自分の恥部に向き合うようで、
    痛かったり、怖かったりする。

    なかなか一人ではむずかしかったり、
    だるくてやらなかったりするので、

    ワークショップ形式で
    時間をしっかりとってアウトプットできたり、
    継続的にサポートさせてもらえた
    組織はエンゲージメントが
    目に見えて上がったのだと思います。

    これを読んでいる皆さんも、
    先ほどのワークをしっかりやっていただければ
    少しずつでもちゃんと
    エンゲージメント向上につながります^^


    改めてお伝えしますが、

    受容されていない(と思っている)上司が、
    部下を受容することはできないのです。

    だって、どうやって受容したらいいか
    わからないから。

    自分を犠牲にして、
    自分自身に向き合うステップを踏まずに
    部下を受容しようとすると、
    これまで必死に頑張ってきた自分が
    暴れ出すかもしれません。

    苦しさを訴える部下を前に、
    そんな生ぬるいこと言ってないで、
    苦しいことに耐えろ!
    こっちだって必死に自分を犠牲にして
    やってんだよ!
    って。


    だからこそ、まずは自分に向き合って
    皆さんが受容されること。
    それがスタートです。


    そしてその次が皆さんの部下であることを
    覚えておいてください。



    部下は受容されることで
    ここを居場所だと思い、
    逆境にも耐え、真価を発揮します。


    部下を頑張らせたいなら、

    そうは思ってなくても
    それがあなたの役割なら

    まずはあなたが受容されて、
    その次に、部下を受容してください。


    多くの若手は、自分の市場価値に
    不安を感じています。
    若手に限らず、すべての人にとって、
    この先はどうなるか分からないものだけど

    経験、スキル、マインドが未熟な若手は
    自身が先輩や上司と比べて
    まだまだであることは十分に分かってます。

    スンとしている塩系の若手も、
    人なつっこいビッグマウス系の若手も
    人の顔色ばっかり伺ってそうな
    気弱っぽく見える若手も

    じっくりと話を聴いてみると、
    みんなここを居場所にして頑張りたいと
    思っていることが伝わってきます。

    みなさんの部署の若手も、
    ここへ来た初日は期待に満ちあふれ、
    緊張しつつも、
    ここで頑張るぞーと
    ワクワクしていたはずです。

    そんな若手を本当の意味で
    輝かせることができるのは
    他でもない、上司であるみなさんなのです^^


    応援しています!!!
    最後まで読んでいただき、
    本当にありがとうございました♪


     
     

    39_time

     
     
    39歳|転勤妻|小5,小2,年長のママ|初めての名古屋|料理が好き|仕事を辞めて、好きなことをやって生きていく一歩を踏み出す期間です。揺らぐ気持ちや日々のことをつづります^^

    あなたへのおすすめ