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やっと手にした二人の時間①#短編小説


彼の手が震えていた


小さくぶるぶると。


「大丈夫?


あなたの手震えてる。」


私は驚いてそう言った。


「いつもだよ。


君とする前はいつも緊張する。」


そうなの?と思って、私はさらに驚く。


自分に自信を持つ男らしく、自分の強さを誇らしげに話すいつもの彼は、一体どこへ行ってしまったのだろう?


私はおかしくて心の中で少し笑う。


「リラックス、リラックス。」


そう言って、バスルームの鏡の前にいる彼の背中を優しくさする。


彼がふーっとため息のように、大きな体に残っていた息を全て外に吐き出した。


「かわいい奴め」


と思いながら、彼にはわからないように私は下を向いて微笑んだ。


彼の安心した様子を確認してから、手を繋いで寝室へ向かう。


その後は、ただ素晴らしい時間だった。


何度も何度も訪れる波に飲み込まれながら、私は宇宙をさまよう。


彼は私の波に飲み込まれないよう、必死で自分をいさめながら、私に歓喜を与え続ける。


私の目を見つめながら、何度も「ジュ テーム(愛している)」と彼はささやく。


私は何とか「モワ オシ(私もよ)」と答えるが、すぐ目を閉じてしまう。


それを繰り返しながら


どこまでも続く高揚感に気が遠くなりそうになったところでやっと、全てを投げ出して解放の波に巻かれる。


真っ白になり、脱力してシーツの上に倒れこむまで。


あとはそのまま


私の荒い呼吸と彼の力強い鼓動が聞こえるだけ。


最高に心地いい時間が、明るい午後の日差しの中で過ぎていく。


待ちに待った二人の時間。


私達のバケーションは、今始まったばかりだ。


文章&Canva画像
by Kinua





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