
夢の中のおとこの子【散文詩】
目が覚めると誰も居なかった。
夢の中で出会った男の子が愛おしくて。
もう一度会ったら、今度はぎゅーっと抱きしめよう。
顔を合わせればケンカをしてしまう兄弟。
怒るというより、距離を離したかった。
いいんやで。
すべてを受け入れんくても。
だけど、あらわにすることもない。
優しさの裏返しと甘えたい心模様。
「無理に今、理解しなくていいから」
ふっとほどける目の奥に光が宿る。
目が覚めるとそこには誰もいなくて。
あの柔らかな光だけが脳裏に焼きついていた。
ふと、思い出す命を絶ってしまったあの彼は
今どこで何を見つめているのだろうか。
特別な関係ではない彼を忍ぶ昼下がり。
窓に映る影がゆらゆら揺れている。