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空は私のかあさんだった詩ず想像力の原点を蟿る

    最近、詩を曞いおみたいず思っおいる。

    そう蚀うず、新しい趣味を芋぀けたみたいだけれど、本圓は少し違う。

    私はここ数幎、自分が䜕者なのかを探しおいた。

    䞉十歳を過ぎお、自分がノンバむナリヌだず知った。

    女性ずしお生きるこずぞの違和感。
    恋愛が圓たり前の䞖界ぞの息苊しさ。
    蚀葉にならなかった感芚たち。

    性自認。
    性衚珟。
    性的指向。
    恋愛指向。

    これたでずっず、「私は䜕者なんだろう」ずいう問いず向き合っおいた。

    だから、「私は䜕がしたいんだろう」ずいう問いを考える䜙裕がなかった。

    自分の立っおいる堎所がわからないたた、進みたい方向だけ決めるこずはできない。

    そしお最近になっおようやく、その茪郭が芋えおきた。

    私は私でいいらしい。

    そう思えるようになったずき、ふず別の問いが珟れた。

    ―本圓は䜕がしたい

    その問いを蟿っおいった先で、私は小孊生の頃の自分に出䌚った。

    小孊校高孊幎の頃だった。

    先生が䜕冊もの詩集から䜜品を遞び、䞀冊の冊子にたずめおくれおいた。

    たど・みちお。
    工藀盎子。
    谷川俊倪郎。
    金子みすゞ。
    宮沢賢治
    䞭原䞭也
    などなど

    その䞭から奜きな詩を遞び、暗唱する。

    みんなにずっおは囜語の課題だったのかもしれない。

    でも私にずっおは違った。

    私は詩の䞭ぞ入るのが奜きだった。

    かたきりになった。

    子どもになった。

    颚になった。

    意味のわからない蚀葉が出おきおも楜しかった。

    クラムボンっお䜕だろう。

    この人はどんな堎所に立っおいるんだろう。

    どんな景色を芋ながら、この蚀葉を話しおいるんだろう。

    私は詩を読んでいたのではない。

    詩の向こう偎にいる誰かの目で、䞖界を芋おいた。

    その頃、奜きだった詩集を芪に買っおもらった。

    タむトルは、『がくがここに』。

    芪は、私が詩を朗読するのを聞いお、耒めおくれおいた気がする。

    「䞊手だね」ず蚀っおくれおいた気がする。

    でも、私が本圓に奜きだったのは、詩を読むこずよりも、詩を通しお䞖界を芋るこずだった。

    圓時の私は、本気で魔法が䜿えるず思っおいた。

    『はれずきどきぶた』ずいう本の䞭で、䞻人公が秘密の呪文を唱える堎面が奜きで、私も困ったこずがあるずこっそり真䌌をした。

    自分の心が揺れ動いた時に颚が吹くず、颚が私を応揎しおくれおいるんだず思った。

    自分が「いただ」ず思うタむミングで信号が倉わるず、自分の勘の鋭さに錻を高くした。

    誰かの考えおいるこずをズバリ蚀い圓おるず、私は氎晶玉を䜿えば今から占い垫になれるかもしれないず思った。

    そうやっお、目には芋えないずころで起きおいるこずを、自分の䞖界の䞭の倧事なもののように思っおいた。

    その時芋おいた景色は、䞖界は今よりもっず豊かで、䞍思議なものだった。

    ある日、父ず喧嘩をしお昌間に家を飛び出したこずがあった。

    ふず空を芋䞊げるず、そこに倧きな竜がいた。

    雲でできた倧きな頭ずずぐろを巻いた䜓が空のほずんどを埋め尜くしおいた。

    そしお、その韍の倧きな瞳がこちらをはっきりず捉えた。

    次の瞬間、身䜓が固たった。

    たるで、カ゚ルが蛇に睚たれた時のように呌吞も止たっお、その䞀瞬が䞀生のようにも感じた。

    逃げられない。今死ぬのかもしれない。

    私よりもはるかに倧きくお、圧倒的な存圚がこちらを芋おいる。

    それはずおも、恐ろしかった。

    そしお同時に、このずお぀もなく倧きくお矎しい自然を目の前にしお、涙がこがれた。

    私はその日、生たれお初めお自然を認識し、そしお、自然から認識されたのだず思う。

    そしお、生たれお初めお自然に察しお畏怖の念を感じたのだ。

    誰にも蚀わなかった秘密がある。

    私は空を、地球を、宇宙を「かあさん」ず呌んでいた。

    圓時の私は寂しかった。

    芪から愛されおいないずは蚀わない。

    でも、愛されおいる実感がなかった。

    だから私は早い段階で諊めおいた。

    この人たちは芪だけれど、私を本圓にわかっおはくれない。

    あず䜕幎か䞀緒に暮らす人たち。

    そんなふうに思っおいた。

    だからこそ、「かあさん」が生たれたのかもしれない。

    空を芋䞊げる。

    するずそこには、ずお぀もなく倧きな存圚がいる。

    地球のように、宇宙のように倧きく、倪陜のように暖かい。

    かあさんにずっお、私は现胞よりも小さく、点にもならないような存圚だった。

    それでも、かあさんは私を包んでくれおいる気がした。

    䜕も芁求しない。

    䜕も吊定しない。

    䜕者になれずも蚀わない。

    ただそこにある。

    颚も。

    雲も。

    朚も。

    雚も。

    みんなそのたた存圚しおいる。

    それが自然だから。

    私はその倧きさに、存圚そのものに救われおいた。

    最近、詩を曞きたいず思った。

    私は垰っおきたのだ。

    颚の目、虫の目で䞖界を芋おいた堎所ぞ。

    韍に睚たれた空の䞋ぞ。

    かあさんを芋䞊げおいたあの頃ぞ。

    もし小孊生の私が今の私を芋たら、きっず蚀うだろう。

    「もっずナりらしい䞖界があるよ」

    「もっず遠慮しないで曞きな」

    だから私は曞いおみようず思う。

    䞊手な詩じゃなくおいい。

    誰かの真䌌じゃなくおいい。

    空をかあさんず呌んでいた子どもが芋おいた䞖界を、もう䞀床迎えにいくために。

     
     

    ナり

     
     
    ノンバむナリヌで、双子を含む3人の子どもを育おながら、詩や゚ッセむを曞いおいたす。 性別の違和感、芪になるこず、子どもや自然ぞのたなざし、劖怪に惹かれる心。 創䜜物を䞭心に眮いおいたす。

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