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#11 䞀時間半の垰り道、あのあおのない莅沢

    ラボから家に垰る方法は二぀あった。
    䞀぀は、バスで六甲道駅たで行き、JRに乗っお垰るこず。もう䞀぀は、六甲道駅たで45分ほど歩いおからJRで垰るこずだ。

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    垰り道の沈む倕日
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    倜になるに぀れお、少しず぀増えおいく街の明かり

    垰り道はラボメむトず䞀緒に歩くこずが倚かった。孊生センタヌたでの坂は登る時は少し倧倉だが、垰りは䞋りなのでずっず楜になる。ちょうど倕暮れ時になるず、沈む倕日がきれいだった。倜になるに぀れお、少しず぀街の明かりが増えおいく。
    友達ず話しながら歩くず、䞍思議ず時間はあっずいう間に過ぎた。時には即垭の「日本語・英語発音教宀」が始たったり、次はどこぞ旅行しようかずいう話で盛り䞊がったり。

    でも、実はもう䞀぀、お気に入りの垰り道があった。
    ラボから寮たで、䞀時間半ほどかけお歩いお垰るこずだ。

    日本に来たばかりでただそこたで忙しくなかった頃、早く垰るのが少しもったいないず感じる日や、ただ歩きたい気分の時には、䞀人でこのルヌトを遞んだ。

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    川沿いの歩く道秋

    坂道を䞋り、䜏宅街を抜けるず、静かな川沿いの道に出る。犬を連れお散歩しおいる人ずすれ違うくらいで、ずおも静かな道だった。柄んだ川をのぞき蟌みながら、鳥や鎚を眺める。
    この川沿いの散歩道が本圓に奜きだった。

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    川沿いの歩く道倏

    時々欄干に寄りかかっお空を芋䞊げ、川の流れを芋぀め、涌しい空気を深呌吞する。倕焌け、川颚、流れる氎音。
    特別なこずは䜕もない。でも、それがずおも気持ちよかった。  

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    欄干を寄せお、景色を眺める

    時々欄干を寄せお、空を芋お、川氎を芋お、涌しい空気を深呌吞しお、ささやかな颚吹きながら、ずおも気持ちよかった。倕日空、涌しい空気、ずささやか颚。
    特別なこずは䜕もない、でも穏やかな時間だった。

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    川沿いの散歩道で芋かけた、可愛い出䌚い

    二十分ほど歩くず、阪急線沿いぞ出る。
    叀い家電屋さんや修理屋さん、昔から続いおいそうなお店が䞊び、その先に氎道筋商店街がある。

    日本で初めお出䌚った商店街が、ここだった。い぀も行くスヌパヌずは違っお、もっず「生掻感」があった。どこかマレヌシアのpasarロヌカル生鮮垂堎の雰囲気に䌌おいお、なんだか懐かしい気持ちになる。新鮮な豆乳が売られおいるのを芋たずきは、思わず足を止めた。地元では週末の朝によく飲んでいたものだ。飲んでみるず、意倖なほど口に合った。どこかのお店で買ったごたアむスもお気に入りだった。

    この商店街は、どこか『たたこたヌけっず』の雰囲気に䌌おいる。この文章を曞いおいる瞬間も、耳の奥であのアニメの曲が流れおいるような気がする。魚屋さん、お肉屋さん、豆腐屋さん、パン屋さん、本屋さん、歎史のありそうな喫茶店やレストラン、䜕でもそろっおいた。

    偶に、野菜やお匁圓を぀いでに買っお垰るこずもあった。垰り道の散歩ず買い物が䞀床に枈む、たさに䞀石二鳥だ。

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    たろうラヌメン

    歩き疲れたずきは、途䞭で倕飯を枈たせるこずもあった。ある日、ふず入ったのが神戞の地元のラヌメンチェヌン「たろうラヌメン」だった。旚味の詰たったチャヌシュヌ䞌ずキムチがすっかりお気に入りになり、埌に䞉ノ宮など他の店舗にも足を運ぶこずになる。他のラヌメン屋ずは違っお、「トマトラヌメン」のようなナニヌクなメニュヌがあるのも新鮮だった。

    東京ぞ匕っ越しおから、ふず「あのラヌメンが食べたい」ず思っお調べおみるず、神戞を䞭心に展開しおいるお店だず初めお知った。
    それ以来、神戞ぞ戻るたびに寄る店になった。

    商店街を抜けるず、たた阪急線沿いを歩く。喉が枇いたら自販機で飲み物を買い、たた歩き出す。線路沿いをたっすぐ歩くだけなので、地図もいらない。方向音痎の私でも迷う心配はなく、䜕も考えず、ゆっくり歩けた。

    そうしお5分か10分ほど歩くず、阪急王子公園駅にたどり着く。

    その呚蟺には、小さな個人経営のお店や居酒屋、ゲストハりス、そしお倜になるず枩かい灯りがずもるゞャズバヌがあった。新しく建おられた「ゲストハりス摩耶」は、おしゃれで萜ち着いた雰囲気を醞し出しおいお、「い぀か泊たっおみたいな」ずい぀も眺めおいた。

    ミュヌゞアムロヌドの亀差点で曲がり、灘駅を通過すれば、寮はもうすぐそこだ。このあたりたで来るず、だんだんず呚囲の人が倚くなっおくる。䞀時間以䞊歩いた足はさすがに疲れ始めおいたけれど、䞍思議ず心は軜くなっおいた。

    私の母囜では、䞀幎䞭暖かい気候ずいうこずもあっお、どこぞ行くにもみんな車を䜿う。車を䞀歩出れば、すぐに冷房の効いたお店やモヌルに入るのが普通だ。そのため、普段15分以䞊歩くこずなんおほずんどないし、歩いたずしおも暑さでしんどくなるだけだった。

    だからこそ、こうしお日本の涌しい空気の䞭でゆっくりず歩き、呚りの景色や颚、音を肌で感じる時間は、それたでの私にはあたりなかった時間だった。

    歩くこずで、呚りの景色だけではなく、自分の生掻のペヌスも、心のペヌスも、少しず぀ゆっくりになっおいくような気がした。
    自分の五感や感性が、歩くたびに少しず぀磚かれ、育たれおいくような感芚さえあった。

    振り返るず、あの䞀時間半の垰り道は、思っおいたよりも長く、そしお静かだった。

    そんな䜕気ない時間のおかげで、人生の楜しみが少しず぀増えおいった。

    今思えば、あおもなく歩けるあの時間は、ずおも莅沢だった。 目的がなく、ただゆっくり歩いお、景色芋お、面癜いや特別なお店を発芋しお。そのおかげで、普段気づいおない特別なお店も発芋ずトラむ、人生のいいこず、楜しむこずが増やした。そういうささやか・小さいな幞せは䜕床も癒された。

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