
見る場所を見る4──映画の記憶とメディア考古学の旅
開催概要

「見る場所を見る」は、鳥取県内にかつてあった映画館とレンタルビデオ店を調査し、芸術表現を通じた記憶の復元を試みるプロジェクトです。今回の企画では、プロジェクトのこれまでの歩みを振り返る作品展示を行うと共に、リサーチの範囲を日本全国に拡大。地方都市の盛り場5ヶ所の映画館跡を巡る新作映画『ファントムライダーズ』の上映を行います。遺された資料とスクリーンを見つめる行為を介して、異なる時と場を生きた人びとの記憶と自分自身の記憶を出会わせ、その重なりと隔たりを計測する。そんなメディア考古学の旅に、皆様もぜひご参加ください。
■日程:2025年3月14日(金)〜3月16日(日)
展示13:00-17:00、上映18:00-19:00、トーク19:00-20:30
■場所:元映画館(〒116-0014 荒川区東日暮里3-31-18 旭ビル2F)
■入場:展示・上映共に無料
■予約(上映&トーク):https://forms.gle/5yZFZmN38wh6THxh6
※各回定員20名。予約状況に余裕があれば当日席も用意します。
各回開催前日の24:00までに、上記のフォームからお申込みください。
■トークゲスト
3月14日(金)|大久保遼(明治学院大学)、渡邉大輔(映画史研究者・批評家)3月15日(土)|石原香絵(映画保存協会代表)、田中晋平(映画研究者)
3月16日(日)|かつしかけいた(漫画家・イラストレーター)、Clara(イラストレーター)
(全日登壇|佐々木友輔、杵島和泉)
展示「鳥取の映画館の記憶──イラストレーション・ドキュメンタリー」

出品作家:Clara、企画:杵島和泉、展示照明:伊藤啓太
かつては鳥取にも数多くの映画館やレンタルビデオ店があり、人々に親しまれてきました。しかしそうした「見る場所」の記録はほとんど残されておらず、外観写真なども僅かなため、在りし日の記憶は急速に薄れつつあります。そこで私たちは「イラストレーション・ドキュメンタリー」と名づけた方法論を導入し、当時の様子を再現したイラスト作品の制作を続けてきました。本展では鳥取市内の映画館を中心として、Claraが2021〜2025年に手がけたイラスト作品を紹介します。
映画上映&トーク『ファントムライダーズ』
ある日偶然見つけた大量の映画チラシと一冊の本。そこには日本各地の映画館を巡ったエッセイが綴られていた。「私」にとっては、一度も訪れたことのない場所で上映された、一度も見たことのない映画のはずなのに、なぜか初めて見た気がしない。「私はこの映画を知っている。私は昔、確かにこの映画を見た……。」自分のものではない記憶の正体を探るべく、「私」は本に記された劇場を訪れる旅に出る。鳥取、神戸、金沢、熊本、盛岡と、各地の盛り場の風景と興行の痕跡、移動する身体から、個人的かつ集合的な日本映画史を記述する試み。
上映後には、企画者による展示・上映作品解説を行った上で、アーカイブと研究、作品制作とがいかなる関係を結ぶことができるかについてゲストを交えて議論します。
佐々木友輔・杵島和泉『ファントムライダーズ』(60分、2025年)
共同監督:佐々木友輔、杵島和泉、出演:大久保藍、中村友紀、牧小雪
リサーチ・脚本:杵島和泉 脚本・撮影・編集:佐々木友輔
照明:田中哲哉、藤森このみ メイク:梶川真奈 イラスト:Clara
ロゴデザイン:蔵多優美(ノカヌチ) 音楽:田中文久 チェロ:木下通子
主題歌:「マイラヴセプテンバー」
(作詞・作曲・歌:にゃろめけりー、編曲:田中文久)
資料提供:門村裕明 協力:佐藤洋一、湖海すず、平岡美歩、井上柊、
⿃取⼤学演劇サークル劇団あしあと ロケ協力:鳥取県立博物館、岩手県公会堂
企画者・作家プロフィール
佐々木友輔(ささき・ゆうすけ)
1985年兵庫県神戸市生まれ。映像作家・企画者。鳥取大学地域学部准教授。映画・ドキュメンタリー制作を中心に、執筆・出版、展覧会企画など領域を横断した活動を続けている。近年の主な上映に、第13回恵比寿映像祭、第50回ロッテルダム国際映画祭、第20回リスボン国際ドキュメンタリー映画祭など。
杵島和泉(きしま・いずみ)
2001年佐賀県生まれ。2024年神戸大学大学院入学。鳥取県の映画館で発行された映画館プログラムや地方新聞記事等のノンフィルム資料に注目した調査研究を行っている。アーカイブやフィルム上映にも関心を持ち、地域資料の整理や映写補助の活動にも取り組んでいる。
Clara(クララ)
鳥取県鳥取市生まれ。イラストレーター。鳥取県総合情報誌「とっとりNOW」の表紙をはじめ、鳥取市地域振興券のイラストや全国高校生手話パフォーマンス甲子園の募集チラシ、猫カフェ「Kitty Blue」の壁画など手がける。また、鳥取の皆さまにより多くの映画を楽しんでいただきたいという想いから、2017年に映画の自主上映団体「クララとクロダのひょっこりシネマ」を始める。
ゲストプロフィール
大久保遼(おおくぼ・りょう)
1983年東京都生まれ。専門はメディア論・社会学・映像文化史。明治学院大学社会学部准教授。主要著書に『これからのメディア論』(有斐閣)、『映像のアルケオロジー』(青弓社)、『スクリーン・スタディーズ』(共編著・東京大学出版会)、『映像文化の社会学』(分担執筆・有斐閣)など。
渡邉大輔(わたなべ・だいすけ)
1982年栃木県生まれ。映画史研究者・批評家。跡見学園女子大学文学部准教授。専攻は日本映画史・映像文化論・メディア論。映画批評、アニメ批評、映像メディア論を中心に、文芸評論、ミステリ評論などの分野で活動を展開。単著に『イメージの進行形』(人文書院) 『明るい映画、暗い映画』(blueprint)『新映画論 ポストシネマ』(ゲンロン)『謎解きはどこにある』(南雲堂)。5月に『ジブリの戦後』(仮題、中央公論新社)を刊行予定。
石原香絵(いしはら・かえ)
愛知県生まれ、東京都在住。映画保存協会代表、国立公文書館認証アーキビスト。2021年、ポルデノーネ無声映画祭ジャン・ミトリ賞受賞。主な著作に『日本におけるフィルムアーカイブ活動史』(美学出版 2018)、翻訳にパオロ・ケルキ・ウザイ著『無声映画入門 調査、研究、キュレーターシップ』(美学出版 2023)がある。2023年春より山形ドキュメンタリーフィルムライブラリーの収蔵物の調査業務を担っている。
田中晋平(たなか・しんぺい)
1981年香川県生まれ。映画研究者。過去の映画館文化や自主上映活動の調査を行っており、映画祭などでプログラム・コーディネーターもつとめてきた。共著に『神⼾と映画―映画館と観客の記憶―』(神⼾新聞総合出版センター、2019年)など。映画監督の野田真吉・松本俊夫に関する論考を準備中。
かつしかけいた
葛飾区出身・在住。漫画家・イラストレーター。2010年代より同人誌『ユースカ』『蓬莱』などに漫画を発表、イラストレーターとしても雑誌や書籍の装画などを制作。地域誌「みんなの立石物語」のイラストを担当するなど地元のメディアでも活動を続けている。WEBコミックメディア「路草」にて『東東京区区(ひがしとうきょうまちまち)』、雑誌「散歩の達人」にて「水と歩く」を連載中。
見る場所を見る4──映画の記憶とメディア考古学の旅
■企画:佐々木友輔、杵島和泉、Clara
■主催:鳥取大学地域学部附属芸術文化センター(佐々木研究室)
■デザイン:蔵多優美(ノカヌチ)
■助成:JSPS科研費助成事業(基盤研究(C)課題番号:JP24K03555)「鳥取県における映画の鑑賞形態の変遷と棲み分けに関する通史的研究」、令和6年度鳥取大学地域学部長経費事業
■お問合せ:sasakiyusuke@tottori-u.ac.jp(佐々木)