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Photo bymirecat

読書手術 (バレエショートショート)

    ふじたごうらこ


    藍はコッペリアという人形役だ。読書シーンより、スワニルダ役として舞台中央で踊りたかったが、振付師は藍を選んでくれなかった。スワニルダは国際バレエコンクールの受賞者だ……藍は人形に扮して古い英和辞典に爪を食いこませていた。

    そこへ振付師の怒号が飛んできた。

    そこの人形! 殺気を飛ばすな。人形は意思を持たない。読書だって真似事なのに、コワイ雰囲気を出すなんて相当だぞ

    藍は涙が出そうになるも我慢して立ち上がり、振付師に一礼して「出直します」 と謝罪した。

    座りなおした一瞬、スワニルダ役と目があった。藍は彼女にも「ごめんなさい」 と心の中で謝る。「大丈夫」 という返事が心の中で返ってきた。同時に振付師からも「それでいいガンバレ」 という声も飛んできた。

    藍はそれを不思議に思わない。芸術家同志、そういうこともあると思った。以後は人形役に徹した。英和辞典を開くと偶然ながらoperationとあり、手術、操作の文字が飛び込んできた。


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    たらはかにさまの企画に参加中です。
    今週のお題は「読書手術」 です。


    なんか既視感あるなあと思っていたらコレでした。藍は主役になれなくて悶々としているのですね……ガンバレ


     
     
     
    バレエ文学出版の中の人。バレエと鳥が好き。 同名でAmazon、楽天で無料本を出しています。 またNote,TALES、なろうでも創作を続けています。

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