メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bymito_shi310

七夕の歩幅 (バレエショートショート)

    初夏の夕涼み会で、藍は「織姫と彦星」のパドドゥをする。先生の創作だ。

    舞台袖から織姫役の藍は、舞台中央で待っている彦星役のブローノバゥナに向かって歩く。しかし井伊野が、藍を案内するだけの役なのに藍の進路を邪魔する。

    ちょっと、やりにくいじゃないの! 

    でもさあ、君と一緒に舞台に出演するのは初めてじゃないか

    いい加減にしてよ。音楽に合わせてわたしと歩幅をあわせてくれないと次のパドドゥにつなげられないのよ。彦星にあうなり、私はリフトされて、高いアラベスクをして星をつかむ動作をしないといけないのよ。いわば助走期間なのに

    でもうれしいんだから、えへへ

    藍は井伊野の手をぱっと振り払い、振付の先生に、井伊野に導かれると、パドドゥの出だしから調子が狂うので困りますと告げ口した。

    先生は井伊野を織姫のペットのうさぎ役に変えた。

    畜生、負けるモノか。うさぎ役として進路を迷路にしてやる。

    というわけで井伊野は役を下ろされ藍はのびのびと踊った。









     
     
     
    バレエ文学出版の中の人。バレエと鳥が好き。 同名でAmazon、楽天で無料本を出しています。 またNote,TALES、なろうでも創作を続けています。

    あなたへのおすすめ