メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo by1623kita

キャトルイルミネーション (ショートショート)


    わたしは、とある酪農家から相談を受けた。

    その人は同居を始めた息子の嫁が牛にイルミネーションをつけて集客しようと提案したという。
    「家族やカップルが遊びにきてくれたら乳製品がよく売れますよ」
    嫁は張り切って牛はキャトルというので、キャトルイルミネーションと造語して売り出そうという。


    その人は酪農家として拒否した。木にイルミネーションをつけるやり方で牛にそれをやると虐待になる。何よりストレスがかかって乳がでなくなるのは困る。息子もそれに気が付いてやめようとなった。その上、キャトルイルミネーションは、キャトルミューティレーションを連想させるしダメだと笑った。嫁は一家で「嫁いびり」をしたと受け止めて気分を害したようだ。

    妻が嫁を慰めてせめて牛を象ったイルミネーションならいいでしょうと提案したが嫁は泣いた。
    「やっぱり同居は無理。実家に帰らせてもらいます」

    これが息子の離婚の原因だよ。誰が悪いと思うと聞かれ、わたしは言葉に詰まった。

     
     
     
    バレエ文学出版の中の人。バレエと鳥が好き。 同名でAmazon、楽天で無料本を出しています。 またNote,TALES、なろうでも創作を続けています。

    あなたへのおすすめ