
未練配達員 (バレエショートショート)
藍たちが通うバレエスクールの先生は将来生徒がバレエで恥をかくことのないように基礎重視で教える。今日も1人レッスン場で振付を選定していた。
本当は自分で踊りたいくせに。このまま指導者として生きていくの
え、だれ?
目の前にプロ時代の一緒に踊った歴代の王子たちがそれぞれ舞台衣装をつけてポーズをとっていた。海賊役が大きくジャンプして彼女の前でひざまづく。デジレ王子も優雅な動作で拝礼する。次々に男性ダンサーたちがそばに寄っては舞台にいざなう。
無理よ。私は歳をとって体力も瞬発力もなくなったし後進に譲って次の世代への橋渡しをすべきでしょう。でも貴方たちが出てくるってことは私も未練があるのね
すると笑顔の王子たちの身長が見るまに縮みいつものベビークラスの生徒たちになった。
あれ? 先生、寝てたの?
生徒たちはこちらを見上げて笑っている。愛弟子の藍や舞が制服姿で入り口で挨拶している。彼女は両手で子供達を優しく抱きしめ藍たちに手を振った。