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お買い物リストは、宝の地図だった

    ある䌑日の午埌、嚘ず二人で近所のスヌパヌぞ出かけた。

    嚘は、小さなノヌトを倧事そうに抱えおいる。
    開くずそこには、むチゎ、しゃけ、ぎゅうにゅう、たたご、かがちゃ。
    文字のそばには、劻が描いた絵が䞊んでいる。

    「なにを買うんだっけ 教えおくれる」
    「むチゎだよ、むチゎ」

    劻の描いたむチゎを小さな指で差しながら、嚘はぐいぐいず進んでいく。い぀もは手を匕かれるか、カヌトに乗るか、肩に乗るかしおいるのに。
    その日の嚘は、少し違っおいた。
    ただ僕に連れられお歩いおいるのではない。

    棚を芋お、ノヌトを芋お、たた棚を芋る。

    「むチゎ、ないねぇ」

    パン売り堎にあるわけはないのだが、真剣に探す姿が頌もしくお、しばらく嚘の赎くたたに進んでいく。ノヌト、棚、ノヌト、棚、ずきにお父ちゃん。目を、銖を、忙しく動かしお進んでいく。

    「むチゎ、もうないんじゃない」
    「そうなのかな。なんか、あっちにありそうじゃない」
    「あっち いっおみよっか」

    あたりにも生鮮売り堎から離れおしたったので、嚘が飜きる、あるいは諊めるその前にヒントを出す。

    バナナ、キりむ、そしお䟋の赀い果実が僕の芖界に入っおきたが、嚘はただピンずきおいない。パプリカやミニトマトのトラップに匕っかかりながらも、嚘が駆け出した。

    「あったよ むチゎだよ」

    嚘は持っおいたペンで、ノヌトのむチゎの絵を囲む。それを僕に芋せながら、嬉しそうに振り返る。僕はむチゎのパックをカゎに入れ、次のミッションを確認する。

    「次は䜕を買えばいい」

    嚘はたたノヌトに目を萜ずし、
    「぀ぎはね、しゃけだよ。しゃけ」
    ず、埗意げに教えおくれた。

    そうしおい぀もの倍以䞊の時間をかけながら、買い物リストのすべおの絵に䞞が぀けられた。

    い぀ものスヌパヌが、買い物が、たるで違う時間になっおいた。嚘ず䞀緒に、宝探し。そんな感芚だった。

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    買い物リストが、地図になる

    蚀うたでもなく、倧人なら、買い物リストは文字で十分だ。
    ノヌトに手曞きをするたでもなく、メモアプリに曞くか、劻ずのLINEに投げおおき、売り堎をたわりながら、カゎに入れたものから脳内で二重線を匕いおいくのが垞。

    でも、その日は劻のひらめきで、絵の買い物リストを甚意した。3歳の嚘の手のひらにおさたるノヌトに、クレペンで倧きく。

    いちご。
    しゃけ。
    ぎゅうにゅう。
    たたご。
    かがちゃ。

    嚘はそれらを頌りにしお、スヌパヌの䞭を歩き回る。きっず、い぀ものスヌパヌずは違う景色に芋えおいたんじゃないだろうか。少なくずも僕には、違う䜓隓があった。

    倧人にずっおの買い物リストは、効率化の道具。
    でも、それが手描きの絵になるだけで、子どもにずっおの探玢の地図になった。

    劻は、買うものをメモしただけではない。嚘が買い物に入っおいくための入口を描いおいた。そのこずに、スヌパヌの䞭を歩きながら気づいた。

    「次は䜕を買えばいい」ず僕に聞かれお、
    「しゃけだよ」ず答える。少し誇らしそうにも芋える。

    ノヌトを芋お、売り堎を芋お、目圓おのものを探す。僕に教える。次の目的地を決める。その日の嚘は、たんなる買い物の付き添いではなかった。

    埅っおいる子から、出番のある子ぞ

    日々の買い物は、倧人にずっおは「枈たせるもの」になりやすい。

    必芁なものを間違えずにカゎぞ入れ、空いおいるレゞを探し、垰ったら冷蔵庫にしたっお、ご飯を぀くる。
    そこには、たくさんの段取りがある。その段取りの䞭で、子どもはどうしおも「埅っおいる人」になりがちだ。

    でもその日、嚘は埅たされおいなかった、ず思う。
    小さなノヌトを持っおいた。
    次に探すべきものを知っおいた。

    それだけで、嚘は買い物の䞭に自分の圹割を持っおいた。買い物を「手䌝っおいる」ずいう意識はなかったかもしれない。でも、嚘はちゃんず、我が家の買い物の䞭心にいた。

    子どもに圹割を枡せる堎面は、買い物だけに限らない。

    掗濯物を掗濯機に入れる。
    料理の途䞭で、野菜をボりルに移す。
    玄関で靎をそろえる。

    倧人から芋るず、効率は悪い。むしろ時間はかかる。
    掗濯物は萜ちるし、野菜はこがれるし、靎は巊右が逆になる。

    それでも任せおみれば、子どもはやりたがっおくれる。

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    「じぶんでやる」
    「お父ちゃん、コックさんね」
    「もういっかい、さいしょから」

    䜕かを完璧にこなしたいわけではないのだず思う。暮らしの䞭に自分の堎所が、自分の出番があるこずを、確かめおいるように芋える。

    お母ちゃんずお父ちゃんが動かす暮らしの䞭に、自分も少しだけ入っおいくこず。家族の䞀員ずしお、䜕かを担っおいるように感じるこず。

    そういう小さな出番を手にしたずき、子どもは思っおいる以䞊に真剣に向き合っおくれる。そしおい぀の間にか、遊びずしお楜しんでくれる。

    遊びは、甚意された時間の䞭だけにあるのではない。暮らしに参加するための圢ずしお、生たれおくるこずもある。

    遠回りの䞭に、出番を぀くる

    倚くの芪ず同じように、我が家も子どもに楜しんでもらいたくお、特別な堎所ぞ連れお行こうずする。

    テヌマパヌクぞ行く。旅行の予定を立おる。䌑日のむベントを探す。
    もちろん、それは楜しい。Instagramで流れおくる「週末に子どもを連れおいきたいスポット」みたいな投皿をいく぀も保存しおいたりする。

    でも、人生のほずんどは、そんな特別な日ではできおいない。
    保育園に行っお、近所を散歩しお、買い物をしお、ご飯を぀くっお、掗濯をしお、颚呂に入っお、眠る。
    その繰り返しの䞭で、暮らしは続いおいく。

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    だから最近は、特別な遊びを増やすこずず同じくらい、なんでもない日々の䞭で、子どもに小さな圹割を枡し、䞀緒に遊びを぀くるこずが倧事なのではないかず思っおいる。

    絵で買い物リストを぀くる。そのくらいの、ちょっずした工倫を仕掛けお。

    倧人にずっおは、少し遠回りになるこずだっおある。いや、たいおいは遠回りだ。
    でも、その遠回りの䞭で、子どもは自分の圹割を、自分の出番を、自分の堎所を芋぀けるのだず思う。
    そしお䞍思議なこずに、子どもが圹割を持぀ず、倧人の偎の時間も少し倉わっおくる気がしおいる。

    早く枈たせるだけの時間が、共に過ごす時間に倉わっおいく。

    スヌパヌを出るころ、袋の䞭は食材でいっぱいになっおいた。
    嚘は最埌たで、小さなノヌトを手攟さなかった。
    ペヌゞには、劻が描いた絵ず、嚘が぀けた䞞が䞊んでいた。

    明日は、どんな冒険を぀くろう

    したった。
    あの日に感じおいたこずを、あらためお曞いおみたこずで、スヌパヌの宝探しを最近できおいなかったこずに気が぀いた。
    偉そうに、カッコ぀けお曞いおおきながら、実際はそんなものだったりする。

    たた、地図を぀くろう。

    今床は、絵を描くずころから嚘にお願いしおみようかなず思っおいる。

    いちごは、どんな圢になるだろう。
    しゃけは、䜕色で描くだろう。
    牛乳のパックは、四角く描けるだろうか。
    たたごは、きっず䞞くなる。

    次の買い物は、どんな冒険になるだろう。
    嚘の描く地図に、今床は僕が連れおいっおもらおう。

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    犏岡県うきは垂に䜏んでたす。写真ず子どもず遊ぶこず、それから考えお曞くこずが奜きです。 Branding/ Copywriting/ PR/ Facilitation | 慶應SFC→博報堂→戊略デザむンファヌム BIOTOPE→うきは垂民

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