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お母さん (日記)

    1976blue

    遠い昔、母が語った言葉が、ふと蘇る。
    当時、私は小学生だった。
    その話しを聞いた時、何だか切なくて胸が苦しくなったのを覚えている。


    当時、母はどこかで聞いてきた話しを語り始めた。
    話しの内容は、こうだ。
    ある所に、母親を亡くした少女がいた。
    就寝時には、毎回母親の着物を胸に抱きながら、眠りに就いた、と。

    私は話しを聞きながら想像した。
    少女は、まだまだ母親が恋しい年頃だろう。
    母親の残り香は、少女に安心感を与えたのかもしれない。
    そして、自分に重ね合わせて考えてみた。

    (もし、母さんが死んでしまったら、どうしよう?
    母さんがこの世からいなくなるなんて、絶対に嫌だ!)

    想像しただけで、泣きそうになった。
    でも今は母は健康だし、死んでしまうなんて、まだまだずっと先の話しだわ、と自分に言い聞かせた。

    とはいえ、遠い将来、確実に母がこの世からいなくなると思うと、胸がぎゅっと締め付けられた。

    この、母から聞いた話しは、その後も度々思い出した。
    今、既に母は亡くなり、あの頃の想像を遥かに超える喪失感をもたらした。

    (母さん、母さんが語ってくれた話し、時々思いだすよ。思い出す度に懐かしくて、そして会いたくて寂しくなるよ)


    親が亡くなった時の自分の年齢は、若ければ若いほど、ショックが大きいかもしれない。
    仮に、私が小学生の頃に母が亡くなっていたとしたら、もっと悲しみに暮れていただろう。

    例の少女は大人になるまで、亡き母の着物を抱いて眠りに就いていたのだろうか。




     
     
     
    人生の折り返し地点を過ぎ、今後 ますます後悔しない選択をしていきたい。愛読書は渡辺淳一、連城三紀彦の作品。知、意より情が大事。空虚より傷心を望んでる。過去に自費出版しましたが、なかなか売れず、在庫山積み状態です。趣味でベリーダンスを始め、定期的に発表会やイベントで踊ってます。

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