
お金が意味を持たなくなる社会 — 朝起きて家事が楽しい日々ー
先日、イーロン・マスク氏のインタビューや発言をきっかけに、彼のビジョンについて深く考えてみました。特に印象的だったのは、AIとロボットが進化することで「仕事は任意(optional)になり、お金自体が意味を持たなくなる」という未来像です。
マスク氏は最近、Teslaのミッションを「Sustainable Abundance(持続可能な豊かさ)」から「Amazing Abundance(素晴らしい豊かさ)」に変更しました。「もっと joyful(喜びがある)表現にしたい」とのこと。
10〜20年以内に、Optimusのようなロボットが労働のほとんどを担い、物やサービスがほぼ無料に近づく世界。
彼はこう例えます——
「仕事をするかしないかは、スーパーで野菜を買うか、自分の裏庭で野菜を育てるかのような選択になる。裏庭で育てるのはもっと大変なのに、好きだからやる人がいる。それが未来の仕事のイメージだ」。
さらに、彼は「Universal High Income(普遍的高所得)」ではなく、最終的にはお金が不要になる時代を予測しています。Iain M. BanksのCultureシリーズのように、貨幣が存在しない豊かな社会。 scarcity(欠乏)がなくなり、人間は「やりたいからやる」ことだけに時間を費やせる——それが「Amazing Abundance」の本質です。
私にとっての響き方
マスク氏のこのビジョンを「同志」として感じる理由は、もう一つあります。
価値はコストに比例しない、意味はコストと無関係——10年ほど前から、私はこれを痛感してきました。
先週あたりから、特に実感しているのが家事で手を動かすのが嬉しい! という感覚です。
必要だからやるのではなく、手を動かしながら「この手触り」「この整え方」に自然と意味が宿る。
禅僧にとっての作務(掃除・炊事などの家事)は、坐禅と等価の修行。典座(てんぞ=厨房責任者)は、久参(長く参禅した人)や先輩が担うのも、ただの作業ではなく「心を込めて意味を込める」からこそです。引き出しの数(経験と細やかな気づき)がいるんですね。
マスク氏が言う「根本からの再構築(first principles thinking)」も似ています。
物事を物理学的に根本真理まで分解し、そこから再構築する。
そこから生まれるのは、drive(持続的な駆動力)。
私はこれを大切にしています。一方、impulse(強い衝動・ひらめき) は数年に一度、強く降りてくるもので、日常のdriveと共振するようです。
ジャイロスコープのようにブレにくいベクトル——歳差運動(少しの軸ずれ)はあっても、背景は魂の最深部や宇宙から来ているのかもしれません💘
ソーシャルイノベーションとしての意味
マスク氏のビジョンは、日本の政党レベルを超えたスケールです。
今の資源をどう再分配するかではなく、欠乏そのものを技術でなくすアプローチ。
移行期の痛み(仕事の変化など)はあるでしょうが、楽観的に「朝起きて生きるのが嬉しい理由」を増やそうとする姿勢に共感します。
私はその世界で、手仕事の宇宙を探索するエクスプローラーとして生きていたい。
家事という日常の小さな宇宙で、手を動かしながら喜びを見つける。
方法は違えど、同じ「根本から意味を再構築し、切実な熱源ベクトルを探る」同志として、ゆるく繋がっている気がします。
お金が意味を持たなくなる社会が来たら、人間は本当に「やりたいこと」に自由になれるでしょうか。
私は今、その予感を家事という手仕事の中で、少しずつ味わっています。











