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同じビジネスモデルでもプロダクトが違うのはなぜ(1-4/第4回)

同じビジネスモデルなのに、自分のプロダクトと全く違い参考にならないということはないでしょうか。私は何度かあり、当初は自分のプロダクトが何故そのビジネスモデルにしてるのか理解できていませんでした。

ここには、サービスの質やユーザーにとっての重要度が関係しています。


サービスとは

「サービス」も「プロダクト」と同じくらい意味がブレやすい言葉です。接客の品質を指すこともあれば、システムの機能群を指すこともあります。

第1回で整理したとおり、この連載ではサービスを「プロダクトの価値を補完する運用や付随する仕組み」として扱います。

プロダクトが製品そのものを指すのに対して、サービスはその製品の外側で価値を補完するものを指します。

サービスの位置づけ

例: フリマアプリの場合

プロダクト = 出品・購入・決済などの機能
サービス = 配送連携、本人確認、カスタマーサポート、ガイドライン運用

ビジネスモデルとサービスの性質

なぜ同じモデルでも体験が異なるのか、いくつかのプロダクト/サービスを例に見ていきましょう。

ビジネスモデルから派生するプロダクト/サービスの例

いずれも同じビジネスモデルですが、ユーザーにとって利用可否の捉え方は違っていそうです。

サブスクリプションモデル
・動画視聴サービス = 見たいものがあれば契約、なくなれば解約を短期でも繰り返す。
・マンション賃貸 = 住居に不満があれば解約するが、多くの場合、このサイクルは年単位以上。

マッチングモデル
・フリマアプリ = 購入したいものがあれば毎週毎月のように利用する。
・転職斡旋 = 現職に不満があれば利用し、新たな企業を提案してもらう。多くの場合、人生で何回かしか使わない。

例えば動画配信サービスのように、契約や解約のハードルが低いものは、アプリで即時対応出来るので簡単に判断出来ますが、引越しや転職など人生で何度もない機会や金額が大きいサービスは、慎重に判断するのではないでしょうか。

また、重要で慎重な判断を要するサービスであればあるほど、アシスタントやコンサルタントのような人が介在していたり、それらのスタッフの方の服装や対応が良かったり、お茶が出てきたり…と豪華な体験になっていると思います。

このように、ユーザーにとっての重要度で、プロダクト/サービスの温度感や体験の設計は異なっていきます。

サービスの範囲

質とは別で、プロダクト(製品)/サービス(付随する価値)の区切りはどのように決まるのでしょうか。
これらは、実現範囲・コスト構造・ユーザーへの見せ方など、提供する体制によって決まっていきます。

例として、「食品を加工して届けるサービス」をあげます。

例:食品を届けるサービスの提供フロー

材料調達 → 加工 → カタログ化 → 広告 → 販売 → 配送

材料調達から配送までの一連のフローがあります。

これら全てのフローをシステムに出来れば良いのですが、配送は人の手や配送業者が必要だったり、加工やカタログ化はシステムに出来るけど、広告は代理店に頼んだり…など、環境により全ての工程を製品化することは現実的に難しいと思われます。

また、広告による販売ではなく生産者さんが直接営業した方がよく売れる商品であれば、あえて広告部分を製品化しない方が良い場合もあるでしょう。

このようにほとんどのサービスは、自社だけでまかなえない工程や、まかなうべきでない工程を含んでいます。
この際に、どこに力を入れるか、どこを自社で持ち、どこを外部に任せるかなどによって、サービスの形は変わります。
(サポート体制や有事のフォロー体制もここに含まれます。)

これにより、どこまでを製品や機能とするか否かで、プロダクト/サービスの範囲が決まります。

なお、サービスの設計や運用を深く知りたい場合は、ITIL 4 のサービスデザインなどのプラクティスが参考になります。

ビジネス ⊃ サービス ⊃ プロダクト

サービスの位置づけ(再掲)

プロダクトにとって重要な指標はビジネス側に紐づくことが多いですが、ビジネスモデルはあくまで事業を成立させる仕組み(≒稼ぎ方の仕組み)です。
ユーザーは体験した後に(または体験を想像してから先に)お金を払うので、ユーザーからビジネスは少し遠くなります。

その為、ユーザーの温度感や体験設計に関することは、プロダクト/サービス側を考慮する必要があります。
また、プロダクト/サービスの範囲は、実現性や見せ方によって異なってきます。

課題を感じた際、この前提をもとに「ビジネス ⊃ サービス ⊃ プロダクト」のどこに効いている課題かを整理すると、対応方針が判断しやすくなると思います。

まとめ

  • サービス = プロダクトの価値を補完する運用や付随する仕組み

  • 同じビジネスモデルでも、ユーザー体験によってプロダクト/サービスの性質を変える必要がある

  • プロダクトとサービスの範囲は、実現性やコスト、ブランディングなどで決まる

次回は、サービスが提供する価値の段階「サービスレベル」について解説します。


参考文献


「プロダクトマネジメントわかりたい」

プロダクトマネジメントに関するnoteを週2ペースで連載してます。
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