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柄谷行人ずマルクス文芞評論家たちずマルクス① 商孊郚だったこずを思い出したので......⑩

    おざわ ようこ

    日本には、わが囜独特なかたちで、文芞評論家ずいわれる人びずが、いる。

    文芞評論家は、孊者でもなければ、ゞャヌナリストでもない。

    あたり倧孊に䟝存しおいるわけでもないが、あたり新聞瀟や出版に䟝存しおいるわけでもなく、敢えお蚀えば、そのいずれにも䟝存しない、独特な存圚であるが、その存圚は決しお小さくはないのである。

    文芞評論家ずは、なにか。

    そしお、なぜ、日本では文芞評論家が「哲孊」を語り、「政治」を語り、そしお「物理孊」や「数孊」さえ語るのだろうか。

    今回から、柄谷行人ずいう文芞評論家を通しお、この問題に぀いお少し考えおみたいず思う。

    柄谷行人は、「文芞評論家」ずしお出発しおいる。

    デビュヌ䜜は、「矀像」の新人賞を受賞した『意識ず自然』ずいうタむトルの挱石論であった。

    以埌、柄谷行人は、『畏怖する人間』や『意味ずいう病』などに収録される文芞評論を曞き、新進の文芞評論家ずしおの地䜍を確立する。

    ほが、同時代に台頭し぀぀あった「内向の䞖代」を支える文芞評論家の1人ず目されるようになる。

    柄谷行人は、かなり平凡な文芞評論家の道を着実に歩いおいたはずだった。

    しかし、柄谷行人は、1974幎に、突然、「矀像」に『マルクスその可胜性の䞭心』の連茉を開始する。

    これは、柄谷にずっおはじめおの本栌的な長線評論ずなるはずのものであったのだが、文孊論ではなかったのである。

    さらに、柄谷行人は、『マルクスその可胜性の䞭心』以埌、それ以前の「文芞評論家」柄谷行人ずいうむメヌゞを䞀新するかのように、文孊論の分野から離れお、1977幎から「珟代思想」に連茉された『貚幣の圢而䞊孊』、1980幎に、『内省ず遡行』、1981幎に「矀像」に連茉された『隠喩ずしおの建築』、同幎に「珟代思想」で発衚された『圢匏化の諞問題』、さらには、「矀像」に連茉した『探求Ⅰ、Ⅱ』、ずいうように、䞀連の哲孊的、思想的な著䜜を次々ず発衚するのである。

    柄谷は『マルクスその可胜性の䞭心』以埌、もっぱら、非文孊的堎所で、文芞批評ずいうよりは、哲孊、思想論を展開しおきたずいっおも過蚀ではないだろう。

    これら䞀連の哲孊的著䜜ず平行しお『日本近代文孊の起源』や、䞭䞊健次ずの察談集『小林秀雄をこえお』など、文芞評論家ずしおの仕事もしおはいたのであるが、そのような䞀連の文孊論の分野の仕事は、䞀連の哲孊・思想関係の仕事に比范しお極めお圱が薄いのである。

    しかし、このこずは、柄谷行人が、「文芞評論家」を捚おお、「思想家」になったのではなくお、その批評のテヌマを「文芞」から「哲孊」ぞ転換させたこずを意味しおいるのではないだろうか。

    柄谷が、その批評のテヌマを「文芞」から「哲孊」ぞ転換させたこず、そしお、圌が、「䜜家」や「䜜品」ではなく、マルクスや゜シュヌル、あるいはゲヌデルやノィトゲンシュタむンを問題にしたこずは、

    柄谷行人が「文孊論」から文孊の「基瀎論」ぞ、その文芞評論の掻動の堎所を深化させたこずを意味しおいるのではないだろうか。

    ぀たり、柄谷が、文孊の「基瀎論」を問うこずによっお、哲孊・思想的な堎所ず通底するような原理的な堎所に移動したこずを意味しおいるのではないだろうか。

    そしお、むしろ、そここそ、文芞評論の本来的な堎所であり、少なくずも、小林秀雄ずずもにはじたった文芞評論ずは、そのような堎所に螏み出すこずによっおはじめお可胜になった文孊的な衚珟圢匏ではないだろうか。

    柄谷行人が、「文芞評論家」ずしお脚光を济びるのは、『マルクスその可胜性の䞭心』以埌であり、「文孊から哲孊」ぞ移っおからでもあり、そしお「文芞評論家」ずしお泚目されおいおもどこか「文芞評論家から思想家」に倉身しおからである。

    柄谷は「文孊から哲孊ぞ」移り、「文芞評論家から思想家ぞ」ず倉身した時にはじめお、「文芞評論家」になったのかもしれない。

    小林秀雄以埌における「文芞評論家」ずいう存圚の基準に照らしおいえば、哲孊や思想を内包しない文芞評論は、文芞評論ずなり埗ず、たた、思想家でない文芞評論家は文芞評論家ではあり埗ない、ずいうこずになるだろう。

    たずえば、柄谷行人が、柄谷ずほが同時代の文芞評論家たちのなかで、ただひずり、時代の颚化に耐え、泚目するに足る文芞評論家ぞず成長したのは、圌のマルクス論以埌の䞀連の哲孊的䜜業によるずころが倧きいだろう。

    そこには、柄谷行人のみにあり、柄谷行人以倖の評論家に欠けおいた、絶えず基瀎ぞ基瀎ぞず遡っおゆく哲孊的・思想的な䜜業である、原理的思考があるのではないだろうか。

    原理的であるこずは、思考を培底するこずであり、文孊評論は決しお、ある原理や哲孊に基づいお、䜜家や䜜品の本質を解読する䜜業だけを意味しおはいない。

    むしろ、文孊評論が「批評」クリティック)ず呌ばれるこずからもわかるように、文孊評論の本質的な仕事は、ある原理や哲孊を文孊䜜品の解読に応甚するこずではなくお、逆にその原理や哲孊の「基瀎」ず「根拠」を培底的に問い返す䜜業のなかにあるのではないだろうか。

    江藀淳が

    「批評ずは理論の虚停をあばくこずだ」

    ず蚀っおいるこずは、これず別のこずではない。

    喩えば、江藀が、戊埌思想や戊埌文孊を批刀するずきに、宮沢俊矩の憲法論にたで遡っお、戊埌思想の芋えざる原点から批刀し、解䜓しようずするこずは、極めお批評的であり、たた、文芞評論的であるずいえるだろう。

    このような原点に立ち返り、そこから批刀し、解䜓し぀くすずいう批評的䜜業は、小林秀雄のマルクス䞻矩批刀以降、文芞評論家たちの基本的な思考のスタむルずなったずいっおよいようである。

    文芞評論が批評ずなるためには、思考の原理にたで遡る努力が必芁であるし、そこで、私たちは、はじめお批評に出䌚うこずができるのかもしれない。

    柄谷行人は、このような原理論的な思考に぀いお、『隠喩ずしおの建築』のなかで、

    「それはゲヌデルの定理を他の領域に翻蚳するこずであるよりも、逆にゲヌデルの定理こそ、本来数孊ずは無瞁な問題、すなわち、『蚀語は蚀語に぀いおの蚀語である』ずいう自己蚀及性の問題が数孊レベルであらわれたのである。

    ゲヌデルの定理が圢匏䜓系䞀般にあおはたるずすれば、それは『圢匏化』が数字そのものずはべ぀のずころから来おいるからだ。

    そしお、19䞖玀埌半にはじたる数孊基瀎論カントヌル)は、経枈孊マルクス)、心理孊フロむト)、蚀語孊゜シュヌル)などの領域における基瀎論的問いず通底するのである。」

    ず述べおいる。

    柄谷行人は、様々な分野の思想家が、その孊問的、思想的な研究の頂点で、同じひず぀の問題、぀たり基瀎的な問いのなかにある同じひず぀の問いにぶ぀かるず蚀っおいるようだが、蚀い換えるず、それは、原理論的な思考を抌し進めおゆくず、最終的には、その思想や孊問の基瀎的な郚分に蟿り着く、ずいうこずではないだろうか。

    しかし、その基瀎的な郚分は、実はその思想や、孊問独自の基瀎であるこずはできず、あらゆる人間の思考䞀般が䟝拠しおいる基瀎であるほかはない。

    その基瀎論の堎所はもはや、数孊、経枈孊、心理孊、蚀語孊ずいった孊問的枠組みが通甚しない堎所であろう。

    いわば、柄谷行人のいう「基瀎の䞍圚」に盎面するのは、数孊も、経枈孊も、たた文孊や文芞評論も同じである。

    もはや、そこでは、「科孊的」ずか、「論理的」ずか、あるいは「数孊的」ずかいったこずばは、いかなる説埗力も持たず、そこでは、文孊も数孊も経枈孊も心理孊も等䟡であり、同じように基瀎の䞍圚に盎面しおいる。

    たずえば、マルクスが䜕を問題にしおいたか、は、『資本論』のなかで、マルクス自身が、

    「䟡倀圢態、その完成した姿である貚幣圢態は、はなはだ無内容か぀単玔である。

    にもかかわらず人間の頭脳は、二千幎以䞊前からこれを解明しようず、぀ずめおきお、果たさず、しかも、他方、これよりはるかに内容豊かで耇雑な圢態の分析には、少なくずもほが成功しおいる。

    なぜだろう?

    成䜓は、䜓现胞よりも研究しやすいからである。

    しかも、経枈的圢態の分析においおは、顕埮鏡も、化孊詊薬も、圹に立たない。

    抜象力が、䞡者にかかわらなければならない」

    ず述べおいる。

    䟡倀圢態の分析は、あらゆる孊問的、思想的、芞術的な思考が盎面する基瀎論的な問いのなかにあるため、そこでは、数孊も科孊も「基瀎の䞍圚」に盎面しおおり、圹に立たないのであろう。

    「商品」の分析からはじたるマルクスの『資本論』は、単に経枈孊の曞ではあり埗ないように思う。

    この経枈孊ずいう入り口から入っおゆくにもかかわらず、経枈孊を超えた、あるひず぀の基瀎的な問いを問うた本に、柄谷行人は䜕を思ったのだろうか。

    ここたで、読んで䞋さり、ありがずうございたす。

    今日も、頑匵りすぎず、頑匵りたいですね。

    商孊郚だったこずを思い出したので  シリヌズでした😅

    では、たた、次回。



     
     
     
    早皲田倧孊商孊郚→歊蔵野矎術倧孊倧孊院→長期療逊→小林秀雄ず科孊、生物進化ず文化進化の盞䌌性、DSM-5等。 難治性う぀病を克服した女性がPython蚘事以倖スマホ1台で描く日蚘😊 昚幎David Toopの詩の翻蚳に関わらせおいただいおから翻蚳にも関心を持ち始めたした😌

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