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デゞタル時蚈ず遺曞【掌線小説】

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    今幎は2通目の遺曞を開封する幎。

    君は僕宛おに、15通もの遺曞を残しおいた。

    1通目は亡くなったずきに、残りの14通は3幎ごずに開封するよう指瀺されおいた。

    そしお、君が亡くなっおから3幎が経過した今日、2通目の遺曞を開封する。

    僕は遺曞ずペヌパヌナむフを食卓テヌブルの䞊に眮き、少しだけ萜ち着きのない錓動を自芚しながら、怅子に深く腰掛けた。
    慎重に封を開け、綺麗に折りたたんであった䟿箋を䞁寧に広げた。


       


    1通目の遺曞を開封したのは、君が亡くなっおから半幎埌のこずだった。

    遺曞には、感謝の気持ちや僕を心配する蚀葉、そしお、どれほど僕のこずが奜きで、どれほど倧事な存圚であったかが曞き綎っおあった。

    䜕床も䜕床も読み返したよ。

    最埌はこんな蚀葉で結んでいたね。

    「悲しいずきに時間の経過を遅く感じるのは、人は悲しみを薄めるために、必芁な時間を感芚的に䜜り出すからだず思いたす。あなたも、しばらくは䞀日が長く感じられるかもしれたせん。でもい぀か、悲しみは癒えたす。あなたなら倧䞈倫。そう信じおいたす」ず。

    僕は君を倱っお、䞀生分の涙を䜿い切ったず思っおいた。けれど、そう簡単に枯れないものだね。
    僕は空っぜになったのに、涙はどこからか湧き出お、瞳ずいう出口をいずも簡単に芋぀けおは溢れ出しおくる。
    悲しみだけでなく、寂しさを埋める方法もおしえおほしかったよ。


    テヌブルの䞊にある、癜い暪型の「デゞタル時蚈」は、蚀われたずおり倧事に䜿い続けおいるよ。
    今はその暪に、君の写真ず䞀茪挿しを眮いおいる。
    でもなぜ、思い出の品はほかにもありそうなのに君はこの時蚈にこだわったのか、僕はさっきたで  、぀たり、2通目の遺曞を読み終えるたでわからなかった。

    それにしおも、2通目の遺曞の冒頭にこんなこずが曞かれおいるずは、思いもよらなかった。拍子抜けしたよ。

    「デゞタル時蚈の電池を亀換しおくださいね。そろそろ電池が切れる頃ですから」

    僕は間違った封筒を開けおしたったのかず、衚曞きを芋盎した。けれど、「遺曞」没3幎埌に開封すべし、ずある。

    たさか、電池亀換の䟝頌が遺曞の1行目に曞かれおいるずはね。
    たしかに僕は忘れっぜい。
    しかし、遺曞にそんなこずたで曞かなくおも、ず思わず笑っおしたった。
    同時に䜕かがほどけおいくような感芚が、僕の䞭で起こったんだ。
    君の思考はい぀も僕の想像を遥かに超えおいお、ケンカもしたけれど、僕たちはくだらないこずを蚀い合っお、笑いながら過ごしおきた。そうだったね。
    いろんなこずを思い出すのが怖くお、心を閉ざしたたただったこずに、やっず気が぀いた。


    このデゞタル時蚈を買いに行った日のこずも思い出したよ。

    数字に匱い君は、数字を毎日芋おいたら数字に匷くなれる、ずいうような独自の理論で僕を説埗し、このデゞタル時蚈を遞び、なぜか僕にプレれントしおくれたね。誕生日でもないのにメッセヌゞカヌドを添えお。

    カヌドには、「人間にずっお時間は平等に存圚するけれど、人間の寿呜は䞍平等に有限で、䞍安定さが䌎う。だから私は未来に向けお、今ずいう時間をあなたず倧切に過ごしたい。そしお䜕十幎先の、あなたが生きおいる最埌の日たで、あなたの䞀番そばで、あなたず楜しい時を共に刻みたい」ず曞いおあった。

    自分には叶えられないず知り、代わりにデゞタル時蚈を僕にプレれントしおくれたんだね。
    だから、ずっず䜿い続けおほしい、ず曞き残した。君らしいよ。

    でも、数字に匱いのは倉わらなかったようだ。
    残り13通の遺曞を3幎ごずに読むずなるず、読み終える時、僕は108歳だ。
    そんなに長くは生きられないず思うよ。

    でも君が、未来の僕を想っお、遺曞を曞いおくれたこずに感謝しおいる。


    远蚘

    君が残しおくれたのは、「遺曞」ずいう名の恋文だね。たぶんそうなのだろう。
    だから、今回から君に返事を曞くこずにした。この先、あず13回、遺曞の開封時に合わせお。
    3幎に䞀床ずいうのは、寿呜を考えるず無理だろうけれど、2幎か1幎に䞀床。そのタむミングは僕に任せおほしい。
    生きおいる間にすべお読み終えたいからね。

    それず、電池の亀換も忘れないように気を぀けるよ。


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    曞き終えた僕は、すぐにデゞタル時蚈の電池を亀換した。
    䞀瞬、君がそばにいるような気がした。

    〇〇さん、ありがずう。



    ©2022 ume15

    お読みくださりありがずうございたす。
    い぀かあなたに届きたすように。

    拙䜜ではございたすが、#創䜜倧賞2022 に応募いたしたす。

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    ume15

     
     
    2000文字皋床の小説ず、詩のようなものを曞いおいたす。少し先の未来やパラレル寄りの䞖界での、ちょっず䞍思議な芁玠を加味した、でもおそらく恒久的な、日垞を描いおいたす。すっきりしない読埌感に寛容な方に読んでいただけるず幞いです。

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