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柿衛文庫名品展

     ひょんなことから、伊丹市に行く機会ができて、柿衛文庫名品展を観たり、名品展の講座を聴講しています。伊丹市は綺麗な街で、JR伊丹駅と阪急伊丹駅の間、少しJRよりに柿衛文庫はあります。
     JR伊丹駅からは、黒沢清監督の「黒牢城」の舞台となったり、大河ドラマ「豊臣兄弟」で話題になった有岡城跡を横目にいきます。今は、小さな石垣と狭い原っぱがあって、道路や建物がすぐそばです。戦国時代、ここに荒木村重一族が籠城していたと思うと・・・映画やドラマを観たせいか、感慨深いものあります。


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     柿衛文庫の創設者・岡田利兵衛(号・柿衛)は、江戸時代より続く酒造業を営む岡田家の第22代当主である傍ら、伊丹町長・市長を務め、のちに伊丹名誉市民となりました。町長時代に1人の俳人が郷土伊丹の俳人鬼貫の短冊を町長室に持ち込んだことをきっかけに、亡くなるまで俳諧・俳句資料を収集し続け、実物資料を中心に俳文学の研究を行いました。殊に芭蕉を「筆蹟」という新しい角度から研究した「芭蕉の筆蹟」では文部大臣賞を受賞。その功績は後世の俳文学の礎となっています。

    図録・ごあいさつ より

     今回の展覧会では、柿衛文庫が所蔵する1万点以上の所蔵品の中から選んだ名品を。俳諧、俳句の歴史に触れながら、資料収集に尽力した45年間の記録と研究の成果なども展示されています。同時に、毎月、第一金曜日に岡田利兵衛氏の娘さんの岡田麗さんと坪内稔典氏の「名品を読む」という講座があります。日ごろ、見れない名品を硝子ケースの外でみせてもらえるので、眼福で楽しいです。
     

     講座では、5月には、「毛吹草」という俳句の最古の入門書を見せてもらいました。60冊ぐらい現存しており、その1冊だそうです。和歌⇒連歌⇒俳諧という流れの中で、「毛吹草」ができ、やがて貞門の「犬子集」、談林派へと。
     6月には宗因筆西鶴画の「花見西行偃息図」談林派の西山宗因の俳句と芭蕉の俳句を比べ、談林派の西鶴の二万翁への道などの説明がありました。
     7月には「水無瀬三吟」を。贋作を持っている先生や友人が持ってきてくださり、見比べたりもしました。室町・戦国時代に流行したという連歌。達筆な筆致のままで残っているのが凄いなあ、と。

     もちろん、これらの資料も今回の名品展に出品されていました。そして、わたしが面白いなあ、と思ったのは、岡田利兵衛氏は洋鳥の飼育もされていたことです。その標本がありました。胡錦園で飼育されていたそうで、色鮮やかな鳥の標本。昔、上村淳之氏の絵画展で観たような、嘴の長い鳥もおりました。当時こんな珍しい鳥を飼う心境は?愛着があったのでしょうが、剥製にしているものもありました。


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     6月の講座の帰りに、友人たちと食べた長寿蔵のクリーム餡蜜も美味でした。伊丹といえば、酒蔵の街でもあり、長寿蔵も酒蔵を改造したワイナリーレストランです。お酒といえば、今年も酒俳句大賞が始まっています。
    https://sake575.com/  奮ってご応募ください。

     日頃、出会えない名品たち。今回の展覧会、講座などで、接する機会を与えていただきました。何百年もの昔のものが、いまだ保存されている事実に敬意であり、当時の人々の息吹を感じるとき、まだ見ぬ未知の名品に畏敬と同時に、ちょっとわくわくしてしまいます。

    *残念ですが、今回の展覧会も講座でも、名品の写真撮影は禁止です。

    #イベントレポ #柿衛文庫名品展 #伊丹市 #岡田麗 #岡田利兵衛
    #坪内稔典 #長寿蔵 #有岡城 #名品 #毛吹草  #花見西行偃息図 #水無瀬三吟 #酒俳句大賞 #創作大賞2026 #オールカテゴリ部門



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    読書、映画、音楽、俳句、美術を綴っています。俳句とエッセイ集「蜜柑の恋」(創風社出版)。共著、編に「坪内稔典100句」(創風社出版)、「朝ごはんと俳句365日」(人文書院)、「俳句の杜2019」(本阿弥書店)。「窓の会」常連。蜜柑と和菓子好き。【読書の秋2020*日経BP賞受賞】

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