
メイン料理
書き残しておきたい出来ごとは山ほどある。
運転をしているとき、
シャンプーしているとき、
眠ろうと目を閉じたとき、
それは浮かんでくる。
いつもタイミングが悪い。
運転中はメモなんてできないし、
シャンプーしながら何度も頭の中で復唱するのに、
お風呂から出たら、復唱していたことすら忘れている。
これだけ聞けば、そんなもんだよなーと思えるのに、
わたしは聞いた話の半分は忘れてしまうような忘却人間。
大切なことは忘れてはいけないと気を張るので覚えていられるが、
別に覚えてなくても支障はないけれど、
デジャヴ?と相手に思わせてしまうことは忘れる。
デジャヴじゃない。わたしが何度も答えさせているだけ。
たとえば、
「マックのポテトはシナシナ派?カリカリ派?」
とか、
「聞いて!この前ね〜」と話し始めることは大抵2回目。
些細なことすら忘れたくなくて書いているはずなのにな。
手に持っているものはよくどこかに置いてくる。
ケータイとか、財布とか、キーケースとか、
そういう大事なものをポンポンと軽快に置いてくる。
聞いたそばから記憶もポンポン落としてくる。
それを呆れて面白がってくれる友人もいれば、
怪訝そうな顔をする人もいる。
個性だろ、と無茶苦茶な受け入れ方をしている。
忘れたくないことというのは、ご飯で言う主菜。
メインの出来事があり、その横には汁物や副菜がいて主食がいる。
わたしはその汁物の味や、具を書きたい。
そうしているうちに、今日もたくさんの記憶を落としながら、
気づけばメイン料理の話ばかり書いている。