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美味しいステーキ肉を目指す夏


体重計を新調したのは、2ヶ月くらい前のこと。

体重と一緒にBMI、体脂肪率、心拍、基礎代謝、骨格筋量などたくさんのデータが測れる。
体重計ではなく、「体組成計」というらしい。
アプリとも連携して、手元でデータを確認できるのも楽しい。


さて、体重と体脂肪率が自己ワーストレベルだ。歳をとると痩せにくくなるとよく聞くので、今のうちに痩せやすい身体づくりをしておこうと、25歳頃から毎年思っている。

今年の初めに「体脂肪率を13%台にする」と目標を定めたが、8月現在、未達成。食べることでしかストレスを逃がせない時期がたまにやってきて、目標達成まで一進一退だ。


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幼い頃、家にオセロがあった。姉や父と勝負する時、私は白を使いたがった。

学生野球をしている時、バッティンググローブは黒か白のどちらかしか使ってはいけなかった。連盟で定められているのだ。中学、高校の6年間、白を選び続けた。


なんとなくだが、黒か白なら、白が良かった。
私は、「優しい」とか「いい人」とよく言われる。感覚的に白の方が自分のイメージに合っているなと思っていた。



さて、新品の体組成計は「黒」を選んだ。完全な気まぐれだ。自分を変えたいという思いが無意識にそうさせた、なんてペテン師のような下書きは消した。


実物が届くと、黒の体組成計は想像以上にカッコよかった。液晶が内蔵され凹凸のない一枚板のようなデザインと光沢感のある黒色には、威厳がありつつも洗練された品格のようなものを感じた。
実に単純だ。なんとなくで守り続けた白へのこだわりなんて、あっけなくどこかへ行ってしまう。


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現在に戻る。

上半身裸で体組成計に乗る私。
鏡に映る身体は、理想とは程遠く、締まりも、だらしも、みっともない。


「なんだか食べても不味そうな身体だな」

不意にそう思った。今の身体を焼いて食べたとしても、余分な脂肪ばかりで美味しく食べられそうにない。


「どうせなら、美味しく食べてあげたい」

今の私は、食欲のセンサーがどうかしている。
そんなことを考えていると、足元の黒の一枚板は、熱した鉄板に見えてくる。


「美味しいステーキになってやる」

この夏の目標が決まる。脂肪が少なく引き締まった、だけど、柔らかくしなやかな筋肉をミディアムレアで美味しくいただきたい。

あわよくば、サラダとスープ付きのランチで。




ええい、ままよ。
戒めに晒しておきます。

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