
夫の飲み会の日のあれやこれや
「急遽、明日飲み会になりました
泊まります」
夫からそう言われ
内心、ラッキー
夕飯は手抜きしよう
と思った
それが一昨日の夜のこと
今の夫の職場は
車で片道1時間
バス停も駅も
我が家からははるか遠く
不便極まりない
先月あった飲み会の時も
夫はビジネスホテルに泊まった
駅に1番近いホテルを予約したら
同僚から
「出るらしいですよ…」
と言われたらしく
それを聞いた私と次女は
「えー 連れて帰って来ないでね」
と笑った
夫ではなく
自分たちのことを心配した
夫は
別のホテルに予約をとり直していた
「なんでホテル変えた?」
尋ねてみたら
「怖いやん…」
ぼそっと言った夫がおかしくて
気にするんや!
と、また娘たちと笑った
ところが
昨日はどこのホテルも
予約が埋まっていて
夫は帰ってくるしかなくなった
出る、と言われたホテルは
調べなかったらしい
最終が22時31分着という
我が家から片道20分の田舎駅まで
私が迎えに行くことになった
飲み屋からその駅までは
各駅停車で1時間半かかると聞いて
何も言えず
素直に迎えに行った
三日月が綺麗な田舎道
22時31分
ガラガラのJRの車両から
1人降りてきた夫は
「乗ってるのは、俺ひとりやった!
運転手と俺の2人だけよ!
眠くならんやった!」
と何故か興奮していた
帰りの車中で
夫は
職場の今のポジションが
まだ居心地が良くないこととかを
アルコールの匂いを
車内に散らしながら
いろいろ話していた
だけど最後には
「俺は令和の豊臣秀吉やと思うね」
「叩き上げやね」
とやっぱり
自分を肯定する言葉が出てきた
普段、謙虚で穏やかで
淡々ひょうひょうとしている夫は
酔うと
自分褒めが始まり
皆を笑わせる
その度に
私は
なんて自己肯定感が高いんだと
羨ましく頼もしく思い
一方で
夫には私の気持ちは
わからないだろうなと思ってしまう
翌朝、5時50分に家を出て
駅まで送って行くことになった私は
肌着とパンツ姿でソファに座り
なかなか風呂に入ろうとしない夫に
令和の豊臣秀吉さん
ちゃんとお風呂に入って
もうお酒は飲まずに
ちゃんと布団で寝て下さい
と言って先に寝た
今朝、シンクには
空になったカップラーメンのカップがあった
「仕事が終わったら
釣りをしてくるから」
と笑って
車を降りた夫
1時間半、JRの車両に揺られている間
貴方は何を思うのだろう
と一瞬思い
私は車中でひとり
藤井風の曲たちを
きもちよく聴きながら
今日の自分のことを考えていた