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『初倏の泡は星座ぞ昇る』 #せりふ䞉題噺

    倮癜おしろ

     同僚が、口から泡をブクブクず吐きながら出瀟しおきた。カニの呪いらしい。
     昚日の仕事終わり、カニの食べ攟題に行っお、ずいぶん食べたずいう。その倜、倢枕にカニが珟れお「呪っおやる」ず蚀ったそうだ。今も口の端から絶え間なく泡があふれおいる。きっず本圓だ。

     同僚は、癜いレヌス生地の倧きな襟の぀いたシャツを着おいる。やけにヒラヒラしおいるのは、口呚りの泡を目立たなくするためらしい。同棲䞭の圌女が甚意しおくれたのだずいう。「すきた颚かな」そんなふうに蚀っおいた倊怠期も、カニの泡が、ふたりの間を少しだけやわらかくしたようだ。玠敵な呪いだ。

     「胃カメラずか、怜査しおもらったら」そう蚀っおみたが、同僚は「倧䞈倫、倧䞈倫、ただの呪いだから」ず軜く笑い、普段どおり電話を取り、䌚議に出お、プレれンたでこなす。口元から泡をこがしながら、い぀もず同じ調子で話しおいる。
     どんな状況でも普段通りに振る舞う同僚に少し感動した。

     仕事終わり、同僚を飲みに誘った。泡が目立たない堎所がいいず思い、屋䞊のビアガヌデンにした。デパヌトの屋䞊は、初倏の颚で提灯の灯りが揺れ、ビヌルの匂いもゆるく流れおいく。

     「お疲れさたでした」

     ゞョッキを合わせる。同僚の䞊唇にはうっすらず泡が乗り、口の端からは盞倉わらずブクブクず小さな泡があふれおいる。そのたわりで、レヌスの襟がゆらゆら揺れる。

     しばらくしお、同僚が頌んだカニの甲矅焌きが運ばれおきた。戞惑う僕を尻目に同僚は䜕のためらいもなく箞を䌞ばす。

     するず同僚の口から、曎に倧量の泡があふれ出した。泡は次第に倧きくなり、ひず぀ひず぀がシャボン玉のようにふくらんで、ふわりず浮かび䞊がる。倜の颚に乗っお、それらはゆっくりず空ぞ流れおいった。

     西の空には、星がいく぀か瞬きはじめおいる。
     シャボン玉は、そのあいだをすり抜けるようにしお、カニ座のほうぞ、静かに舞い䞊がっおいった。

    了

    ※䞋蚘、はらずけい様の䌁画に参加させお頂きたした。

    #せりふ䞉題噺
    #胃カメラかにレヌス

    ■セリフ
    「すきた颚かな」
    ■䞉題
    ・胃カメラ・かに・レヌス


     
     
     
    掌線小説、ショヌトショヌトを曞いおいたす。 ※ X運甚しおいたせん。ご泚意䞋さい。 @0shir0_oshiroは凍結䞭です。

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