「忘却」
結局、言葉は心を撫でてくれるだけで、
心を癒すのは、どこまでも時間なのかもしれない。
人は、記憶を上書きしながら生き延びていく。
会わなければ、話さなければ、心はちゃんと離れていく。
愛おしかった人の顔も、声も、匂いも、時間がすべて奪っていく。
忘れたいと願ったことさえも、いつか忘れていく。
ここ最近読んだ本にあった一節。
その通りすぎて、何度も、毎日のように読み返してしまう。
そんな私が、別の人を好きになってしまったみたいだ。
会いたい。話したい。少しでも長く隣にいたい。
朝も昼も夜も、その人のことを想ってしまう。
好きなままでいい。
今の私には、まだ誰かと向き合うこともできない。
でも、時間が経てば経つほど、望むことが増えてしまうのかな。
そんなことを考えていた。
1年前、彼と一緒に観た『タイプロ』。
猪俣くんを見ながら、「この人、なんかやらかしそう」
なんて一緒に笑った。
今日、LINEニュースの一番上に出てきた、そのアイドルの顔。
このニュースを見て、彼は私のことを思い出してくれただろうか。
あの日の会話を思い出してくれただろうか。
私はもう忘れていると思ったかな。
それとも、何も頭をよぎらなかったのかな。
Netflixで『プライド』を観る。
その中で、竹内結子演じる女性は、2年も彼を待っている。
私も待ち続けたら、彼はいつか私を選んでくれるのかな。
別に、待つことは悪いことじゃないじゃないか。
そんなことまで、思ってしまった。
この中途半端に終わってしまった彼との関係も、いつか「こんなこともあった」と私の幸せの土台となってくれるのかな。
こんなことがあったから今が幸せと、笑える日が来るのかな。
彼との日々に、ありがとうと感謝できるまで。
まだ、今も思い出しては涙を流す日々は続いてるけど
