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肋骨貸す魔法  毎週ショートショートnote

    めい

    その男は肋骨が透けて見えた。
    汚い食堂の前を右に左にとウロウロしている。腹が空いているようだ。
    私は彼に声をかけた。
    「食わしてやろう」
    男は穴の開くほど私を見た。何かされる予感があったのか。
    そしてそれは間違ってはいない。

    私は左の肋骨が一本足りない。
    先だって知らぬ間に魔族の男に抜かれたのだ。そいつから取り返すよりこの男から一本頂く方が早いだろう。

    私は彼の手を引き入店した。
    「なんでも注文しろ」
    彼は安心したのか飯付きラーメン大盛を注文した。
    あっと言う間に平らげ、私の食べかけの餃子定食をチラチラ見る。
    「いいぜ」
    この言葉とほとんど同時に、彼は餃子を頬張る。

    肋骨が一本でも足りないと、魔力が弱る。2本無くなると普通の人になる。
    つまり我々魔族は人間より肋骨が2本多いのだ。

    ところが彼は恩を仇で返した。
    私の肋骨を抜いたのだ。魔法を使って。
    私はただの人間になった。

    汚い食堂で働く私に、年に一度だけ『肋骨借用代金』として男からの書留が届く。


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    #毎週ショートショートnote
    #ショートストーリー

     
     
     

    めい

     
     
    2023年5月に古希を迎えました。普通のオバアですがお付き合いくだされば嬉しいです。 高齢ではありますし、行き届かないところが多々あると思いますがどうぞよろしくお願いいたします。 めい

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